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【インタビュー】ASH DA HERO「100年後も“僕という現象”が」

BARKS 6月15日(水)7時25分配信

2015年冬にメジャーデビューを果たしたASH DA HEROが、6月15日にフルアルバム『THIS IS LIFE』をリリースする。“世界の現状” “平和への願い” “二律背反” “夢や希望とは?”といったメッセージを込めた全10曲が収録された今作で、彼は自身の過去を生々しく明かし、未来への希望や愛を歌う。

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“反逆のロックスター”という肩書を背負いこの半年間活動してきた彼は、今回のアルバムで、もう“反逆”はいらないと提言したい、と話してくれた。これまでのイメージをがらりと変えたアーティスト写真にはじまり、生のストリングスを多用し、ロックを全面に打ち出した前作を思い切り裏切ったサウンド作りなど、その振り幅には驚かされるばかりだ。さあ、前置きはこのくらいにしておこう。ASH DA HEROによる“インタビュー・ショウ”開演の時間だ。

  ◆  ◆  ◆

■ASH DA HEROの物語 “THIS IS”3部作が完結

──まもなくデビューして半年になりますが、大きく変わったことや意識の変化はありますか?

ASH DA HERO:お客さんがちょっとずつ増えてきたし、いろんな人が協力してくれるようになったということもあって。ただ、変化を俯瞰で見るようにしながらっていう感じかな。自分自身でまだまだ変わってないっていう意識を持つようにしています。

──なぜですか?

ASH DA HERO:例えば、VAMPSと一緒にライヴをやらせてもらっていることもそうなんですけど、一線を張っているアーティストと触れ合う機会が増えたりして。それによってファンが増えると、勘違いしちゃいそうになるんですよ。そこに乗っかると天狗になるし、裸の王様になっていっちゃう。「まだまだ、僕なんて全然しょうもないです」っていつも思うようにしているんです。

──2016年1月に名古屋でワンマンライヴを行いましたが、地元ということで、それこそ周囲の盛り上がりを肌で感じたのでは?

ASH DA HERO:それが、地元のライヴは友人とかひとりも呼んでないです。

──故郷に錦を飾るみたいな気持ちは全く無し?

ASH DA HERO:それをやるんだったら、愛知県勤労会館とか、日本ガイシホールとか、誰もがわかるような大きいところでライヴをやれるようになったらですね。そこにすがりたくもないし、逆にそれが愛だと思っているから。

──では、ニューアルバム『THIS IS LIFE』についてお聞きします。1曲目の「Overture」はウグイスの鳴き声から始まる意外な幕開けですが?

ASH DA HERO:日本から世界に向かって行くような世界感を抽象的にイメージしていて。ウグイスの鳴き声は、戦国時代の雰囲気を出したかったんです。扉が開かれて出陣した先にあるのは西部劇とか洋画っぽい雰囲気というか。位置付けとしてはタイトルそのまま“序曲”。前作で描いた世界観とのつなぎ役でもあるんだけど、“戦いの日の朝”って感じですよね。過去から現在、未来へみたいなものを集約した曲です。

──1分程度の曲ですが、そのなかでも目くるめく展開があります。

ASH DA HERO:だんだん風景が変わっていくっていうか。三味線みたいな音が入っているんだけど、あれはギターで表現していて。“和”をイメージしながら細かいところにもこだわってます。

──「Overture」があることで、ストーリー性がより強調されましたよね。それに、アルバム全体を通してみるとストリングスやコーラスがフィーチャーされた楽曲もあって、映画的だなと。

ASH DA HERO:僕は作品を作るとき、ひとつの物語を書いて、それに付随した音楽を作っていくようなタイプで。たとえば5曲なら5曲で、1つの組曲というか交響曲みたいな感覚なんですよ。今回の作品は普遍的だけど、よりスケールの大きさだったり、メッセージの深さを意識しています。

