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諫早開門和解協議で国、再生基金具体案示さず

佐賀新聞 6月14日(火)11時50分配信

 国営諫早湾干拓事業の開門差し止め訴訟の第5回和解協議が13日、長崎地裁(松葉佐隆之裁判長)で開かれた。国が提案した開門に代わる有明海再生のための基金創設について、開門派の漁業者側が「基金の規模が不明で中身も何をやるのか分からない」とただしたのに対し、国側は「(開門派に)規模の判断に関わる具体的な考え方を示してほしい」と逆に投げ掛け、想定額を示さなかった。

 協議は非公開。基金創設の提案を受け、開門派は10年以上にわたり巨費を投じてきた有明海再生事業の効果と、それをどう総括して基金を提案したのか事前に質問していた。国は文書で回答し、有明海再生事業について「知見や成果が蓄積され、再生への道筋が開けてきた。今後はこの積み上げを本格的な実施につなげる段階にまで至った」と総括した。基金は「和解に際しての1回限りの特別措置」とし、基金創設と開門のどちらも実施することは「あり得ない議論」と断じた。

 協議後、農水省の担当者は基金の規模に関し「基金を管理する沿岸4県や漁業団体に聞き取りしながら検討していく」とした。

 開門派の馬奈木昭雄弁護団長は「基金創設は手法にすぎず、基金を使って何をやるのか国は『これまでの取り組みを加速化させる』と言うばかりで示さない」と批判した。28日の次回協議で、国に追加の説明を求め、裁判所にも「開門に代わる再生案が見えてこない場合、『開門に伴う農業被害は防げるか』の議論に移るよう要望した」と述べた。

最終更新:6月14日(火)11時50分

佐賀新聞