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保管悪く、文化財の部材が腐敗 秩父の旧大宮学校校舎、移動を検討

埼玉新聞 6月14日(火)10時30分配信

 埼玉県秩父市が同市浦山の旧浦山中学校で保管している旧大宮学校校舎(市指定文化財)の部材について、保管状況が悪く、腐敗し始めていることが13日、分かった。市は同市下宮地町の旧秩父東高校校舎への部材の移動を検討していることを明らかにした。

 旧大宮学校は明治17(1884)年に建設された洋風建築の校舎。明治建設の木造小学校が現存するのは県内唯一で、全国でも珍しい。秩父第一小学校や旧市立民俗博物館などとして利用された。街中への移築計画のため2002年に解体を着工したが、計画が中止となり、旧秩父セメントを経て05年から旧浦山中学校で部材が保管されている。

 部材は旧浦山中学校の1、2階と校舎外の簡易置き場にあり、校舎外の部材は腐敗が始まっている。管理人は駐在せず、1、2階もほぼ閉め切った状態のため、湿気が多い。木材は部材と部材の間が空気と触れるように保管することが望ましいが、そのような処置はされていなかった。

 5月に現場を視察した清野和彦市議(無会派)は13日に行われた6月定例市議会の一般質問で、「残念ながら市民共通の財産である文化財にふさわしくない保管状況。このままの状況で保管するのは大きな問題」と指摘した。

 市によると、03年時の復元計画で建設工事費は約2億円と見積もられている。市教育委員会の新井康代事務局長は「旧大宮学校の復元は建築の場所、施設の活用方法、復元に要する費用の確保などの問題を解決しなければならないので、今後も引き続き担当部局と調整を行いながら、検討していく」と答弁した。

最終更新:6月14日(火)10時30分

埼玉新聞