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歴史少年がレア写真を博物館に提供 由利公正肖像をネットで落札

福井新聞ONLINE 6月13日(月)8時55分配信

 福井市立郷土歴史博物館で開かれている企画展「由利公正と仲間たち」(~7月10日)に、福井県あわら市の吉田文也さん(14)が所有する由利の肖像写真が展示されている。現存する数少ない1枚で、ネットオークションで入手した。吉田さんは「新時代を築こうとしたすごい人が多い」と幕末の歴史にひかれ、当時の写真や掛け軸、史料などを収集。将来は「博物館の学芸員」と夢を描いている。

 歴史への興味は小学5年生の時、学校の図書館で豊臣秀吉の伝記漫画を手にしたのがきっかけ。農民からはいあがった生きざまにひかれたという。秀吉以外の武将にも興味を持ち、歴史好きの友達から話を聞いたり、自分で伝記を読んだりして調べるようになった。家族で出掛ける際には、関ケ原古戦場や各地の城を行程に組み入れて巡ったという。

 史料収集のきっかけは、2013年に放送されたNHK大河ドラマ「八重の桜」。激動する時代、登場する人物に魅了され、当時の史料を手に入れたいと、ネットオークションで探すようになった。初めて手にしたのは松代藩の兵学者佐久間象山の書の掛け軸で、約1万5千円で落札した。その後も古い写真を中心に約70点を手に入れた。

 展示の由利の肖像写真は、ネットオークションで約2年前に入手。由利も好きな偉人の一人で「たまたま『由利公正』で検索したところ出品されていた」と、約8千円で落札した。明治以降に撮影とみられるが、伝記「由利公正伝」(1916年発刊)の掲載以外で由利の写真は少なく、「非常に珍しい」(同館)。今回の展示会のために、同館が吉田さんから借り受けた。

 購入資金はすべて、両親の肩もみや手伝いなどで小学生の時からためたお小遣い。「戦国時代の史料は高くて手が届かないが、幕末なら比較的手に入れやすい」と毎日、ネットオークションをチェックしている。偽物をつかまないよう、本で調べたり、博物館で筆跡や落款印などを確認したりして入札している。

 同館には月3、4回通っており、吉田さんは「展示内容はもちろん、展示物との距離感がとてもいい」とお気に入り。同館学芸員の間でも、吉田さんは“有名人”で、角鹿尚計館長は「非常に勉強熱心で知識も豊富。『こんな展示が見たい』と提案してくれることもある」と話す。同館をはじめ、国内博物館の学芸員の講演会にも顔を出す。

 吉田さんは将来の夢を「学芸員」ときっぱり。「これまで学んだことを生かしたい」と、伝える力を身に付けるため、生徒会に入って表現力も磨いている。

福井新聞社

最終更新:6月14日(火)18時8分

福井新聞ONLINE