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【千葉魂】 清田、周りに励まされて光明 お立ち台で浮かんだみんなの顔

千葉日報オンライン 6月14日(火)11時43分配信

 お立ち台に導かれると、自然と笑みがこぼれた。いろいろな人の顔が思い浮かんだ。みんなが、心配し、後押ししてくれた。6月12日のスワローズ戦。満員のファンの声援を受けて、3安打2打点の活躍をみせた清田育宏外野手のヒーローインタビューが始まった。

 「試合前の練習でも監督が付きっきりで指導してくれたり、これだけ打てない中でも使い続けてくれる監督に何とか応えたかった。いろいろな人に励ましてもらい、ファンの方の温かい声援が僕を支えてくれた」

 この日の試合前まで15打数無安打だった。規定打席到達者の打撃成績ではパ・リーグの一番下にその名前があった。試合が始まる前、ベンチ前のグラウンドに座って、ストレッチを繰り返しながらポツリとつぶやいた。「最近、寝れないんです」。頭の中から打撃のことが離れない。やっと眠りについたと思っても浅く、深夜に目を覚ましてしまう。「一度、起きてしまうと打撃のことを考えてしまう。ああでもない。こうでもないって。その繰り返し」。悩み深き、マリーンズの主砲。しかし、一人ではなかった。チーム全体で、なんとか気持ちを楽にさせてあげようと気遣い、励まし続けた。

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 伊東勤監督が打撃練習中に、付きっきりでアドバイスをした。時には動画を撮影し、チェック。「たとえ、どんなことがあってもオマエを外すことはない。ドッシリと構えていけ」と励まし続けた。この日の試合前打撃練習。いつものように打撃をチェックしてくれた指揮官に「きょうは打つ。オレを信じろ」と肩をたたかれた。そして近くにいた報道陣にも「きょうは清田が打つよ。見ておいてくれ」と言い放つとニヤリと笑った。根拠は分からない。でも、その言葉が自信になった。

 「監督の気遣いが泣きそうになるぐらいうれしかった。使い続けてくれる監督のためにもなんとか結果を出したいと思っていました」

 チームメートも支えてくれた。試合後に室内練習場で打ち込むことを日課としていた。「こんなに打てない自分が一番先に帰ったら、申し訳ない。今の自分は試合前も後も打ち続けるしかない」。前日11日の試合後もいつもように室内練習場に向かった。先客がいた。その試合で無安打に終わったデスパイネがマシン相手に打ち込みを行っていた。清田の姿を見つけると「オレがボールを上げるよ」。そう言ってティー打撃のボールをトスし、「当てにいってはダメだ。強く振るんだ」と助言を受けた。「苦しんでいる人にアドバイスをするのはキューバの習慣。一緒にお立ち台に上がれてうれしいね」。この日、偶然にも共に晴れ舞台に立つとデスパイネは清田にウインクをして喜んだ。

 チーム全体の心配りもあった。試合前のベンチ前での円陣。通常はその日の担当の一選手が声を出して終わる。が、落ち込み気味の清田に元気を出してもらおうと、それが終わると誰からともなく「さあ、二次会」と清田を指名。円陣の真ん中に導いた。「きょうは打つぞ!」「打てなくてもやれることはある!」。自分に喝を入れる時もあれば、時には自虐的なネタをあえて口にすることもあった。ただ、そうすることで不思議と気が晴れる自分がいた。そして笑顔で円陣の真ん中へと迎えてくれる仲間たちの優しさが身に染みた。みんなが励ましてくれた。笑ってくれた。肩をたたいてくれた。だから、試合が終わり、ヒーローに呼ばれると、自然と目頭を熱くさせた。

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 「まだまだ、これからです。次が大事。1試合で終わるのではなくて、継続的に結果を出さないといけない。支えてくれる方、応援してくれる方、信頼して起用してくれる監督のために、ボクは頑張ります」

 自分に言い聞かせるように、そう言うと前を向いて笑った。開幕から誰よりも声を出してきた。たとえ打てなくても、ベンチのムードメーカーとしてチームを引っ張ってきた。若手を励まし、劣勢な時はチームを鼓舞し明るいチームをつくり上げた。そしてリーグ最多の19回の逆転勝利が生まれた。誰もがマリーンズにおける清田の存在の大きさと貢献度の高さを知っている。だから、背番号「1」が笑顔を取り戻してくれたことがうれしい。マリーンズの快進撃は止まらない。

 (千葉ロッテマリーンズ広報 梶原紀章)

最終更新:6月14日(火)11時43分

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