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防衛省が主導する「能力構築支援」とは?

THE PAGE 6月15日(水)12時0分配信

 2016年6月初旬、アジア太平洋地域の国防大臣などが多数参加するアジア安全保障会議がシンガポールで開催されました。日本からは中谷防衛大臣が参加し、会議の中で、地域の平和と安定のために日本が行う活動に関する新しい方針を示しました。その方針が「ハイブリッドな国際防衛協力」です。各種の活動を有機的に組み合わせようとするこの方針の柱とされるのは「能力構築支援」、「共同訓練」、「防衛装備・技術協力」と呼ばれる3つの活動です。普段あまり見聞きする機会がないこれらの活動ですが、実は、政府は様々な意図を持って活動を進めており、それを担う現場では幾人もの隊員が汗を流しています。そこで、「ハイブリッドな国際防衛協力」という新たな方針が示されたこの機会をとらえ、今後複数回に分けて、支援の柱とされる3つの活動について紹介していきます。第1回となる本記事では、「能力構築支援」に焦点を当てます。

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 5年前、防衛省は新しい部署を立ち上げました。「能力構築支援室」です。支援室が担うのは、防衛省が主導する「能力構築支援」と呼ばれる国際協力です。日本は4年前に支援事業を開始し、対象となる国々に対して人道支援・災害救援に係る技能など、自衛隊が有する非軍事分野の知見を提供しています。対象国が希望する能力を育むこの支援は、地域の安定化に貢献し、日本の安全もより確かなものにします。現在では、米国など、同様の活動を進める諸外国とも連携を進めています。

非軍事分野で協力、事業は5年目、対象国も拡大中

 能力構築支援は、防衛省が主導する国際協力の一形態で、時に海上保安庁などとも連携しつつ、外国の軍隊や軍関係機関に対して非軍事分野の知見を提供する取り組みです。

 支援は2012年に具体的な事業として開始され、2015年度にはベトナムやミャンマーなど、10カ国が対象になりました。支援に当たっては、自衛官などが対象国へ派遣される場合と、対象国の軍人等を日本に招聘して自衛隊の施設などで研修を行う場合があります。

 能力構築支援を通じて提供される非軍事分野の知見としては、海難救助等でダイバーが患う可能性のある潜水病に関する知識や人道支援等で活用される道路を整備する手法などが挙げられます。例えば、日本はカンボジアからの要請を受け、事業1年目から毎年自衛隊員を派遣するなどして、カンボジア軍に対して道路や工事機材を整備管理するノウハウ等を提供しています(図1参照)。

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最終更新:8月18日(木)17時10分

THE PAGE

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