──1曲単位ではなく、連なる物語があるわけですね。

ASH DA HERO:1枚目のアルバム『THIS IS ROCK AND ROLL』(2015年5月発売)と、2枚目のアルバム『THIS IS A HERO』(2015年12月発売)、そして今回の『THIS IS LIFE』で、“THIS IS”3部作なんです。この3枚は、ほぼ同時期に作られたもので、リリースのタイミングをちょっとずらしたっていう感じ。ASH DA HEROの物語がこの3部作で描かれて、『THIS IS LIFE』は、その完結編。

■血なまぐさいアルバム『THIS IS A HERO』から、次は思いっきり裏切ってやろうと

──それぞれのストーリーとは?

ASH DA HERO:『THIS IS ROCK AND ROLL』は、通称“からっぽの街”にASH DA HEROという男が現れて、街で織りなす人間模様を眺めながら、皮肉や憂鬱な感情を持ったりする。それでも、そんな世の中や居場所が無い人に対して、何もできないんだったら僕が作ってあげるよ、と宣言するところで終わるアルバム。

──次の『THIS IS A HERO』は?

ASH DA HERO:“からっぽの街”の噂を聞いた別の街の奴らのところに、突然ASH DA HEROが現れて、「お前ら何をそんなモヤモヤしているの?」ってヒーローを気取り始める。最初は「なんだ気持ち悪い」って石を投げつけられるんだけど、だんだん彼に引き込まれて。「THIS IS LOVE」っていうメッセージを最後にASH DA HEROが去っていった物語。

──そして、今作『THIS IS LIFE』は?

ASH DA HERO:僕たちの街……多分東京という具体的な街に、ASH DA HEROが現れて、「まだメソメソしてんのかよ、お前たち!」みたいな感じでいつもどおり歌い始めるんだけど。そもそもASH DA HEROがなぜヒーローになったのか、なぜこういうことを始めたのかを紐解いていく物語。サーガの最終章にして“エピソード0”みたいな内容です。

──先ほど“過去から現在、未来へ”という話がありましたが、『THIS IS LIFE』の歌詞には時間の流れがありますね。

ASH DA HERO:歌詞の時系列としては、5曲目「いつかの街で」から始まるんですよ。これが“ASH”になる前夜なので、4曲目が本当のエンディング。物語の時系列で言うとそうだけど、僕は音楽家だから、音楽として現在、つまり物語の後半から聴かせたほうがいい。だから「Overture」は“ここから『THIS IS LIFE』の先のASHのお話が始まります”という立ち位置なんです。

──ASH DA HEROという人物像の時系列と、ひとつのアルバムとしての音楽的配列が考え抜かれているという?

ASH DA HERO:人間が集中して音楽を聴ける時間は大体25分が限界って言われているから、そのなかに収められるように1枚目は23分、2枚目は24分ジャストで終わっているんです。今回のアルバムは、1~4曲目まででちょうど20分ぐらいなんだけど、その間に必ず4曲目の「Everything」を聴かせたかった。本当であれば、「いつかの街で」から始まって、最後が「Everything」っていう並びが物語の時系列としては正しい。でも僕が一番聴かせたかったのは「Everything」だから、時系列を変えて持ってきたと。

──その「Everything」をフックとして、物語が5曲目から始まるという。

ASH DA HERO:だから本当に映画的な作り方ですよね。映画って、撮っていくうちに、「最初はエンディングって考えてたこのシーンは頭に持ってきた方がいいね」ってなったりもする。そういう感じで作ったかな。

──そういう曲づくりがASH DA HERO流のやり方?

ASH DA HERO:そう。僕のスタンダードな作品の作り方。もちろん1曲単位で集中して作るんだけど、欲しがりなんだろうね。1曲で完結じゃなくて、10曲で完結させるみたいなことを昔からやってきたから。例えば、5~7曲目は3曲で1曲みたいなところがある。クラシックが好きだからね、オペラとかサウンドトラックとか劇伴も好きだから。

──収録された楽曲は、バンド感が強い前作『THIS IS A HERO』に対して、今回は生のストリングスを多用したり、前作以上にバラエティに富んでいますが?

