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里海望む里山に山菜園 門前の有志団体、耕作放棄地を整備

北國新聞社 6月12日(日)2時49分配信

 輪島市門前町吉浦の丘陵地に広がる耕作放棄地が、都市住民と地元住民が交流を深める山菜園に生まれ変わる。同町の有志団体が県の支援で整備に乗り出した。ワラビやウド、ギョウジャニンニクなどを栽培し、来春には首都圏から収穫体験のツアー客を呼び込む。「能登の里山里海」が世界農業遺産に認定されて11日で5年を迎え、団体は里山保全活用の新たなモデルケースとして発信する。

 門前町在住の有志が任意団体「アグロフォレストリー能登」を結成し、雪割草の群生地として知られる猿山岬に近い吉浦地区の斜面に山菜園を作る。日本海や岬を望む絶好の場所で、住民の協力を得て休耕田約3千平方メートルを借り受けた。

 団体は都市住民に里山の恵みとともに海、山の景観も堪能してもらおうと準備を進めてきた。既に開墾に着手し、土壌改良しながら今年いっぱい山菜の移植、株の植え付けに取り組む。

 開墾地周辺には休憩所を設けたり、奧能登の原風景ともいえる間垣(まがき)景観をつくりだしたりする計画だ。

 春のワラビ、アサツキ、ノビル、タラの芽といった多種多彩な山菜に加え、秋はアケビ、シバグリなどの木の実、冬はユリ根と、四季折々の恵みを楽しめるようにする。能登空港を利用した収穫体験ツアーを実施し、能登ならではの食べ方や保存法を紹介する。地元商店街で安く提供し、加工品作りも研究していく。

 アグロフォレストリー能登によると、能登半島は植物の南限と北限が入り交じり、年間を通して多様な植物が芽吹く。東峰敏夫代表(68)=門前町皆月=は「毎年豊かな恵みをもたらしてくれる能登の里山を守りながら都会の人たちに魅力を伝え、新たな交流を生み出したい」と話した。

北國新聞社

最終更新:6月12日(日)2時49分

北國新聞社