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シャラポワ 2年間出場停止、処分決定の裏側<女子テニス>

tennis365.net 6月9日(木)15時1分配信

シャラポワ

女子テニスで元世界ランク1位のM・シャラポワ(ロシア)は8日に、2年間の出場停止処分が正式に発表され、新たに禁止薬物に指定された薬を試合前に服用していたことを反ドーピング機構(WADA)や自身のチームに隠していたことから、今回の処分は「不運の張本人」と題された。

シャラポワ 出場停止に控訴

テニス界の妖精と呼ばれていたシャラポワは、今回の「不当で厳しい」処分をスポーツ調停裁判所に控訴する意向であると語った。

ITF(国際テニス連盟)によって選出された3人の陪審員によるテニス反ドーピング・プログラムの裁判で下された処分は1月26日へさかのぼり、その日から処分が始まる。それは、シャラポワが全豪オープン準々決勝でS・ウィリアムズ(アメリカ)に敗れた直後に受けた検査でメルドニウムの陽性反応が出た日だった。

陪審員は、あらゆるシャラポワの情報を議論すると「今回の処分に導かざるを得なかった」と語ると同時に「パフォーマンスを向上する目的として」その薬を服用したと判断するに至ったと話した。

最大4年間の処分が科される可能性があったシャラポワは、全豪オープン中に獲得した賞金とランキング・ポイントは全て無くなる。

さらに注目されるのは、控訴を退け2018年1月25日まで処分が続くと、29歳のシャラポワは今年開催されるリオ・オリンピックへの出場は絶望となり、その期間に行われるグランドスラム8大会への出場が不可能となる。

そうなるとシャラポワの現役選手としての将来にも影を落とすのは確実と見られている。

5度グランドスラムで優勝しているシャラポワは、世界で最も有名な女性アスリートの1人であり、その多数のスポンサーとの契約から世界で最も収入の高い女性アスリート。女子テニス界で生涯グランドスラムを達成した10人のうちの1人でもある。

シャラポワは3月初旬にロサンゼルスで開いた会見で、1月に受けたドーピング検査でメルドニウムの陽性反応が出たことを公にした直後から、暫定的に公式戦への出場が禁止されていた。シャラポワ自身は語らなかったが、陪審員からの33ページに及ぶ判決文にもあるように、2月に受けた抜き打ち検査でもメルドニウムの陽性反応が出ていた。

シャラポワの反論では、メルドニウムが今年の1月1日から新たに禁止薬物に指定されたことを知らなかったとしている。しかし陪審員の判断を一言で言えば、正しい手順を踏んでいたら、それを知らないはずはないと判断された。

そんな状況から唯一の良いニュースと言われるのは、シャラポワの大型スポンサーの1つであるナイキが「今後も契約を継続する」と発表し「マリア(シャラポワ)がまたコートへ戻ってくることを願っている」とシャラポワへの想いを明かした。

3月のシャラポワの会見の時にナイキは、調査が行われている間はシャラポワとの契約を凍結すると語っていた。

シャラポワが語ったところによると、初めてメルドニウムを処方されたのは2006年のことで、主に心臓疾患に用いられるラトビア製の薬であるメルドニウムを健康上の理由から処方されていた。

陪審員の調査結果から、メルドニウムはロシア医師の「当初18種類の薬物とサプリメントからなる医学的、そして栄養学的な体制」の一部だった。

2010年には、その医師の推奨する薬物が30種類まで増え、シャラポワは2013年にその医師から離れていた。

2012年から薬の服用を減らしていたが、メルドニウムの服用は続けていたことが陪審員の調査で明らかになった。

アメリカのヨーロッパ連合では使用が認められていないメルドニウムは、血液の循環を良くすることから筋肉へより多くの酸素を供給するため、運動能力を向上されると判断された。

「試合中や激しいトレーニング中の服用方法は、エネルギーレベルを高める目的として一致している。シャラポワはメルドニウムが一般的な健康を向上される要素があると信じていた。しかし、薬の服用の仕方は反ドーピング機構などには隠され、自身のチームへも明かされてはいなかった」

「そして医学的な理由を欠いていることから、パフォーマンス向上目的でメルドニウムを摂取したとする決断を導かざるを得なかった」と判決文に記されていた。

先月2日間に渡って行われた公聴会の裁判では、シャラポワのマネージャーであるIMGのM・エイセンバッドとシャラポワの父親だけがメルドニウムを服用していることを知っていた事実が判明した。

「エイセンバッドの信じられない証拠」として8日に報告されたところによると、彼は世界反ドーピング機構が出した禁止薬物のリストを毎年年末のオフシーズンに訪れるカリブでのバケーション中にチェックしていたが、2015年はその旅行にエイセンバッドは同行しなかったために、毎年行われていたチェックが去年は行われなかった」

「IMGから会社を代表する世界のトップ・アスリートのマネージメントを任されるほど信頼されたプロのマネージャーとしては、その事実はあまりにも怠慢で不適切であり、任された選手が反ドーピング・プログラムに反していないか、プロとしての選手生命とその商品価値が維持できるかを考えると、全くもって信じがたい」と判決文に書かれていた。

また陪審員の調査では、2014年10月22日から2016年1月26日の間に提出された7回のドーピングに関する質問次項に、メルドニウムの服用をシャラポワは記載していなかったことが分かった。

「医師からの処方が特になくても、試合前にメルドニウムを服用していたことが非常に重要であることを彼女は知っていたはず。これはミスではなく故意的な判断だった」と判決文に述べられていた。

メルドニウムの服用をチームや反ドーピング機構などに隠していたことは「ルールに従うという義務を重大に違反している」と陪審員は判断した。

ロシア・テニス協会のS・タルピシェフ会長がメディアへ伝えたところによると、リオ・オリンピックへのロシアの代表選手にはシャラポワに代わってE・マカロバ(ロシア)を選出することを明かした。マカロバは今週発表の世界ランキングで36位にいる。

(STATS - AP)

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最終更新:6月9日(木)15時1分

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