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地方再生に効果あり GI取得、初せりで最高値記録 夕張メロン 北海道夕張市、全国から脚光

日本農業新聞 6/11(土) 15:05配信

 2玉300万円という過去最高の落札額で話題をさらった北海道夕張市の「夕張メロン」。この“300万円効果”が波及している。ふるさと納税の申込件数は倍増し、百貨店では中元シーズン序盤にして注文は前年を上回った。地元道の駅でも注文が急増しているという。夕張市は全国唯一の財政再生団体で、5月末には人口9000人を割っただけに「暗いイメージをプラスに変えてくれる」と歓迎する。

「納税」申込数 たちまち倍

 5月26日、札幌市中央卸売市場で開かれた初せりでは過去の2玉250万円を上回る、秀品1箱(2玉)300万円の超高値で落札された。昨年、政府が品質に“お墨付き”を与える、地理的表示(GI)保護制度に登録されたことが追い風となった。この超高値が消費者を刺激、「夕張メロンを食べたい」という行動につながった。

 市には「夕張メロン」を目当てにしたふるさと納税の申し込みが増加。落札後の週末は、返礼品に「夕張メロン」がもらえる寄付額2万5000~5万円のコースに人気が集中、前週と比べ注文は2倍に増えた。同市まちづくり企画室は「首都圏からの申し込みが多い。300万円という落札額が、きっかけになったのではないか」とみる。

 6月5日に茨城県鉾田市で開かれた全国メロンサミットでも「300万円を付けた夕張メロンを食べたい」と県内外から主婦らが訪れた。

中元好調 5割増し

 百貨店の中元商戦にも「300万円効果」が表れている。大丸松坂屋百貨店(東京都江東区)は中元向けに「夕張メロン」の秀、優品を用意。前年同期より5割増しの注文が入っているという。「(話題性で)注目しているお客は多い。贈答に喜ばれると注文する人が多いのではないか」と分析する。

 松坂屋上野店(東京都台東区)内にある青果店、九州屋では「夕張メロン」の販売コーナーに「今年は2玉入1箱で¥3000000の値がつけられました」と書いたPOP(店内広告)を展開。売り場担当者は「足を止める来店客が目立つ」と手応えをつかむ。

 人口減に悩む地元にも好影響をもたらした。同市の道の駅「夕張メロード」では贈答用の注文が急増。6月発送分だけでも既に前年を2割上回るという。店では「初せりでの高値に加え、GIの登録で全国に注目されている」と喜ぶ。送り先のほとんどは道外向けだ。

 夕張メロンを使ったゼリーを製造・販売するホリ(北海道砂川市)でも、看板商品の「夕張メロンピュアゼリー」の売れ行きが1割増えた。

 こうした効果に、市は「産地の努力でブランド化したメロンがこんなに話題になるとは。夕張の暗いイメージを払拭(ふっしょく)したい」と期待する。(岩本雪子、金子祥也)

日本農業新聞

最終更新:6/11(土) 15:05

日本農業新聞