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ヘルパー派遣中止、蓮田の社会福祉協議会が発表 継続求める声広がる

埼玉新聞 6月14日(火)4時10分配信

 埼玉県の蓮田市社会福祉協議会が来年3月にホームヘルパーの派遣事業を中止すると決めた。障害のある利用者やその家族から「あまりにも無責任。福祉の切り捨て」と不満の声が上がっている。利用者らは2千人を超える署名とともに、事業の継続を求める請願書を市と市議会に提出。13日に開かれた市議会民生文教委員会(7人)では、3人が賛成、3人が委員会を退出し、請願が採択された。

■利用者「福祉の切り捨て」

 市社協は今年3月23日、ホームヘルパー派遣事業の中止を発表。理由については、民間事業所の増加や福祉ニーズの多様化に触れ「先駆的な役割は終えた」とした。現在、担当者が利用者30人に中止の決定を説明し、他の事業所への引き継ぎを促している。

 利用者の声を聞かないまま中止が決定。重度の障害のある利用者らが反発し、事業継続を求める声が広がった。

 市内に住む四肢麻痺の女性(41)は、重度訪問介護の認定を受けている。社協ヘルパーの派遣中止を受け、民間事業者に引き継ぎを依頼したが、これまで申し込んだ7事業者の全てから断られた。

 女性は、突然派遣を中止し民間事業所に引き継ぐという社協の方針に「現実はそれほど甘くない。効率の悪い、(サービスの)価格単価が低い利用者を一般の介護事業所が引き受けるのは難しい。社協は介護の現場を見ずに弱者を見放している」と語った。

 70代男性は、気管支を切開した40代の長女が、社協ヘルパーのサービスを受けている。当初、市から社協のヘルパーを紹介された。「呼吸器を外すなど熟練したヘルパーに見てもらっている。ヘルパーさんは親身になってくれるし、病院からの信頼も厚い。社協は実情も把握せず、書類一枚で一方的に打ち切りを通知してきた。ショックだった」と打ち明けた。

 利用者に加え、登録ヘルパーにも波紋が広がっている。「寝耳に水。事実上のリストラ」。登録へルパーの女性は今年3月、市社協から突然派遣終了の方針を告げられた。「登録するのはいいけど、仕事量は減ると言われた。ヘルパーがないがしろにされている。首切りと感じた」と憤る。

 13日の委員会で、社協の花俣隆一事務局長は「他の民間事業所でできるものは移行していくというのが社協の方針」と答弁。今後の対応について「(この日の)委員会の内容を7月の理事会で報告し、ご意見を伺いたい」と述べた。

 ヘルパー派遣事業について、市は「事業開始当初は市の委託事業として行っていたが、現在は社協が独自で運営している。あくまで対等な立場。市が指導する立場にはない」としている。

最終更新:6月14日(火)4時10分

埼玉新聞