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重要課題で議論白熱 富山選挙区立候補予定者が公開討論

北日本新聞 6月12日(日)1時31分配信

 22日の参院選公示を控え、富山選挙区の立候補予定者3氏が、「消費税」「災害対策」といった重要課題を軸に議論を繰り広げた。11日、日本青年会議所北陸信越地区富山ブロック協議会が富山市の富山国際大付属高校で開いた公開討論会。自民党現職の野上浩太郎氏と、民進、社民、共産、生活4党推薦で無所属新人の道用悦子氏、政治団体・幸福実現党新人の吉田かをる氏の論戦は白熱し、生徒たちは投票の参考にしようと、それぞれの意見に真剣に耳を傾けた。

■消費税
野上氏、経済成長で税収増/道用氏、アベノミクス批判/吉田氏、消費税は将来廃止

 野上氏は、景気の落ち込みを防ぐため、安倍首相が消費税増税を延期することにしたと説明した。国内経済は上向く一方、世界経済の冷え込みなどでリスクを抱え始めているとし、税率が5%から8%に上がった2年前には「経済に悪影響があった」と指摘。社会保障の財源不足を心配する声に対しては「経済成長によって国と地方の税収が増えた。子育て支援や介護など優先順位をつけて政策を進めたい」と述べた。

 「経済情勢が不透明な現状では増税できない」という考えを示したのは道用氏。アベノミクスによって格差と貧困が拡大するとともに、大企業は法人税減税などの恩恵を受けながら、給与アップや設備投資に資金を回していないと批判。低所得者ほど負担感が重くなる消費税に頼るのではなく、高所得者ほど税負担を重くする累進構造を強化すべきだとし、「膨らむ防衛費も減らせば、社会保障財源を確保できる」と主張した。

 吉田氏は「消費税を上げても景気が悪くなり、結果的に税収は増えない」として増税を中止し、将来的に消費税そのものを廃止すべきとした。

■災害対策
野上氏、国民の命と国土守る/道用氏、被災者支援策準備へ/吉田氏、危機対応能力を強化

 国土交通副大臣として被災地を回った経験がある野上氏は「国民の命と国土を守ることが、政治の一番大事な部分という思いを育んだ」と振り返った。富山平野が立山カルデラの土砂で埋まらないよう、砂防工事が長年続いていることを挙げながら、「学校や住宅、公共施設の耐震化、断層調査などできることは全てやる」と力を込めた。

 道用氏は、呉羽山断層帯が県中心部を南北に走っており、1858(安政5)年の飛越地震では大きな被害がもたらされたことも例に「県内も油断ならない」と強調。住宅街や建造物の再建制度と、被災者支援策を準備する必要があると訴えた。関東では、学生用の非常持ち出しリュックを備蓄している大学があることも紹介した。

 吉田氏は、自然災害やテロなど幅広い危機対応能力を強化するとした。災害時にいち早く避難する態勢づくりや、被害を受けにくい施設の整備などを提案した。

■原発政策
 野上氏は、資源の乏しい日本では発電の燃料コスト増で電気料金が上がり「国民生活や経済の重荷になっている」とし、世界最高の安全基準で審査した上での原発再稼働は必要だという認識を示した。再生可能エネルギーの導入なども進めた上で「安定的で安価なエネルギーを確保するため、ビジョンを語るのが責任ある政治だ」と主張した。

 道用氏は「東京電力福島第1原発事故の処理や被災者救援が終わっておらず、再稼働は賛成できない」と強調し、政府が原発依存を続けようとしていると批判した。県内でも取り組まれている小水力発電や地熱発電に期待。ドイツやデンマークは原発に頼らない政策にかじを切っているとし「再生可能エネルギーへの転換を進めたい」と訴えた。

 吉田氏は、日本の原発技術は世界最高水準で「安全性が確認されれば、速やかに再稼働させるべきだ」と答え、使用済み核燃料の全量リサイクルにも取り組むとした。

■18歳選挙権
 野上氏は、政策が投票率の高いシニア層に手厚いものになっているのが実情だとし、「しっかり意思を示すことが大切だ」と、投票を呼び掛けた。アジアの軍事的緊張や人口減少などの課題を指摘し、「どう活力ある未来をつくっていくか。皆さんの1票で日本が変わる」と語った。

 道用氏は「18歳は大人として意見を述べることができる年齢」と切り出し、全国には平和をテーマに政治活動に取り組む高校生グループがあることも紹介。「政治は縁遠いものではなく、私たちの暮らしにつながっている。政治について、まず自分で考えることが大事」と強調した。

 政治には、投票率の低い若者層の声が反映されにくいとの見方を示した吉田氏。「投票しないと自分の夢をデザインできない」と語り掛けた。


■自己紹介
 高校時代にバスケットボールに打ち込んだ野上氏は、全国高校総体に出場したエピソードを披露し、スポーツ振興が議員としてのライフワークだと強調した。父が衆院議員だったことから「政治はずっと身近だった」と述べた。

 「難聴だが、音楽が大好き」と言う道用氏は、ピアノやバイオリン、ビオラなどの楽器をたしなむことを紹介。政治に携わることになった理由を「安保法制をめぐる状況を見ていて、黙っていられなくなった」と説明した。

 家庭科の教員を務めた経験がある吉田氏は、教え子との交流を挙げて「今の自分に生かされている」と話した。

北日本新聞社

最終更新:6月12日(日)16時43分

北日本新聞