ASH DA HERO:そう、今回のアルバムはそこを変えたかったし、僕のなかで構想はできていたから。曲調も全体のアルバムの色もラインナップも、『THIS IS A HERO』のレコーディングが終わった頃には、もう出来ていたんですよ。この次にはソフトな曲とか壮大な曲とかができあがっていくだろうから、『THIS IS A HERO』はすごく激しいものにした方がおもしろいなって、逆算して作ったんです。

──あえてギャップを作り出したような?

ASH DA HERO:血なまぐさいアルバム『THIS IS A HERO』から、次は思いっきり裏切ってやろうと。ただ、バンドサウンドは一発録りで、ストリングスや打ち込みは、そこに乗っかるという手法は変わっていない。でもね、生のストリングスが入るだけで、一気に幻想的にもなるし壮大にもなるんですよ。たしかにストリングスとかコーラスは多用しましたね。結果、色は柔らかくなっているし、幅広く聴いてもらえる気がする。

──一方で、「You Gotta Power」はボン・ジョヴィを彷彿とさせるなど、ASH DA HEROの音楽的バックボーンを感じさせる部分もあります。

ASH DA HERO:「You Gotta Power」はボン・ジョヴィから盗みましたからね(笑)。最初はストーン・テンプル・パイロッツとかアリス・イン・チェインズみたいな曲だったんだけど。試行錯誤するなかで、ボン・ジョヴィの「リヴィン・オン・ア・プレイヤー」とか「イッツ・マイ・ライフ」とか「ハヴ・ア・ナイス・デイ」とかのエッセンスを取り入れたら絶対おもしろくなるかなと思って。で、アレンジャーの宮田“レフティ”リョウとあれこれ模索しながら、「「イッツ・マイ・ライフ」の“ダン ダン”っていうリズムで始まる曲って、あんまりないよね」って話になり。リズム自体に著作権はないですから。

──クイーンの「ウィー・ウィル・ロック・ユー」とか、ハノイ・ロックスの「マリブビーチ・ナイトメア」とか。もっと言えば、モータウンビートとかは受け継がれるべきリズムですよね。

ASH DA HERO:そうそう。リズムやフレーズを受け継いでいくっていうのは絶対必要だから、思いっきり盗ませてもらいました(笑)。

──アレンジャーの宮田“レフティ”リョウさんは、いくつか作曲もしていますね。

ASH DA HERO:「Anchor」と「上京難民」かな。僕が最初に作った原曲の「上京難民」のデモテープをレフティが聴いたとき、「これめちゃくちゃいい曲だね。でも、このままやるとさだまさしになっちゃう。ASHに四畳半は似合わない。もっとアーバンにした方がいい」となり(笑)。「ザ・ルーツみたいな感じにしよう」ってその場で曲を書いてくれたので。

■お前が思っているほど、誰も何も気にしてないよって

──今回のアルバムは、ASH DA HEROの半生が明かされるっていうのが大きなポイントだなと。ここまでリアルに自身の過去に触れるのって勇気がいると思うんですが?

ASH DA HERO:僕の音楽的なルーツにブルースとソウルミュージックがありますからね。「ここまで自分の内面をえぐり出す必要があるのか?」って言われたりもするんだけど、ことブルースとかブラックミュージックに関してはこういう手法って当たり前で。ASHはどうして生まれたのかを語る上で、名古屋という街は切り離せない、タトゥーを入れた理由もね。今回はそういうのを曲にしてもいいだろうなと思ったので。

──「いつかの街で」「上京難民」は生々しい歌詞に驚いたんですが、これって本当の話ですよね?

