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多国籍なITベンチャー・マネーツリーの「FinTech企業らしさ」

ZUU online 6/13(月) 12:10配信

2000年代、「IT企業、ベンチャー企業への注目度が一気に高まった。当時注目されたベンチャーの中には、今や巨大な企業に成長したところも多い。現在では、FinTech企業が次代の成長企業になるのではと注目されている。まだまだ人材不足だとの見方もあるが、拡大していく分野の一つとして、そこで働く人にはより高いレベルのスキルが求められる。

FinTech企業の中には、国境や国籍の違いも越えるサービスに取り組むところも少なくない。国境をまたぐサービスを提供するには、企業自体の「国際性」が重要だ。

その好例が、PFM事業を提供するマネーツリーではないだろうか。個人の銀行口座から、カード支払い、電子マネー、ポイントまで幅広く管理できるアプリを提供するという、IT・FinTechベンチャーという顔がある。またオーストラリア出身のポール・チャップマン氏が創業し、多くの国々から社員を募っているという国際的な顔も持っている。同社はどんな「職場」でどんな「働き方」をしているのだろうか。

■国籍は7カ国、職場はまさに多国籍

まずは同社の「国際性」に焦点を当てよう。すでに言及した通り、マネーツリーを創業したのは、オーストラリにルーツを持つチャップマン氏で、その点から海外ととのかかわりを意識させずにはいない。3人の創業メンバーには、ロス・シャロット氏とマーク・マクダッド氏となっており、日本の視点からはそもそも“「国際的”」なのだ。

職場についても、国際色は豊かだ。同社のマーケティング部長であるザック・タウブ氏によれば、社員の国籍はなんと、7カ国。オーストラリア、日本のほかに、アメリカ、イギリス、スペイン、ニュージーランド、インドネシアと多彩な国籍を持つ社員達が活躍しているという。

ザック氏は「(オフィスの所在地の)原宿に会社もありいろいろな背景を持つ人々が一つの目的に取り組むのは、未来の東京のワークスタイルだとも言えるだろう」と、職場の雰囲気を説明している。

また国際的な職場環境では、言葉のカベが意思疎通の障害にもなりがちだが、マネーツリーではそのような困難もないとのこと。日本語と英語の両方を話せるスタッフがどちらかの言語しか話せないスタッフらを仲介し、言語のカベも乗り越えていくような状況ができているという。つまり、語学力については大きな問題とはならなそうだ。

■Slack、メッセンジャーなどを活用

多くの企業で問題となるコミュニケーションの円滑化。マネーツリーのそこにも、FinTech企業らしさが表れており、注目だ。

組織内の意思疎通の円滑化についてタウブ氏は「コミュニケーションに使っているのは、主にSlack(スラック)だ」と話し、システム開発エンジニアの間で爆発的な人気を誇るアプリケーションを積極的に活用している姿勢を示した。ほかにも、「SMSやFacebookのメッセンジャーも使っており」(タウブ氏)、Skypeなども交えて、さまざまなツールを状況に応じて使いわけているそうだ。

マネーツリーの“「ITベンチャー」っぽさ“はこの、そのさまざまなツールを使い分けているところにも、表れていると言えるだろう。

タウブ氏によれば、同社には完全にリモートで働いているスタッフもおり、そうした場合にもさまざまなコミュニケーションツールを活用。便利なツールを生かしながら業務の円滑化、効率化を図っている様子だ。

■「マネーツリーへの熱い想い、受け止めます」

そんな同社が志望者に求めるのはいったい、何なのだろうか? 外資系企業で働いたり海外留学をしていたりする国際的な、あるいは多文化の環境でやっていた経験かもしれない。一般的には、そんなイメージを抱く人が多いかもしれないが、実態は異なる。

同社によれば、求める人物像で重要な点は大きく分けて2つだ。1つ目は、アプリであるマネーツリーへの想い入れだ。PFM事業を開発している中では、技術に詳しい、エンジニアが求められているのかと思いきや、一般的な目線でさまざまな改善点を出せることも重要だという。

さらにタウブ氏は「マネーツリーに入れば、会社に『こんな貢献ができる』という人にこそ入ってもらいたい」と話す。同社のウェブサイトでもUI/UXデザイナーや、データサイエンティストを募集してはいるものの、現在の募集要項にしばられず、組織に貢献できる人材を求めているといえそうだ。

同社の求める人材のモデルも示しておこう。同社が求めているのは「T型」の人材だという。「T型」の人材は、特定の分野に極めて深い専門知識と経験・スキルを持ち、それ以外の多様な分野にも幅広い知見を持っている人材だとされる。しっかりとしたスキル・知見の軸を持ちながら、さまざまな貢献ができる人材を求めていると言えるだろう。

■「トップグレーディング」で応募者を深い理解へ

最後に採用の特徴も見ておこう。FinTech企業として、あるいはIT企業、ベンチャー企業として、他の日系企業にはなかなか見られない独特な取り組みをしている。

最も特徴的なのは「トップグレーディング」と呼ばれる手法を取り入れていることだ。これは経営を劇的に向上させたことで有名なGEの元CEOであるジャック・ウェルチ氏も取り入れていた選考方法で、巧みに優秀な人物を候補者の中から絞り込むために作られたものだ。

特に注目なのは、深く長いインタビューを候補者に課すことだ。タウブ氏は「強みを見ることができるし、候補者自身が見えていない弱みも見えてくる」とその効果を語る。

ほかにもトップグレーディング採用には、候補者自身に元上司への身元照会電話をアレンジしてもらうというプロセスもあり、日本での新卒採用市場や転職市場で課される選考プロセスとは大きく異なっている。

簡潔に言えば、「レファレンス(照会状)」を準備することでもある。日本の転職市場では求められることが少ないことを踏まえれば、比較的に高いハードルが設定されていると言えそうだ。

そんなマネーツリーは、注目のFinTech企業の一社として、みずほ銀行やDNPなど大手とも連携を進めるが、現状はまだまだ立ち上げ段階。参画メンバーが複数の仕事を担当していたりもすることから、評価システムなどはまだ整っていないとのこと。

今後、どのような人材が参画し、制度面の充実も進むのか。それによって、どのような組織となり、社会に影響を与えていくのだろうか。(FinTech online編集部)

最終更新:6/13(月) 12:10

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