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[社説]クリントン氏に望む主流候補に相応しい姿

ハンギョレ新聞 6月9日(木)18時46分配信

 米民主党のヒラリー・クリントン前国務長官が、大統領選候補指名に必要な代議員の過半数を確保した。これで11月の大統領選挙は、異変がない限り、クリントン氏と共和党候補のドナルド・トランプ氏の二者対決で争われることになった。主流政治を代弁する初の女性候補と、公職経験が全くないアウトサイダー(局外者)の対決という、珍しい状況になった。

 クリントン氏の公約はトランプ氏とかなり大きな違いを見せる。伝統的なリベラル路線を固守する国内政策により、移民者包容、金持ち増税、銃器規制などでトランプ氏と正面から対立する。通商政策でもトランプ氏がすべての自由貿易協定を強く反対しているのに対し、クリントン氏は既存の協定を擁護する。その一方で、クリントン氏はトランプ氏を意識して「公正な協定」を貫き、環太平洋経済パートナー協定(TPP)は反対に転じた。誰が大統領になっても対外通商圧力が大きくなるものと予想される。

 外交・安保分野でも、クリントン氏は主流政治の大きな流れの中にある。トランプ氏が孤立主義的でありながら米国の利益を露骨に掲げる「米国優先主義」を掲げているのと対照的だ。だが両候補の志向は異なるが、強硬な点では似ている。クリントン氏は北朝鮮核問題でオバマ政権より強い対北朝鮮制裁・圧力強化と中国役割論を主張する。クリントン氏は国務長官在任中に中国に狙いを定めたアジア再均衡政策を立案し、実践に移した人だ。韓米日ミサイル防衛(MD)体制構築を強調するのも、こうした脈絡にある。

 今、朝鮮半島と東アジアを巡る情勢は、複雑に絡み合った葛藤の解決策を見出せず、悪化の一途をたどっている。強硬基調に流れる米国大統領選挙のムードも背景としてある。大統領選挙が終わっても明確な転機を見つけられるか疑問だ。クリントン氏は超大国の主流政治家に相応しく、同盟国をはじめとする世界各国が信頼できる姿を示すべきであろう。人気に迎合した言動で自らの存在感を誇示するトランプ氏とは違う姿であるべきだ。

 米国大統領選挙の結果がどうあれ、韓米関係にはかつてない変化が起きる可能性が高い。だからこそ、その事態にあらかじめ備え、新たな出発のための動力を確保することが重要だ。最も気を使うべきなのは、やはり北朝鮮核問題解決のための土台の強化である。
(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:6月9日(木)18時46分

ハンギョレ新聞