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薬物使用でシャラポワに2年の活動停止処分 [女子テニス]

THE TENNIS DAILY 6月9日(木)12時24分配信

 6月8日、全豪オープンでのドーピング検査でメルドニウムに陽性反応を示していたマリア・シャラポワ(ロシア)に、正式に2年の活動停止処分が言い渡された。シャラポワは今年1月から禁止となった薬物を試合前に定期的に服用していたことを、アンチ・ドーピング機関や自分の周囲の者に隠していたがゆえに、「(自身の不幸の)唯一の責任者である」と見なされた。

 シャラポワは、ただちに、この「アンフェアで無情な」罰に関し、スポーツ仲裁裁判所に上訴するつもりであると発表している。

 国際テニス連盟(ITF)が指名した3人の陪審員によって手渡された活動停止の判決の発端は、彼女が最後にプレーした1月26日に遡る。全豪オープン準決勝でセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)に敗れた翌日、彼女はメルドニウムで陽性と判定された。陪審員はシャラポワのケースのいくつもの要素が、彼女がこの薬物を「パフォーマンス向上のために摂取していた」という結論に導いた、と言った。

 最悪4年の活動停止処分に直面していたシャラポワは、メルボルンで稼いだランキング・ポイントと賞金のすべてを失うことになる。

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 より重大なことに、もし彼女の処分が上訴後も覆らず、期日の2018年1月25日まで続くことになれば、29歳のシャラポワはキャリアの絶頂期となったかもしれない期間に、今年のリオデジャネイロ五輪と8つのグランドスラム大会への出場を断念しなければならないことになる。

 これは間違いなく、5度にわたりグランドスラムで優勝し、幅広いスポンサー契約もあり、世界有数の収入を誇ることで知られるシャラポワのコート上での未来に疑問を付すことになるだろう。

 彼女はグランドスラムの4つのタイトルをキャリアの間に少なくとも一度は獲るという『生涯グランドスラム』を達成した史上10人の女子選手のひとりで、元世界ナンバーワンでもある。そのキャリアの出だしは、多くのことが非常に容易に起こった。2004年、17歳のときにウィンブルドン・チャンピオンになり、18歳で世界1位に、そして19歳で全米オープン、20歳で全豪オープンに優勝した。

 2008年には右肩を手術して何ヵ月も戦線を離れ、ランキングは一時100位以下に下落したこともある。しかし彼女はそこからカムバックして、2012年に全仏オープンで優勝を果たし、その2年後にもパリで2度目のタイトルを獲得した。

 今、9歳のときに父に連れられ、テニスのキャリアを追求するためロシアからフロリダに移り住んだ少女の物語の、暗い一章が始まろうとしている。

 シャラポワはこれに先立ち、3月にロサンゼルスで、ドーピング検査で陽性と判定されたことを発表する記者会見を行った直後、ITFから暫定的な活動停止処分を課されていた。彼女は、2月に行われた大会外でのテストでも、同薬物で陽性と判定されたことについては言及していなかった。

 シャラポワの弁明は、ワールド・アンチ・ドーピング・エージェンシー(WADA)がミルドロネートの名でも知られるメルドニウムを1月1日から禁止薬物としていたことに気づいていなかった、というものだった。陪審員の裁定は、要約して言えば、彼女はそのことを知っているべきであり、もし正しい儀礼に従っていれば知っていたはずだった、というものだ。

 シャラポワは当初、ラトビアで生産されていた通常は心臓疾患のための薬を2006年に健康上の理由から処方されていた、と言っていた。それはロシアの医師による、出だしには18の薬とサプリメントからなる薬&栄養学療法の一環だった、と陪審員は述べている。

 判決書によれば、2010年までには医師の勧める薬物の数が30に増え、彼女はこの医師のもとを2013年に去った。2012年にシャラポワは服用する薬物の数を減らしたが、メルドニウムを摂り続けていた、というのが陪審員の調査結果だった。

 アメリカ合衆国や欧州共同体では禁じられているメルドニウムは血流を増加させ、筋肉により酸素を運ぶことによって運動能力を向上させることができる。

「試合日や強度の高いトレーニング時に摂るというその使い方が、エネルギーレベルを上げるという意図を映している」と判決書は説明する。

「もしかすると彼女は、ミルドロネート(メルドニウム)が健康に一般的な実りをもたらすと信じていたのかもしれないが、その薬品の摂り方、摂取をアンチドーピング機構に隠していたこと、自分のチームにさえ明かしていなかった事実、そして医療的にその薬品の摂取が正当化されていないことなどを考え合わせ(つまりその薬を服用すべき病気を持っていたわけではない)、彼女がミルドロネートをパフォーマンスを向上させる目的で使っていた、という結論に達することは不可避である」。

 先月、2日間の聴聞会を行っていた陪審員は、そこでシャラポワのマネージャーであるIMGのマックス・アイゼンバッド氏と父のみが彼女が薬を摂取していることを知っていたことを探り当てていた。

 シャラポワはまた、ミルドロネートの摂取について、2014年10月22日から2016年1月26日までに提出したドーピング・コントロールの用紙7のどれにおいても、触れていなかった。

「彼女は試合前に、特に現在、医師によって処方されていない薬品を摂取するということが、かなりの重大性を持つことを知っていたはずだ」と判決書は述べている。「これ(薬物の摂取)は考えた上の決断であり、うっかりミスではない」。

 陪審員はまた、メルドニウムの使用を自分のチーム、アンチ・ドーピング機構に隠し、秘密にしていたということは、「規則に従うという義務に対する非常に深刻な違反である」と裁決している。

 ロシアテニス連盟会長のシャミル・タルピスチェフ氏は、タス・ニュース・エージェンシーに、シャラポワよりランキングが10位下の、36位のエカテリーナ・マカロワが彼女の代わりに五輪に出場することになるだろう、とコメントした。(C)AP (テニスデイリー/THE TENNIS DAILY)

Photo: LOS ANGELES, CA - MARCH 07: Tennis player Maria Sharapova addresses the media regarding a failed drug test at The LA Hotel Downtown on March 7, 2016 in Los Angeles, California. Sharapova, a five-time major champion, is currently the 7th ranked player on the WTA tour. Sharapova, withdrew from this week’'s BNP Paribas Open at Indian Wells due to injury. (Photo by Kevork Djansezian/Getty Images)

最終更新:6月9日(木)12時24分

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