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マイナス金利導入後の借入金利 企業の23.3%が「低下」も50.9%は「変わらない」

MONEYzine 6月11日(土)14時0分配信

 QUICKは5月20日、4月28日から5月17日調査分の「QUICK短期経済観測調査」(QUICK短観)を発表した。QUICK短観はQUICKが調査・発表している国内上場企業の景況感を示す経済指標で、5月調査では上場企業419社が回答している。

 発表によると、足元の景気について「良い」と回答した企業の割合から「悪い」と回答した割合を差し引いたDI(Diffusion Index)の値は、製造業でプラス7となり前月調査から1ポイント悪化した。悪化するのは2カ月ぶり。非製造業は1ポイント改善してプラス31だった。一方、将来の業況を示すDIの値は、製造業がプラス10で前月比5ポイント改善し、非製造業がプラス26で前月と同じだった。国内景気の足取りは鈍いものの、製造業中心に消費税再増税延期への期待や経済浮揚に向けた財政出動、日銀による追加金融緩和など、経済対策への期待が高まったと同社では分析している。

 また、同時に実施したマイナス金利の影響に関する調査では、「どちらでもない」という企業が66%で最も多くなった。「プラス」は15%(「どちらかというとプラス」14% 「大きくプラス」1%)で、「マイナス」の18%(「どちらかというとマイナス」17% 「大きくマイナス」1%)を下回った。

 一方、帝国データバンクは4月15日から30日にかけて、マイナス金利導入に関する企業の影響について調査を実施し、その結果を5月19日に発表した。調査対象は全国の企業2万3,432社で、有効回答企業数は1万246社。

 マイナス金利で金融機関からの借入金利にどのような影響があったか聞いたところ、50.9%が「変わらない」と回答し、「低下した」は23.3%にとどまった。「分からない」は25.0%で、「上昇した」という企業も0.8%あった。借入金利が低下したのは「大企業」が多く、金利引き下げに関しては「金融機関から提案があった」が57.4%、「自社から要請した」が30.4%で、企業自ら借入金利の低下を求めて交渉していたという。

 また、マイナス金利導入をきっかけに新たに資金需要が発生したかを聞いたところ、「ある」(見込み含む)は11.1%で、「ない」(見込み含む)の68.2%を大幅に下回った。「ある」と回答した企業1,133 社に具体的な用途を複数回答で聞くと、「設備投資」が64.2%で最も多く、以下、「運転資金」(39.2%)、「事業拡大」(23.9%)、「研究開発」(9.4%)、「季節資金(賞与資金、決算資金、赤字補てん資金など)」(5.1%)、「事業承継」(4.0%)と続いた。

 マイナス金利により一部の企業で貸出金利が低下し、設備投資に使われるケースもみられた。しかし、多くの企業がマイナス金利導入の影響を受けておらず、効果は一部の企業に限定されているようだ。

最終更新:6月11日(土)14時0分

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