ここから本文です

エスカレーター、抗菌で安全に 小田急・下北沢駅大改造

乗りものニュース 6月9日(木)18時42分配信

地下2階と3階に2層構造のホームが誕生する小田急・下北沢駅

 2016年6月9日(木)、小田急電鉄が下北沢駅(東京都世田谷区)付近で行っている複々線化工事の現場を報道陣へ公開しました。「複々線化」とは、上り線と下り線をそれぞれ2本ずつにし、より多くの列車がスムーズに走れるようすることです。

 小田急の下北沢駅は複々線化が完成すると、上下線2本ずつ合計4本の線路が横に並ぶのではなく、道路の「追越車線」にあたる「急行線」のホームが地下3階に、「走行車線」にあたる「緩行線」のホームが地下2階に設けられるという、上下2層構造になります。

 このうち地下3階の「急行線」は、すでに2013年3月から使用開始済みです。そして2017年度、その上の地下2階に「緩行線」も完成し、下北沢駅を含む和泉多摩川駅(東京都狛江市)付近と代々木上原駅(東京都渋谷区)とのあいだで、小田急線の複々線化が実現。混雑の緩和や、朝ピーク時における町田駅(東京都町田市)から新宿駅までの所要時間が10分短縮されるといった効果が見込まれています。

 しかしこうした地下構造にした場合、地上とのアクセスが懸念されます。小田急はそこで「私鉄最大級」というエスカレーターを同駅に設置しますが、話は簡単ではないようです。

エスカレーターの安全性を下げている「ある要因」

 地下2階と地下3階の2層構造になる下北沢駅に小田急は、高低差25mを結ぶ長さ約45mという、京急電鉄・羽田空港国内線ターミナル駅や、りんかい線・大井町駅(東京都品川区)にあるものと同等の「私鉄最大級」というエスカレーターを設置。すでに一部を2016年5月から使っているほか、最終的に同駅へはエスカレーターが大小あわせて11台、エレベーターが2台設けられる予定です。

 小田急はこのエスカレーターについて、手すりを抗菌にするといった“安全に対する配慮”をしているといいます。なぜ「抗菌」が「安全」につながるのでしょうか。それは汚いと考えて、手すりにつかまらない人が多い、すなわち安全性が低い状態でエスカレーターに乗っている人が多いからだそうです。

 鉄道会社や日本エレベーター協会などは例年、「みんなで手すりにつかまろう」キャンペーンを実施。転倒事故などの危険を減らそうとする運動を行っています。線路や建物の地下化や高層化によって、こうした規模の大きなエスカレーターが各所に誕生しているいま、利用者もその使い方を考える必要がありそうです。

 また、小田急線の下北沢駅がこうした地下構造になる理由として、同駅には京王・井の頭線が高架線で通っていることが挙げられます。仮に小田急線を地下でなく高架線で複々線にした場合、井の頭線の上に建設せざるをえません。そのため、とても高いところを線路が通ることになり、周囲に日照の影響が出ることが考えられることなどから、地下2層構造にしたといいます。

恵 知仁(鉄道ライター)

最終更新:6月12日(日)7時2分

乗りものニュース