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まるで高級ホテル! エンブラエル社、超富裕層向けジェット機発売

MEGABRASIL 6月11日(土)9時16分配信

プライベートジェット顧客の需要を分析して対応

不況が長引くブラジルでは各企業が可処分所得の多い超富裕層向け商品開発にしのぎを削っているが、その極みともいうべき商品が登場した。

グローボ系ニュースサイト「G1」が6月8日づけで伝えたところによると、世界4位の民間航空機メーカー、エンブラエル社が超富裕層向けプライベートジェット市場に新商品を投入したという。

5000通りのカスタマイズが可能な商品で、大理石の床、皮のソファ、和食レストラン風のインテリアデザインなど多様なラインナップで顧客の多様なニーズに応えるというものだ。

エンブラエル社は過去のプライベートジェットの販売実績を分析し、顧客の用途には2つの用途があることを突き止めたという。

一つは「空のタクシー」サービス会社のように、不特定の顧客にサービスを提供するために購入するケース。ここでは効率、早く移動できることが最も重視される。

もう一つは個人が自分用に購入するケース。顧客は主に経営者、アーティスト、政治家などだ。こちらの顧客向けには個々の趣味に合わせたカスタマイズが必要となる。

オーストラリアのメルボルン、アメリカ合衆国のフロリダにあるエンブラエル社の工業団地には超富裕層の個人顧客を迎えるための特別棟がある。先週、フロリダでラグジュアリージェット「レガシー450」、「レガシー500」のお披露目会が開かれた。

これら新作ジェットのデザイナーはアメリカ人のジェイ・ビーバー氏で、エンブラエル社の機体の内装デザインカタログの責任者。4年前からエンブラエル社で働いている。

レガシーより小さめの機体「フェノン」にはデザインは11種類ある。今回お目見えした大型の「レガシー」、「ライネージ」のラインではデザインの種類が大幅に増え、5000通りが可能だという。

「お客様はここに来る前にある程度頭の中にアイデアをお持ちですが、この部屋に入ったあとは迷いがいろいろとでてくるようです」(ジェイ・ビーバー氏)

ビーバー氏は11人のスタッフでチームを組み、デザインを完成させる。スタッフの中にはあがってきたデザインが実際に機体の中で機能するか、装備可能かを査定するエンジニアもいる。

「飛行機の内装である以上、快適で安全な飛行を妨げるものであってはなりません。その点への配慮は必須です。だからこそチームにはエンジニアが欠かせません」(ビーバー氏)

ビーバー氏は自動車業界の出身だが、航空機にはそれぞれの物語があるとよく口にする。そして唯一無二のデザインを実現するために顧客とよく話す。

同氏は炭素繊維で覆われたレーシングカーを持っていたかつての顧客を思い出す。その顧客の車に対する情熱に触れて、それを航空機に応用することを思いついたという。

「自動車製造業では何百万人もの顧客に向けた商品を作りますが、顧客の一人一人と会うことはありません。このエグゼクティブ向けジェットの市場では違います。顧客と直接話し、それを仕事に反映させるのです。この点にものすごくやりがいを感じます」(ビーバー氏)

どんなアイデアもすぐ試してみる。だいたい30分で顧客は自分のアイデアに対するシミュレーションが見られる。何百万通りもあるパターンの中からでも、90%以上の顧客はその日のうちに自分の飛行機のデザインを選びきるのだという。

エグゼクティブ向け小型ジェット市場の売上高は約1000万USドル(3500万レアル:約11億円)。「フェノン」は過去3年間、世界中で最も売れた航空機で、価格は標準機体で900万USドル(約9億7000万円)だ。

商用サイズの「ライネージ」はすでに標準機体で5500万USドル(約60億円)で成約している。現在「ライネージ」は全部で30体あるが、購入者の大部分は中東の顧客だという。値引き要求を防ぐため、顧客を引き付け続ける戦略を練り上げた。

フロリダ州にあるエンブラエル社での打ち合わせには予約が必要だ。打ち合わせは顧客の要望次第で2日以上にわたる可能性がある。これらの潜在顧客専用にフロリダの工業団地内に特別棟を設けた。

特別棟を訪問する顧客は希望する航空機のサイズ別にそれぞれの機体の内装を模した部屋に案内される。部屋では航空機についての説明を受け、疑問点を解消する。部屋は機体のスイートルームと同じ造りになっていて、顧客は打ち合わせの間そこで過ごす。

「この市場の顧客は非常に限定的です。年間で売れる航空機は約700体。お客様を獲得するためにはこの部屋での快適な時間を演出する必要があるのです。一般的にはお客様はあらゆる要素を総合的に判断してお決めになります。例えば機体の操作性、自動操縦機能、キャビン内の広さ、座席やお手洗いの快適さなどです。お客様によい買い物をしていただくために安心して決断できる空間を作る必要があるのです」(エンブラエル社エグゼクティブ向け航空機マーケティング副社長ルシアーノ・フロエス氏)

エンブラエル社には潜在顧客を開拓するための専任スタッフがいる。彼らは世界の航空機販売データを分析し、すでに航空機を保有している顧客の買い替えニーズを掘り起こすための戦略立案を極秘ミッションとして行っている。

売買契約が終わっても顧客への働きかけは終わらない。カスタマーサービスを指揮するフェリッピ・サントス氏によると、顧客が機体を確認したいと言えば引渡し前の機体の中を見られるよう手配する。

「この体験は特別なものでなくてはなりません。私たちはお客様に『わぁ!』とびっくりする感覚を味わってもらいたいのです。購入プロセスの最初から最後までお客様には満足していただきたいのです。私たちが目指すのは満足したお客様が別のお客様を紹介してくださるような良い循環を生むことです」(フィリッピ・サントス氏)

最終更新:6月11日(土)9時16分

MEGABRASIL

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

斬首動画が何百万回も再生されてしまう理由
昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。