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花生産で農業再興 化学繊維の培地活用 年度内に組織発足

福島民報 6月11日(土)16時23分配信

 福島県川俣町と近畿大(大阪府東大阪市)が共同で試験栽培に取り組んできた化学繊維・ポリエステルの培地による花卉(かき)や野菜作りが本格化する。平成28年度内に生産組織を発足させ、29年春から規模を拡大する。町は東京電力福島第一原発事故に伴う避難指示の解除が控える山木屋地区などに導入し、地域農業の再興につなげる方針。

 ポリエステル培地はジャージーなどの古着の繊維をほぐした後に固めて作る。保水性や通気性に優れる。施肥は年1回のみで、土より栄養分をバランス良く吸収できる。地面から数十センチの高さで栽培するため、かがむ必要がなく高齢者の負担も少ない。 
 町は復興支援アドバイザーを委託する近畿大と25年6月から同町小島のビニールハウスで、ポリエステル培地によるトマト、ハーブの試験栽培を始めた。同年8月からサツマイモ、26年8月から花卉のアンスリウムに着手。27年度は復興庁の新しい東北先導モデル事業にも採択された。町などは栽培結果から町内の気候でも育てられると判断した。今夏、初めて試験的に出荷し、生産組織は当初農家数戸で設立。その後希望者を募り栽培範囲を広げる。 
 試験栽培の作物の中でもアンスリウムは国内に流通する80~90%が輸入に頼っていることから、特に有望とみている。ビニールハウスで栽培管理すれば、冬の一時期を除き年間を通して月1回の頻度で出荷できる。市場では1本100~200円で取引されているという。 
 町は山木屋地区の避難指示について8月末ごろまでの解除を目標としているが、水田の仮置き場には除染廃棄物の袋が山積みの状態。帰還後すぐの営農再開は厳しいのが現状だ。ポリエステル培地は土を使わないため放射線による土壌汚染の不安はない。原発事故後に使われていないビニールハウスの再利用も可能となる。一方で初期投資の費用がかさむのが課題で町は国、県の補助金活用を検討している。 

福島民報社

最終更新:6月11日(土)16時27分

福島民報