ASH DA HERO:「いつかの街で」はASHの前夜、ASHになるまでを割りと事細かに書いてみたっていう曲。ただ、僕は全く「上京難民」の歌詞のようにならなかったから。これは僕の周りの奴らのことを歌った曲です。

──「いつかの街で」「上京難民」「Never ending dream」は3曲で1曲という話でしたが、どのようなストーリーが?

ASH DA HERO:“いつかの街”に僕は全てを置いてきたんです。昔の自分とも決別したし、自殺しようとも思ったんだよ、23歳の頃。気づいたらビルの屋上に立ってて。フェンスに足をかけたらすごく強風が吹いてね、落ちそうになったときに、思わず「あっぶねえ!」って言っちゃったんだ。今から死のうと思ってた奴の言うセリフじゃないですよね。自分がすごく情けなくなって、一生分くらい泣きはらして、警察に保護されて。家に帰ったあと、今までのこと思い出してました。小学校の頃いじめられていたこと、中学校で教師たちから陰湿なことをされたこと、高校でトラブルに巻き込まれて停学をくらったこと。僕にASHって名前を授けてくれた奴が……僕が誘った飲み会の帰りに、目の前で死んでしまったこと。いろんなことが重なって、なんにも無くなっちゃって。

──ASH DA HEROの“エピソード0”でもある「いつかの街で」には、そんな背景があったんですね。

ASH DA HERO:全てがうまくいかない人生だったんです。それまでの23年間は。いじめられているのは、卑しい気持ちを持っている奴らのせいだと全部周りのせいにしちゃっていたし、そんな過去の自分と決別するために、ビルの屋上から飛び降りて、死んだ。で、「今残っている僕は誰なんだ」って思ったとき、気づいたらギターを手にして、ピアノを手にして、歌っていた。もうこれしかない、ロックスターになろうって。そういうタイミングだったんです。

──ASH DA HERO誕生の話ですね。で、「上京難民」ですけど、これは上京したASH DA HEROが見た東京という街?

ASH DA HERO:全部を捨てて東京に出てきたら、なんとなく生きてる奴ばっかりだったんですよね、何も捨てずに。“東京に出てくればなんとかなる”みたいな。上京してすぐに飲み会に誘われた下北沢には、役者やってますみたいな、自称ミュージシャンですみたいな“なんちゃって”な奴らが集まっていて。大物の名前を出して、共演しただのいろいろ言っているんだけど、“お前は誰なんだよ!?”って奴ばっかり。こいつら“難民”だって。そのとき、“僕は意地でもプロになる!”って思った。「上京難民」はそのときのことを書いた曲。自分の生まれ育った街で築いてきたものを守り続けて捨てられない奴は、東京来たら難民になるよっていうのを伝えたいかな。

──<なんとなく 今 帰るは負けって なんとなく まだまだやれるって>という歌詞が刺さる人は多いでしょうね、私自身も含めて。これは“上京”した人が“難民”になった状態についての歌詞ですけど、負けたくないし、地元に帰ってもどうしようもないっていう想いを抱えたまま、なんとなく東京にいる人は少なくないでしょうから。

ASH DA HERO:僕は、全くこの状況にならなかったからこそ、説得力を持って歌えたと思ってます。悔しかったら這い上がってこいよ、それか地元帰れよって。家業を手伝うとか地元で仕事を探すとか、悪いことじゃないし、全然ダサいことでもないと思う。ただ、僕はごめんだねっていう歌。「上京難民」になっているような奴だったら、デビューできていないと思うし、こんな歌唄えてないです。

──なるほど。アルバムのラストナンバー「HELLO NO FUTURE」は“愛じゃ救えない?”という疑問系を含みながらも、“それでも 愛を希望を歌おう”と高らかに告げるASH DA HEROの意思表示でもあると思うんですが、“世界はこれっぽちも お前に興味無いの”とか、愛を表現する手法が斬新。

