ここから本文です

岡崎京子初の大規模展、いよいよ関西に

Lmaga.jp 6/14(火) 18:00配信

昨年1月、東京・世田谷で開催されたマンガ家・岡崎京子初の大規模展『戦場のガールズ・ライフ』。初期作から代表作まで約300点が一堂に会し、小沢健二が会場でシークレット・ライブを行ったことも大きな話題を呼んだ展覧会が7月、いよいよ関西に初登場する。

【画像】岡崎京子『東京ガールズブラボー』(宝島社)

作品だけでなく、存在自体が80~90年代ポップカルチャーの最前線だった岡崎(まさにアイコン)。しかし、1996年に交通事故に遭い、現在も自宅療養中で、すでに20年にもわたり執筆活動は止まったまま。にも関わらず、未刊作品の出版や復刊が相次ぎ、2012年には沢尻エリカ主演で映画化(『ヘルタースケルター』)されるなど、今なお絶大な人気を誇っている。

岡崎のマンガ家としてのスタートは、自販機本と呼ばれていたエロ本のイラスト。女子高生作家として桜沢エリカらとともに注目を集め、アルバイトとしてイラストを描きながら、短編マンガを発表(70年代の日活ロマンポルノから有名監督・女優が輩出された現象に似ているか)。そして、21歳で単行本『バージン』でデビューし、以降、『くちびるから散弾銃』、『東京ガールズブラボー』、『リバーズ・エッジ』などヒット作を連発。マンガ誌だけでなく、ファッション、音楽誌、エッセイなどにも活躍の場を広げていった。

ではなぜ、岡崎がこんなに人気があるのか──。その、お洒落でポップな作風・・・によるところも大きいが、その理由にはさまざまな要因を挙げることができる。多くの名作映画や名曲が作中に登場するサンプリング、エディット感覚(ネタ探しも含めて)には90年代カルチャーの中核を見ることができるし、作品全体に漂う鬱屈感や閉塞感はまもなく迎える21世紀への期待と不安に生きる若者たちの言葉にならない感情を読み解くことができる。また、今でいうところの「リア充」がこぞって登場、友だちも恋人も、ファッションもセックスもありながら、それでも堕ちざるえないガールに、(核家族の弊害や資本主義の欠陥による)家族の在り方や現実の不安を投影。セリフには、湾岸戦争と恋バナを同一的に捉えた今なお続く諦観的な視点が取り入れられ・・・などなど。

とまあ、そんな評論家気取りの、勝手気ままな視点すら受けとめてくれる懐の深さこそ、岡崎京子の最大の魅力。展覧会の公式カタログ(2,300円・税別)には、出品原画や単行本未収録作品が多数掲載されるほか、吉本ばななや小沢健二らによるエッセイ、桜沢エリカ×安野モヨコ×しまおまほのトークイベント採録(安野はかつて、岡崎のアシスタントをつとめていた)なども収録されるので、そちらもぜひチェックしたい。展覧会では、「お洒落でポップ」なだけでない岡崎京子に触れられるに違いない。期間は7月30日から9月11日まで、「伊丹市立美術館」(兵庫県伊丹市)にて開催される(一般800円、大高生450円ほか)。

最終更新:6/14(火) 20:56

Lmaga.jp

なぜ今? 首相主導の働き方改革