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炎天下で取引先に待たされ、喫茶店で飲んだ「抹茶フラペチーノ」経費で落とせない?

弁護士ドットコム 6月12日(日)9時50分配信

取引先を待っている間に「抹茶フラペチーノ」を買って経費で落としたら怒られた。ネット上の掲示板に、そんな書き込みが投稿された。

投稿者は、取引先の都合で待たされている間、外が暑かったため喫茶店に入り、「抹茶フラペチーノ」を購入した。その代金を経費で落としたところ怒られたのだという。投稿者は、「取引先に行って待ち時間に飲んだんだが業務中じゃねえか」「俺はこんなクソ熱い中何も買えず棒立ちで待ってろっていうのか?」と憤っている。

この書き込みに対してコメント欄には「逆になんで経費で落ちると思ったのか」「食費は経費で落ちないって話は有名だろ」という意見があった。

今回のように、取引先の都合で待たされている間に、喫茶店に入って飲み食いした物の代金を、経費で落とすことはできないのだろうか。佐藤正知弁護士に聞いた。

●ポイントは「会社運営に必要な費用」かどうか

「会社に請求できる経費の範囲について、明確に定めた法律はありません。労働契約や就業規則に定めがあれば、それに従います。もっとも、出張旅費については定めがある会社もありますが、飲食に要した費用についてまで定めている会社は少ないでしょう」

佐藤弁護士はこのように指摘する。

「そもそも、労働契約では、労働者が負う義務は、会社への労働力の提供です。そして会社は、会社の設備と、提供された労働力を利用して利益をあげるのですから、会社運営に必要な経費を負担すべきは、労働者ではなく、会社なのです。

このため、会社運営に必要な経費であれば、立て替えた労働者が、後から会社に請求することができるという明示または暗黙の『立替合意』があると考えられます。飲食に使った費用であっても、税務上、会社は、一定の条件を満たせば、会議費や交際費として損金算入する、つまり経費とすることができます」

今回のケースはどう考えられるのか。

「会社から指定されたカフェで、取引先と打ち合わせをする場合の料金などは、明示の立替合意がある典型例でしょう。カフェの指定まではなくとも、実際にカフェで取引先とよく打ち合わせを行う職場であれば、暗黙の立替合意があるといえます。

では投稿者のケースはどうでしょう。取引先を待つ時間のような待機時間も労働時間ではありますが、自分だけがカフェに入って使った費用ですので、取引先との打ち合わせのために必要な訳でもなく、会社運営に必要な経費とは言いようがありません。会社に請求する余地はないでしょう」



【取材協力弁護士】
佐藤 正知(さとう・まさとも)弁護士
神奈川県弁護士会所属。労働者側の労働事件を中心に取り扱う。日本労働弁護団常任幹事。神奈川過労死対策弁護団事務局長。過労死等防止対策推進全国センター幹事。著書「会社で起きている事の7割は法律違反」(共著・朝日新聞出版)等。

事務所名:横浜法律事務所
事務所URL:http://yokohama.bengo-shi.com/

弁護士ドットコムニュース編集部

最終更新:6月12日(日)9時50分

弁護士ドットコム

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