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東ロンドンの海賊ラジオ発!ワルさみなぎる音楽ジャンル「グライム」が世界的流行の予感

M-ON!Press(エムオンプレス) 6月10日(金)18時6分配信

パンクロックは1974年のロンドンで、ギャングスタラップは1988年のLAで……“やんちゃでワルそうな音楽”は、世界のどこかの都市で誕生し、その後世界中に広まっていった。

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そして今年、イーストロンドン発のワルそうな音楽ジャンルが、あらたに世界中で流行しようとしている。それが「グライム(Grime)」だ。グライムとは“汚れ”や“垢”という意味する言葉で、この由来だけでもなんだかワルそう!

今回は、本格的なブレイク目前の音楽ジャンル「グライム」を紹介しよう。

■イーストロンドンの海賊ラジオ放送から誕生

グライムをひと言で説明すれれば、“イーストロンドン発の早口ギャングスタラップ”である。

イーストロンドンは、家賃の安い公共団地が立ち並び、多くの移民が住む、ロンドンの中でも治安の悪い地域である。グライムはこの地域で流れていた海賊ラジオ放送から誕生。1999年にWileyというMCが、ジャングルのビートに乗せてラップをしたことがそのルーツとされている。

現在のグライムは、ドラムンベース、ガラージ、レゲエといった要素が加わったBPM140前後のビート上で、早口ラップをするのが主流のスタイル。
また、ビートにオクターブの下がったシンセベースなどの“悪そうなテイスト”が加えられているのもグライムの特徴のひとつだ。

ちなみにグライムというジャンルでラップをする者は「ラッパー」ではなく、「グライムMC」と呼ばれる。

■ジャンルとして最初のブレイクは2003年

グライムは2003年にジャンルとしての一度大きな転機を迎えた。グライムMC、ディジー・ラスカルのアルバム『Boy in da Corner』が、その年のイギリスで最も優れたアルバムに贈られるマーキュリー賞を、歴代最年少で獲得したのだ。

グライムの聖地・イーストロンドンの公営団地育ちのディジー・ラスカルのこの快挙によって、グライムは初めて音楽シーンで認められたことになる。

ちなみにディジー・ラスカルがブレイクするきっかけとなった楽曲「I Luv U」は、イギリスの音楽雑誌「The Wire」 に“グライム版Anarchy in the U.K.”と評価されたほど、ジャンルを代表する一曲だ。

■ふたりの世界的ラッパーがグライムに大注目

では、ディジー・ラスカルのブレイクから10年以上の時を経て、なぜグライムがまた注目を集めているのだろうか。

実は、昨年からアメリカの大物ラッパーたちがロンドンのグライムシーンと積極的な交流を始めたことがきっかけだ。

特にグライムシーンに接近しているのは、ドレイクとカニエ・ウェストのふたり。特にドレイクのグライムへの熱中ぶりは尋常ではない。

ロンドンNo.1グライムレーベル「Boy Better Know」のレーベル名のタトゥーを彫り、同レーベル所属の人気グライムMCスケプタと何度も共演。最終的にはレーベル契約を結び、2016年4月に最新アルバム『Views From The 6』をリリースした。

アメリカ、そして世界の音楽のキーパーソンであるドレイクとカニエ・ウェストと結びついたグライムは、ジャンルとして本格的に今年ブレイクすることは間違いない。2016年は、グライムから目が離せない年になるだろう。

最終更新:6月10日(金)18時6分

M-ON!Press(エムオンプレス)