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郷里と懸け橋、使命感 オールビジネスリンク社長・新垣進さん【アクロス沖縄】

沖縄タイムス 6月14日(火)14時55分配信

 「肌にまとわりつくあの沖縄の空気がいい。ウチナーンチュだと実感する時だよ」。郷里を思う気持ちは強い。「純粋に沖縄を支援したい」と何度も繰り返した。
 とはいっても、沖縄で過ごしたのは生後3カ月まで。川崎市で鉄鋼関係の仕事をしていた親戚を頼って家族で移住し、現在に至る。言葉、食事、風貌…。幼いころから、自分の周辺にいる県人とヤマトの間の違いは認識していた。
 沖縄人意識を育むのに強い影響を与えたのが、伯父で「沖縄民権の会」を立ち上げて復帰運動や沖縄問題の解決に心血を注いだ故・古波津英興さん。小学生のころから古波津さんの話を熱心に聞いて育った。凄惨(せいさん)な沖縄戦、米軍統治下のひどい人権状況、復帰運動、そして沖縄差別と、語りは多岐にわたり、心に刻んだ。「そんな中で立ち上がる沖縄の人はすごい」と、誇りにつながった。
 中学3年の卒業文集で「差別」をテーマに選んだ。外にある沖縄差別を問い、沖縄出身の子のいじめについて問題提起した。褒める教師もいたが、担任が「差別なんかない。お前の考えは甘い」と授業中に罵倒された。悔しさと怒りに駆られ、その夜、職員室を焼き打ちしに向かった。「母親の顔がふと浮かんでね、われに返ったよ」。笑って話すが、沖縄への思いは強固に出来上がっていた。
 バイタリティーあふれる経営者。30代で人材派遣業の世界に入り、40歳で独立起業した。派遣業界では名の知れた存在だ。一度、廃業の苦しみも味わったが、はい上がり、2012年に現在の会社を立ち上げた。
 県人関係団体では「顔役」の一人でもある。関東で頑張る県出身者をつなげ、上京者の就職も支援する。「離れているだけに沖縄への思いが強い。懸け橋になることに使命を感じる」と話した。(東京報道部・宮城栄作)

 しんがき・すすむ 1954年、旧東風平町出身。人材派遣業界で長年経験を積み、業界で活躍する人材も多く育てた。14年前に設立した現在の会社には、県出身者を支援する「沖縄スタッフ事業部」も設置している。関東沖縄経営者協会、東京沖縄県人会で副会長。

最終更新:6月14日(火)14時55分

沖縄タイムス