ここから本文です

ポール・スミス、すべてをさらけ出す

Lmaga.jp 6月10日(金)7時0分配信

イギリスを代表するファッション・デザイナー、ポール・スミス。彼の全貌を約2,800点もの展示品で紹介する大規模展が、「京都国立近代美術館」(京都市左京区)で開催されています。

ポール・スミスの頭の中を再現した映像インスタレーションは必見

この展覧会の大部分を占めるのは、ポール・スミス自身の紹介。会場には、彼が10代の頃から集めている絵画や写真のコレクションが約500点も並びます。ロンドンにあるオフィスを再現したコーナーでは、部屋中に本、自転車、カメラ、雑貨があふれかえり、彼の趣味嗜好が如実に伝わります。また、彼の頭の中を表現した映像インスタレーションがあるかと思えば、1970年に開店した1号店(わずか3メートル四方)や現在のデザインスタジオの再現も。つまり本展では、ポール・スミスが自分自身をさらけ出し、創造の秘密を明らかにしているのです。一人の創造性豊かな人間の深層に迫る稀有な機会として、本展をおすすめします。

記者発表には、ポール・スミス本人も登場。「現代はパソコンや携帯電話が普及して、多くの情報がたやすく手に入ります。でも、それがかえって模倣をはびこらせ、イノベーションの精神を妨げているのでは。若いデザイナーが犯しやすい間違いの一つが、デザイン過剰になること。情報を詰め込むのではなく、最高にミニマルなデザインを押さえた上で、新しいものを追求していくことが大切です」と、クリエイティブな若者に向けてメッセージを送った。

期間は7月18日まで。入場料は、一般1,500円、大学生1,200円、高校生900円。

取材・文・写真/小吹隆文(美術ライター)

最終更新:6月10日(金)7時0分

Lmaga.jp