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[寄稿]今は北朝鮮孤立外交を進める時期ではない

ハンギョレ新聞 6月13日(月)18時17分配信

 2010年代に入り、米中関係が1960年代の中ソ関係のように、対立から紛争、衝突への手順を踏む様相を帯びだしている。中ソの対立は1950年代半ばの理念紛争に始まったが、本質的には社会主義圏内の覇権争いだった。1960年代になってから、それは領土紛争と軍事衝突へとつながった。現在深刻化している米中の対立も、本質的にはアジア地域をめぐる覇権争いだ。

 北朝鮮の核問題で始まった米中対立の戦線は朝鮮半島から南シナ海にまで広がっている。アジア盟主の座を取り戻すという意味の「中華復興」を宣言した中国は、サンゴ礁だった南沙諸島を開発し、飛行場まで建設した。これは太平洋とインド洋で、これまで米国が行使してきた制海権に対する挑戦といえる。そして、この地域の島々を巡り中国と紛争している日本とフィリピンはいち早く米国側についた。先月末のオバマ大統領のベトナム訪問とベトナムに対する米国の武器禁輸措置の解除で、ベトナムも軍事的に米国と同じ船に乗った。

 挑戦する中国を牽制するために、米国は「アジア回帰」政策に立脚し、北東アジアで北朝鮮の核問題を口実に米日韓の3角軍事同盟体制を構築した。東南アジアでは、南シナ海問題を口実に米国と日本、フィリピン、ベトナムの連合戦線を築いた。

 米国を中心とした対中圧迫に対し、最近、中国が実力行使を始めた。今月9日未明、中国の軍艦が、中日が領土をめぐり争っている尖閣諸島の接続水域を航行した。日本は海上管轄権の侵犯として直ちに抗議したが、効果はなかった。同じ時間帯にロシア軍艦も同じ水域を航行していた。東シナ海でも大陸勢力と海洋勢力が対決しているのだ。

 19世紀半ば以降、アジア大陸勢力と海洋勢力の争いが軍事衝突へとつながる度に、その舞台となったのは朝鮮半島だった。日清戦争、そして日露戦争もそうだった。 朝鮮戦争も最初は南北戦争で始まったが、結局、米中戦争に広がった。そのような点で、中国の軍事力が強大になり始めた2010年代以降、東アジアにおける米中対立は、半島国の韓国にとっては対岸の火事ではない。高高度防衛ミサイル(THAAD)の配備問題をめぐり、朝鮮半島で再び火花が飛び散る可能性は十分にある。そして、その火花は、先に平壌(ピョンヤン)を火元にし、北東アジアの山火事に広がる可能性がある。

 ところが朴槿恵(パククネ)政権は、このような状況に対し全く心配していないようだ。超大国の対外政策に関連して重要な意味がある主要7カ国(G7)会議が近くの広島で開かれたにもかかわらず、朴大統領はその時間に遠く離れたアフリカ歴訪に出かけた。オブザーバー資格でもG7会議に出席し、参加国、特に米日が韓国の安保状況に大きな影響を与える米中関係と東アジア関連して何を考えているのか、現場で参謀たちと共に見極めるべきだった。

 北朝鮮の「親友」のアフリカ諸国を韓国の味方に引き入れたとして、それが痛手となって北朝鮮が核を放棄するだろうか?ウガンダは北朝鮮を支援するよりも、北朝鮮から支援を受けている国だ。そのような国を味方にするため、北朝鮮よりどれほど多くの支援を約束したのだろうか。ウガンダと北朝鮮の協力関係を断絶するかどうかに関連する発表が右往左往したのが、そのような疑念を抱かせる。支援しただけの利点があるかも疑問だ。キューバ問題も同じだ。キューバも北朝鮮の「親友」だが、韓国がキューバと国交を結ぶのに大きな意味はないはずだ。せいぜい同時修交にとどまるだろう。キューバが、北朝鮮の核問題と関連し、制裁の仲間入りをする可能性もあまり高くない。

 今は、米中の対立が将来、朝鮮半島に戦争を呼び込むかもしれないという「最悪のシナリオ」に立脚し、両国の動きを注視しなければならない時だ。今は北朝鮮への圧迫を掲げ、遠いところまで行き、北朝鮮孤立外交を展開するような時ではない。核・経済「並進路線」を批判し、先に北朝鮮が行動することを要求するような時でもない。官学協議体を作り、韓国が被りかねない不利益を最小限に抑えるための対策を用意しなければならない。平壌を火元にした火花が北東アジアの山火事に広がらないようにするために、北朝鮮を管理していく妙手を見つけなければならない。国を動かす力は偏見と原則ではなく、洞察力と想像力から出てくるものだ。

チョン・セヒョン平和協力員理事長・元統一部長官(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:6月13日(月)18時17分

ハンギョレ新聞

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

斬首動画が何百万回も再生されてしまう理由
昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。