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「何のために勉強するの?」と聞かれたら…何と答えたらいい?

ベネッセ 教育情報サイト 6月14日(火)12時1分配信

【質問】
6年生の長女がしきりに「何のために勉強しなくちゃいけないの?」と聞きます。将来のためとか立派な大人になるためとか答えていますが、あまり説得力がないようで、何度も聞いてきます。何と答えたら良いのでしょうか? 
(ヨガウーマン さん:小学6年生 女子)

親野先生からのアドバイス

ヨガウーマンさん、拝読いたしました。

子どもがこういう質問をしてきたとき、大人の対応としては二つの方法があります。
まず一つめは、真剣に考えて答えてあげることです。問われた大人自身が自分で一生懸命考えて、自分なりの精いっぱいの答えを示してあげることが大切だと思います。もちろん、これには誰もが納得する一般的な《正解》というものはあり得ません。それは、「何のために生きるのか?」という、人間の究極的な問いに一般的な正解がないのと同じです。「何のために生きるのか?」「何のために勉強するのか?」と、人はみんな生きながら、そして学びながら考え続けるのであり、その過程そのものが人生です。いつか答えが出る人もいるでしょうし、出ない人もいるでしょう。
また、たとえ答えが出たとしても、それは暫定的なものであるかもしれません。
いずれにしても、他者から「これこれ、このためだ」という答えを与えられても、それで済むというものではありません。
みんな自分の答えを探し続けなければならないのです。

でも、他者の考えは「なるほど、そういう考えもあるのだ」という参考にはなります。ですから、ぜひ、自分なりに一生懸命考えて、「自分はこう思う」という考えを示してあげてください。

それに、大人が真剣に考える姿を見せること自体が大切なことでもあるのです。そして、子どもにも自分なりに考えるよう促してあげてください。その際、いろいろな人の伝記に触れさせるのも良いと思います。過去の偉人や人生の先輩たちは、何のために生き、何のために勉強したのか、それを知るのは子どもたちにとって良い栄養になります。
そして、それをきっかけに、子どもの将来の夢についても話し合ってみると良いでしょう。これらのことが一つめです。

次は二つめです。
子どもが「何のために勉強しなくちゃいけないの?」と聞いてきたとき、実は本当に子どもが言いたいことは別のところにあるということがよくあります。つまり、「勉強が楽しくない。勉強がわからない。助けて」と言いたいのです。あるいは、「親の要求が高すぎて、自分はつぶれそうだよ。もう無理だよ。助けて」「勉強が多すぎるよ。大変すぎるよ。助けて」と言いたいのです。
言葉では、何のために勉強するのか聞いていますが、本当はそんなことを知りたいのではないのです。ただ、「助けて」と言っているのです。
悲鳴でありSOSなのです。

この場合、親が一つめのような対応を一生懸命してみても、的外れになってしまいます。それよりも、子どものつらい状況をよく理解してあげて、救いの手をさしのべてあげることが最優先です。勉強がわからないなら、手をさしのべてあげてください。親が教えてあげる、先生に頼む、個人指導の塾に行く、家庭教師を頼む、などです。
それで解決すれば良いですが、理屈通り簡単にはいかないことも多いでしょう。そういうときは、もう勉強には目をつぶってあげることも必要になります。その分、もっとほかのことで、その子が好きで得意なことを伸ばしてあげてください。
何でも良いので、一つでも良いので、自信を持たせてあげてください。

また、親の要求が高すぎるとか勉強が多すぎるという場合は、子どもの状況に応じて負担を減らしてあげてください。あまり無理なことをさせていると、必ず反動が出ます。弟や妹、あるいは自分より弱い子をいじめるかもしれません。
今はよくても、あとで燃え尽き症候群になることもあります。実際そういう例はたくさんありますので、気をつけてください。

自己管理力が強くてイヤと言わずにがんばってしまう子、イヤという素振りすら見せない子、こういう子がかえって危ないこともよくあります。こういう子は、自分でイヤと言いたくないのです。だから、無意識のうちに勉強自体の意義を問うという形になるのです。

この場合、自分も親も気づかないうちに、密かにストレスをため込んでいる可能性があります。

さて、二つのことを書きましたが、実際には後者のほうが多いように思います。
つまり、何のために勉強するのか知りたいというより、SOSであることが多いのです。その場合、いくら理屈で答えても的外れです。親も先生も、子どもの言葉をそのまま受け取るだけでなく、本当に言いたいことは何かということをくみ取ってあげることが大切だと思います。そして、的外れな対応でなく、本当に必要なサポートをしてあげてほしいと思います。

私ができる範囲で、精いっぱい提案させていただきました。
少しでもご参考になれば幸いです。
皆さんに幸多かれとお祈り申し上げます。

ベネッセ 教育情報サイト

最終更新:6月14日(火)12時1分

ベネッセ 教育情報サイト