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高台からの眺望が最高! 今帰仁(なきじん)に長居したくなるカフェをつくった夫婦/沖縄

Webマガジン コロカル 6月13日(月)15時36分配信

ローカルの暮らしと移住 vol.15

コロカル・Web連載【ローカルの暮らしと移住】とは?
ローカルで暮らすことや移住することを選択し、独自のライフスタイルを切り開いている人がいます。地域で暮らすことで見えてくる、日本のローカルのおもしろさと上質な生活を全国で取材します。

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■高台からの眺望は最高! 長居したくなるカフェをつくった夫婦

ちょっと不安になるくらいクネクネと山道をクルマで上って行く。しばらくすると突然パッと開ける場所に出る。山の上に分譲住宅地があって、まだすべては埋まってはいないが、そのなかでも海を一望できる一等地ともいえる場所に〈カフェこくう〉がある。沖縄っぽい雰囲気がありながらもモダンな建物が目印だ。

真冬以外は大きな窓も開け放して、風がよく通る。海へ向かうカウンター席もあって、たとえ家族連れでも横並びでそちらに座ってみたくなる。それだけ、この眺望は格別だ。

お店がオープンしたのは2012年。店を営む熊谷祐介さんと友紀子さん夫婦は、2008年に沖縄に移住してきた。まずは那覇の都心部に住む。でもそれは仮住まいで、長く住むつもりはなかったのだという。

「小さなお店をふたりでやりたいねと話していました。でも土地勘がないので、まずは那覇に住みながら沖縄をすべて見て回ったんですよ。南城市も読谷村もステキだったんですが、やはりココ今帰仁村(なきじんそん)が気に入りましたね」と話す熊谷祐介さん。

カフェは自宅を隣に併設している。当初は古民家に憧れていて、移築して住みたいと思っていた。しかしなかなかいい物件もなく、建築士さんに「沖縄は風も日差しも強いから、数年で古民家みたいになるよ(笑)」と言われ、新築を建てることに。

実際に施工を担当したのは宮大工さん。すでに沖縄にも宮大工は2社しか残っていないという。建物は沖縄らしい工夫がつまっているものになった。ボルトなどの金属は使わず、木だけで組み上げている。家を建てる土地に小さな家を建て、時間ごとの日差しを計算したり、沖縄の自然環境に合わせて親身になって教えてくれた。だから土地を購入してから実際に建物が完成するまでに、3年かかったという。建物は台風などで風に揺れて、どんどん締まっていくという。台風のたびに強くなる建築なんて、なんとも沖縄らしい。

じっくりとていねいに。沖縄時間なんてよくいわれるが、それは熊谷さん夫婦のリズムにも合っているようだ。いまは少しずつ色の変化や味を楽しみながら育てている段階。沖縄特有の強い風と日差しで、どのように経年変化していくのか楽しみだ。


■今帰仁村の食材でていねいにつくられるランチ

〈カフェこくう〉は、カフェといっても、新鮮な野菜をシンプルにいただくランチが好評だ。今帰仁村は沖縄本島のなかでも土壌が良いと言われていて、那覇などでも、今帰仁産の野菜を使っている飲食店は多い。

「今帰仁村にある3軒の農家さんと契約しています。料理を通じて今帰仁村の良さを伝えていきたいと思っているので、なるべく近くの農家さんの野菜を使うようにしています。毎朝、どこかしらの野菜が届きます。ほしい野菜の種類を指定しているわけではなくて、それぞれの農家さん任せ。だからメニューも必然的に日替わりになりますね」

その日に入荷した野菜によって、その日の献立を考える。毎日考えるのは大変だが、料理自体は野菜そのものの味を引き立てるようなシンプルな料理が多い。

「あまりこねくりまわさないで、蒸して塩だけとか、オリーブオイルとシークワーサーでマリネとか。そんな調理法ばかりです」

野菜をなるべくそのまま食べてもらう。それが〈カフェこくう〉の料理。それだけ今帰仁の野菜自体がおいしいってこと。

「じっくりコトコト煮る、ていねいに洗ってあげる。そんなことで味に差が出るのかわかりませんが、野菜を大切に取り扱うようにしています」

こうしてつくられた料理は、沖縄の作家がつくったお皿やグラスなどに盛りつけられる。

「やはり沖縄の食材には沖縄のうつわをあわせたいですね。沖縄特有の色、そして力強さや土くささが表現できると思います」

ランチ前の仕込みで忙しい厨房を覗かせてもらった。熊谷さん夫婦とスタッフの3人がせわしなく動いている。でも荒っぽさはなく、切る、和える、煮る、すべての仕事はすごくていねい。おいしい野菜を大切に調理したいという気持ちがそこに表れているようだ。

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最終更新:6月13日(月)15時37分

Webマガジン コロカル