ASH DA HERO:現代はコミュニティがワイドになったけど、一方でこじんまりしているでしょ。例えば、SNSの中の数十人の賛否に一喜一憂したり。「LINEのグループ外されてイジメにあっています」とかがニュースになったり。気持ちはすごくわかるんですけど、ちょっと視野が狭いんじゃないかって。だって世界には何十億の人がいて、そのなかの数十人のことなのに気にしすぎじゃないですか。自意識過剰な人が増えていると思う。だからそういう表現にしてみたんだよね。お前が思っているほど、誰も何も気にしてないよって。

──周りの目を気にせず、好きにやれってことですよね。

ASH DA HERO:そうそう。僕がビルの屋上に立ったときに、ホントそうだったから。「友達ひとりもこないじゃん」って。死んじゃっても、その事実が残るだけで、「どうして止められなかったんだろう…」とか友だちは言うんだろうけど、三ヶ月後にはケロッとして仕事しているんでしょうし。そんなもんなんだよ、人生って。そう思えば楽じゃない? だから「反抗声明」(『THIS IS A HERO』収録)に近いですね。めちゃめちゃ明るく、めった刺しにしている感じかな。

──あははは。そこがASH DA HERO流の優しさ。“あなたはひとりじゃない”って歌う表層的な愛の曲が巷に溢れるなかで、“世界はお前に興味が無い”と言い放つ逆説。でも、その言葉が強く背中を押してくれて温かく、ASH DA HEROは立ち向かう人たちを応援しているという。

ASH DA HERO:“大丈夫だよ、やればいいよ”ってね。でも、ちゃんと見てる人はいるんだよ。「Never ending dream」でも“いろんな極端なこといっぱいやって100人ぐらいに嫌われても、最後のひとりとして僕はいるからね”って歌ってるでしょ。そういうときは一回振り返ってみるといいよって。絶対誰かの想いが、誰かの顔がそこにあるからねっていうことを歌っている。「HELLO NO FUTURE」はそういうものの全部の締めくくりですね。

──ASH DA HEROにとって、そういう存在は?

ASH DA HERO:それを感じられなかったから、僕は“いつかの街”で全部を捨てちゃったんですよね、きっと。本当はいたはずなんですけどね。だけど、今はそれを感じることができる。たくさんいますよ、ファンのみんなも、スタッフのみんなも、家族もそう。僕は常に応援してくれている人をそばに感じながら毎日を生きている。でもそれは、永遠じゃないこともわかっているし、それに対して裏切られたとか、寂しいっていう感情は、とっくの昔に捨ててきたので。今一緒にいてくれることへの喜びを爆発させたり、喜怒哀楽を楽しんでいる感覚かな。

■このアルバムで提言したいのは、“反逆”はいらないってこと

──では、ASH DA HEROが描く未来像は?

ASH DA HERO:「One Hundred Years Later」で歌っているんですけど、僕の最終的な夢は、“100年後も生き続けていたい”っていうこと。それは生命があることではなくて、100年後も“僕という現象”が転がっていてくれたらと思っていて。人間なんて明日死んじゃうかもしれないじゃないですか。そのために自分のバカみたいな夢を種としてばら撒いておきたい。

──バカみたいな夢って、壮大そうでいいですね(笑)。

ASH DA HERO:ローリング・ストーンズのミック・ジャガーやエアロスミスのスティーヴン・タイラーくらいの年齢になったら、宇宙ロックフェスを主催したいと思っていてね。そのときに世界を賑わせているアーティストを招いて、みんなで宇宙から地球を見たい。地球はこんなにも小さくて丸くて、このひとつの星のなかで僕らは一緒に生きてるんだぜって。国も違うし、言語も違うけど、手を取り合えるはずだよ、みたいなことを最後に届けられたらいいなと。それをやったら100年後の教科書にも絶対載るでしょ(笑)?

