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リノベーションホテルがオープン!廃業ホテルを譲り受けた理由とは。/北海道

Webマガジン コロカル 6/13(月) 15:47配信

リノベのススメ vol.112

コロカル・Web連載【リノベのススメ】とは?
地方都市には数多く、使われなくなった家や店があって、そうした建物をカスタマイズして、なにかを始める人々がいます。4つの都市から週替わりでお届けする、リノベーションの可能性。今回は、帯広市にオープンしたリノベーションホテル〈HOTEL NUPKA〉(ホテルヌプカ)の坂口琴美さんに担当していただきます。

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みなさん、はじめまして。〈HOTEL NUPKA〉(ホテルヌプカ)の坂口琴美です。十勝の中心都市、帯広市に私たちはこの春、〈ホテルヌプカ〉というリノベーションホテルをオープンしました。

私たちが生まれ育った北海道十勝地方。広大な北海道は、14の振興局に分けられているので、十勝地方はそのなかで、十勝振興局と呼ばれ、食料自給率が1000%を超えるほど、農業や畜産がさかんなエリア。大学から東京に出てしまった私にとって帯広空港に降りる飛行機の窓側席から見える雄大な日高山脈に囲まれたモザイク調の美しい模様を織り成す畑は、帰るたびにため息の出るほど美しい風景でした。

山々の恩恵を受けて、私たちは大地の恵みをたくさんいただき、日高山脈と果てしなく広がる美しい畑に包まれて日々を過ごしています。そして、十勝は北海道の中でも「おいしい」にたくさん出会える場所。

生きることは食べること。

食べもののある安心感。十勝で出会う人たちが自由な考え方のできる人たちが多いと感じるのは、そんな素朴でおいしい食べものに囲まれる安心に由来するのかな、と私は思います。

この魅力ある土地を舞台とした小さなリノベーションホテルの取り組みと私たちの大きな夢についてお話しますね。


■十勝と世界をつなげる

ホテルヌプカは、2016年3月、北海道十勝地方の中心都市・帯広市で開業しました。昭和48年から平成24年まで営業していた、〈ホテルみのや〉の風合いある5階建ての建物をフルリノベーション。2~5階には客室やランドリールームが、1階にはカフェ&バーがあり、ここは、ホテルのゲストだけでなく、地元の人も気軽に入ることできます。

また、宿泊できるだけでなく、イベントなども随時開催予定。全国、全世界から十勝を訪れるゲストと地元の人との交流が生まれることで、十勝と世界をつなげる役割を果たしたいと願っています。


■ホテルオープンのきっかけは映画づくり?

私がこの新しいホテルづくりに関わるきっかけとなったのは、東京で暮らす十勝出身者が中心となった短編映画づくりのプロジェクトでした。

大学入学と同時に上京し、歳を増すごとに都会の良さや日本のさまざまな地域の知識が増える一方、地元のすばらしさに気づかされるようになっていきました。都会では味わえない、また日本とは思えない広い空と大地を感じてほしいと思うようになっていきました。何よりも野菜の味がまったく違うんです。

月に一度、十勝の素材を使うレストランで夜な夜な集まっていた私たち。いつも話題にのぼったのは故郷十勝の魅力をもっと発信できないかということ。そこで、国内だけでなく世界にも向けた発信を考えたときに、思いついたのが、十勝を舞台にしたストーリーと映像を発信するということでした。「十勝」を「TOKACHI」として、グローバルなブランドとして育っていくよう、なにか役立ちたいという思いから始まった取り組みです。

映画のタイトルは『マイ・リトル・ガイドブック』。台湾の旅行会社で働く女性主人公が、まだ広く知られていない北海道の観光資源を見つけるために十勝に派遣され、地元の人との出会いの中でドラマが生まれるお話です。

この映画づくりを取り組んだ仲間のひとりが、十勝出身の柏尾哲哉さん。柏尾さんは、東京で弁護士として働く一方で、生まれ育った帯広の中心市街地の空洞化が進んで、人通りが減り、かつてのにぎわいを失ったまちなかに、映画を通じて十勝を訪れる新しい人の流れをつくり出したいと考えていました。

そんなとき、帯広駅から徒歩3分の飲食街の一画で昭和48年から営業を続けていた〈ホテルみのや〉が平成24年で営業を終了していることを柏尾さんは知りました。


■廃業ホテルの土地建物を譲り受ける

スクエアな外観に、風合いのあるタイル張りが印象的で1階の開口部が大きく、前を歩くと中の様子が気になってしまうような建物でした。

この建物を生かして、全国、全世界から十勝を訪れるゲストと地元の人たちが交流できる宿泊施設をつくることを柏尾さんは考えました。

モデルとして影響を受けたのは、米国ポートランドにある〈ACE HOTLE PORTLAND〉。老巧化したホテルをリノベーションし、1階ロビーはゲストだけでなく市民にも広く開放されています。いつも、隣接するコーヒースタンド〈Stump Town Coffee〉のコーヒーを持った宿泊者や地元客でにぎわっています。そして、ACE HOTLEの周辺にはおしゃれなお店が増えて新しいにぎわいが生まれています。

柏尾さんが、ホテルみのやの所有者に相談したところ、「まちづくりのために生かしてくれるなら」という思いで、土地と建物を譲っていただくことができました。

学生時代の飲食店でのアルバイト、東京での開業を経て、日々お客さまと接することに喜びを感じるなか、いつか宿を開こうと思っていた私は、東京は谷中の寺町にある長屋で、宿を開く準備に取りかかろうとしていた時期がありました。

そのタイミングで東日本大震災が起きました。一旦白紙に戻った宿計画でしたが、そのことを知っていた柏尾さんから「帯広のまちの中でやりませんか」と誘いを受けます。このひと言が、現在のヌプカに至るストーリーの始まりでした。

2014年3月のことです。

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最終更新:6/13(月) 15:47

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