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野村敏京の言葉を伝えるということ

ゴルフダイジェスト・オンライン(GDO) 6月13日(月)14時46分配信

野村敏京が話す日本語の語彙はまだ豊富とは言い難い。神奈川県で生まれたが、5歳で韓国へと渡り、高校卒業までをソウルで過ごした。日本語はもちろん話せる。だが、米ツアーにいる韓国系選手たちとハングル(韓国語)で話しているときの方が、流ちょうで淀みない印象だ。

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今季米女子ツアーで2勝を挙げた野村は、世界ランクで日本人最上位となり、リオデジャネイロ五輪日本代表の有力候補として“突如”メディアの脚光を浴びるようになった。野村を追う記者が増え、報道量も増えた。だが、野村の語彙力は常に頭に入れておく必要があるだろう。字面だけを追えば、野村のコメントはときに過激にも受け止められる。

野村の母・昭英(そよん)さんが心配そうに打ち明けた。「この間『なんでオリンピックをあんなところ(ブラジル)でやるかな?』と言った報道がされたけど、それは批判とかじゃない。女の子だし、男の人よりジカ熱の問題とかを心配しているのは確かなんです。ただ、言葉が足りないから、違うように取る人もいるみたいで…」。

これは、報道する我々自身への自戒でもある。

「KPMG女子PGA選手権」最終日、通算13オーバーの63位で4日間を終えた野村は、得意のユーモアを効かせて「このコースじゃなければ、どこでもいけそう(良さそう)(笑)ここはフェアウェイキープが難しいから」と振り返った。「来週は印象が良いコースだし、食べ物も美味しいので楽しみです」。こんなやりとりも、言葉が1人歩きをすれば、コース批判として受け取られる可能性もあるかもしれない。

押し寄せるメディアの波に、最近では戸惑いを見せることもある。慣れない取材対応で嫌な思いをするのは、いつも決まって野村自身だ。それでも、これから五輪本番まで野村の言動を伝える機会はますます増えていくだろう。丁寧に、彼女が発する言葉とその真の意味をつなげる努力をしていきたい。(ワシントン州サマミッシュ/今岡涼太)

最終更新:6月13日(月)15時23分

ゴルフダイジェスト・オンライン(GDO)