──間違いないですね(笑)。

ASH DA HERO:まだ無名なアーティストが何をバカなことを言ってんだって話だと思うんだけど、それを語ることで、こんなバカな奴がいたんだよって残るでしょ。その先には、それをマジで目指す奴が出てくるかもしれない。もちろん自分で叶えることが理想だけど、夢を配ることも僕の仕事。ロックスターってそういう職業だと思うんです。未来へ向かって理想や夢を発信し続けたい。叶っちゃうぐらいの夢とか、諦めのつく夢ならみないほうがいいと思う。がんばれば達成できちゃうぐらいの夢なんて“ノルマ”で、成功率0%のものが夢というか。

──“0か100”がASH DA HEROの魅力でもありますね。

ASH DA HERO:僕は自然体ですからね。「キャラ作ってるんでしょ?」ってよく言われるけど、むしろ昔の僕がキャラ作って生きてきたんだよ。ASHになってからはリミッターが外れて、メジャーデビューして拍車がかかった(笑)。それに、キャラ作ろうとしてもうまくいかないんですよね。新しいアーティスト写真も、カメラテストのカットで。そこから先のカットはカッコつけようとしてるあざとさが出ちゃう。

──このアーティスト写真って、一番さり気ないASH DA HEROってこと?

ASH DA HERO:そう。ホントにカメラテストの一枚目。アルバムを作ってすぐ撮ったから、この作品で一番自分が伝えたい、喜怒哀楽全ての感情が表情になって出ているなって思いますね。衣装も含めて。

──ジャケットを着ているし、今までとの印象の違いにびっくりしました。

ASH DA HERO:メジャー一発目のアルバムで“反逆のロックスター”みたいな肩書を付けて広めてもらったんですけど、このアルバムで提言したいのは、“反逆”はいらないってこと。もうカウンターは求めていなくて自分の王国を作りたい。

──これまでがワイルドサイドだとしたら、このアルバムからは王道へ?

ASH DA HERO:自分のイデオロギーとかそういうものが広がっていくためには、一個城を作んなきゃいけないっていうのがあって。そういうイメージだからちょっと貴族っぽくね。

──ジャケットのハートは?

ASH DA HERO:すごく早い段階で“ハート一発ドン”にしようって決めていて。それをデザイナーさんとすり合わせながら進めていったんだけど、いろんな捉え方ができていいデザインですよね。ハートにも心臓にも見えるだろうし、いろんなカケラが集まってハートになっているって見方もできる。もうひとつのポイントは、檻の内か外かわからないけど、その影がある。すごく意味を感じるというか、とってもアーティスティックでイマジネーションが広がりますよね。

──その意味合いは限定しない?

ASH DA HERO:聴いた人の心理状況によっていろんな見え方をするんじゃないのかな。だからこのアルバムタイトルなんですよ。『THIS IS LIFE』の“LIFE”って、“命”って意味もあるけれど、人生。アメリカのスラングだと、“生きてて良かった”っていう意味合いにもなる。人生って痛いことも悲しいことも寂しいこともあるけど、とにかく生きてるじゃんっていう。“生きてるってことだよ!”っていうのを一番伝えたい。聴くたびに、その人に一番響く曲が見つかるアルバムだと思うんだよね。

取材・文◎高橋ひとみ(BARKS)

New Album『THIS IS LIFE』
2016年6月15日(水)発売
¥2,315+税
CRCP-40464(CROWN STONES/日本クラウン)
1. Overture
2. You Gotta Power
3. Anchor
4. Everything
5. いつかの街で
6. 上京難民
7. Never ending dream
8. 生命のリレー
9. One Hundred Years Later
10. HELLO NO FUTURE

<ASH DA HERO ONE MAN TOUR 2016 「THIS IS LIFE」>
7月27日(水)東京 : TSUTAYA O-West
8月19日(金)大阪 : 大阪 MUSE
8月26日(金)名古屋 : Electric Lady Land
開場 18:00 / 開演 19:00(全日程共通)

最終更新:6月15日(水)7時25分

BARKS