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ジョディ・フォスターのブレない人生観「賞や地位で価値は測れない」

クランクイン! 6月10日(金)6時50分配信

 長編映画監督4作目となる映画『マネーモンスター』を引っ提げてジョディ・フォスターが約8年ぶりの来日を果たした。本作は、文字通り“マネー”という怪物によって人生を見失う男たちの姿を鮮烈に描き出しているが、ジョディ自身は浮き沈みの激しいショウビジネスの世界の中で、富や名声に溺れることなく50年のキャリアを積み重ねてきた。そのブレない生き方の根源にあるものとは何なのか、本人に直接話を聞いた。

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 本作は、全米高視聴率の財テクTV番組が本番中にジャックされ、犯罪現場が生中継されるという前代未聞の事件を描くリアルタイム・サスペンス。パティ(ジュリア・ロバーツ)がプロデューサーを務める番組の株式情報で全財産を失くしたと主張する男カイル(ジャック・オコンネル)がスタジオに乱入。MCを務めるリー(ジョージ・クルーニー)を人質に占拠するが、その裏に潜む不正が次第に浮き彫りにされていく。

 これまで『リトルマン・テイト』『それでも、愛してる』など、一貫して家族の絆をテーマにしてきたジョディがまさかのサスペンスで新境地を拓いた。しかも、金によって翻弄されていく人間の愚かさを描いた骨太な作品だ。「今は、自分が何者なのかが見えにくい時代。自分が勝者なのか、敗者なのかを決める物差しとして“お金”や“名声”に向かってしまう傾向がある」と分析。「本作では、人間としての “価値”を見出だせない男たちがたくさん登場しますが、その葛藤する姿に興味深いものを感じた」と製作の経緯を語る。

 かくいうジョディは、20代で2度のアカデミー主演女優賞を受賞(『告発の行方』『羊たちの沈黙』)し、『リトルマン・テイト』で監督デビュー。以降、自身の製作会社を設立し、プロデュース業にも進出するなど、女優という枠を超えて、独自の道を切り開いた。まさにハリウッドのトップランナーとして走り続けるジョディにとっての価値とは何なのか。「今まで触れ合ってきた人たちと培った経験、これこそが人生にとって一番の“価値”だというのが私の考え。何かの賞や地位で測れるものではないわ」とキッパリ。


 さらに、子役時代から50年、 “マネーモンスター”が横行する(であろう)ハリウッド映画界の中にあって、まったくブレずに歩んで来られたのは、「私は純粋に映画を作りたかっただけ。アーティストとして自分を表現すること、それが地に足をつけさせてくれたんだと思う」と述懐。「ご存知のように、私は小さい時から公の目にさらされてきたので、実人生を奪われそうになることがとても多かったけれど、“これは仕事、これは生活”という風に箱を作り、きちんと分けることによって自分の感覚を保ってきた」と振り返る。

 今回は、旧知の仲でもあるジョージとジュリアの力を借りて、満足のいく作品に仕上がったと自信を見せるジョディ。「とくにピエロのようなジョージのダンスシーンは楽しかったわ!私はある意味、役者のアイデアを頼りに演出しているところもあるしね」と満面の笑顔みを見せる。今後は監督業に重きを置きたいと意欲を見せるジョディは、「日本の文化が大好きなので、何かカタチにできないかしら?って実は考えているの」とまさかのサプライズ発言。近い将来、日本を舞台にした、あるいは日本をテーマにした映画がジョディの手から産まれるかも?想像するだけで興奮が止まらない。(取材・文・写真:坂田正樹)

 映画『マネーモンスター』は6月10日より全国公開。

最終更新:6月10日(金)6時50分

クランクイン!

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

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昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。