ここから本文です

日本初のスマートコミュニティー「柏の葉」に日立が目指す都市の形がある

ニュースイッチ 6月9日(木)8時40分配信

日本初のスマートコミュニティー「柏の葉」に日立が目指す都市の形がある

 三井不動産が開発した「柏の葉スマートシティ」(柏の葉SC、千葉県柏市)は、日本初の本格的なスマートコミュニティー(次世代社会インフラ)だ。住宅2000戸、1000人が働くオフィス棟、大型商業施設が立ち並ぶ街では、2014年から新しいエネルギーインフラが稼働している。

 特徴的なのがエリアごとに持つ分散電源の電力を、建物から建物へと送る電力融通だ。平日の日中、オフィスの電力需要が増えると、商業施設からオフィスへ電力を送る。逆に休日は商業施設の電力需要が多いので、オフィスから送電する。建物同士が過不足を調整し合い、街全体として電力消費を抑える。

 太陽光発電や大型蓄電池といった分散電源も、街の主力電源として使いこなす。災害で電力会社の送電が途絶えると太陽光、蓄電池、ガス発電機から集合住宅にも電力供給ができる。

 街全域の電力を制御するのが、日立製作所が三井不動産と構築したエネルギー管理システム「AEMS」だ。日立トータルエンジニアリング本部の戸辺昭彦事業主管は「エネルギーからの最適提案だったが、振り返ると新しいモデルを作れていた」と語る。

 柏の葉SCに先行して開業した「柏の葉キャンパス駅」周辺のエレベーター300基、東京・秋葉原と柏の葉キャンパス駅を結ぶ鉄道「つくばエクスプレス」の車両も日立製だ。日立はエネルギーに限らず、新しい街づくりに事業横断的に関わった。

 日立は4月1日、都市が抱える課題解決を支援する「アーバンソリューションビジネスユニット(BU)」を立ち上げた。都市を見渡し、課題解決の視点から最適な製品・システムを提供する。アーバンソリューションBUを統括する小林圭三執行役常務は「ソリューションをつなげて価値を大きくする」と使命を語る。

 オフィス、商業施設、住宅に個別提供してきたサービスをつなげることで実現した電力融通は、課題解決型の新しいビジネスと一致する。

 これからアーバンソリューションBUが、スマートコミュニティーの推進役を担う。ターゲットの一つが東南アジア。激しい交通渋滞を解消しようと、鉄道の敷設計画がある。鉄道が開通して沿線に街ができると、柏の葉SCの知見が生きる。

 実際に柏の葉SCへは、東南アジアからの見学者が多いという。デンマークからの訪問もあった。日本がスマートコミュニティーの手本としてきた欧州も、柏の葉SCに注目している証拠だ。日立のビジネスモデルに変革を起こしたスマートコミュニティーは、海外展開も始まろうとしている。

<解説>
 駅の混雑時、デジタルサイネージを広告に切り替えて人を駅ビルや周辺のお店に誘導すると、鉄道事業者には混雑の緩和、お店には集客といった価値を提供できる。アーバンソリューションBUがやりたいのは、鉄道、ビル、商店に個別に提供していたソリューションをつなげ、都市全体の価値を高めること。そのモデルが柏の葉であり、「社会イノベーション」の姿だ。

最終更新:6月9日(木)8時40分

ニュースイッチ

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

暗闇で光るサメと驚くほど美しい海洋生物たち
波のほんの数メートル下で、海洋生物学者であり、ナショナルジオグラフィックのエクスプローラーかつ写真家のデビッド・グルーバーは、素晴らしいものを発見しました。海の薄暗い青い光の中で様々な色の蛍光を発する驚くべき新しい海洋生物たちです。彼と一緒に生体蛍光のサメ、タツノオトシゴ、ウミガメ、その他の海洋生物を探し求める旅に出て、この光る生物たちがどのように私たちの脳への新たな理解を明らかにしたのかを探りましょう。[new]