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中国人富裕層が「投資永住権」に飛びつく理由………米国、カナダ

ZUU online 6/15(水) 18:10配信

仕事や生活の拠点を海外に移したいと考えた時に、さまざまな制約を考えると永住権を取得できるに越したことはない。永住権の中でも「投資永住権」という、富裕層向けともいえるものがあることをご存じだろうか。

■結婚、抽選だけじゃない 永住権の種類とは

国が成長するには労働力や資本が必要であり、移民を受け入れるハードルは、各国の経済状況や政策によって大きく変わる。もっともわかりやすいのが国際結婚で得られるものだろう。だが、結婚したからといってすぐに取得できるとは限らず、国によって居住年数が決められていることがある。

婚姻以外にも永住権を取得できる方法は一般、公募、特別(特定)、投資の4つある。その内容について簡単に整理しよう。

就労資格や居住資格を持っている人が取得できるのが一般永住権だ。申請したからといって確実に取得できるわけではないが、日本では原則10年の在留、米国では2年以上で申請できる。

新聞に載っている、抽選で得られる米国の永住権は公募永住権に分類される。この制度を行っているのは、英国、米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、アルゼンチンの6カ国。抽選方式を採用しているのは米国のみで、その他は職歴や学歴などを総合的に判断している。

実施している国や内容がさまざまなのが特別永住権(特定永住権)だ。たとえば、フィリピンにあるのがリタイアメント向けの制度。先進国のリタイア層を積極的に受け入れている。

移民先に投資を行う、または起業によってその国の経済に寄与することで得られるのが、投資永住権だ。移民先に一定金額以上の預金、現地住民の雇用、現地企業への投資など、条件は国によって異なる。だが、キャリアや語学力などの条件がない場合が多く、もっともシンプルな方法と言える。

この制度を大いに活用しているのが中国人富裕層だ。先進国を中心に永住権を取得している。主な理由は中国経済への不安による海外脱出といわれている。だが一方で、相続税の導入がささやかれ続けているのも、背景にあるだろう。まだ草案の段階だが、富裕層を永住権取得に走らせるには十分な話なのだ。

この投資永住権、今話題の米大統領候補であるドナルド・トランプ氏にとっても、ホットな話題である。移民の受け入れに反対意見を繰り返し唱えている同氏だが、実は彼の親族の会社が、投資永住権の制度を利用して、中国人投資家から約54億円もの資金を集めていたのだ。資金が潤沢な投資家達からすれば、永住権を得るにはもっとも手っ取り早い方法だからである。

■先進国はハードルが高い?人気国米国・カナダの投資永住権の条件とは

投資永住権の制度を使うための条件はどんなものなのだろうか。移住したい国として、代表的な米国を例に紹介する。移民を積極的に迎え入れてくれる、というイメージがあるが、そのハードルは高そうだ。

◎米国の投資永住権は最低5500万円から?
投資永住権の基本的な条件は、米国の新規企業や再建企業など政府が指定する投資案件に100万ドル(約1億1000万円)以上の投資を行うこと、2年以内に米国人を10名以上雇用すること。語学力やキャリア、学歴などは一切問わず、家族も永住権を得ることができる。

上記のほか、「期間限定の優遇プログラム)として、雇用促進エリアに指定されている地域であれば、50万ドル(約5500万円弱)の投資で永住権を取得できる。直接雇用だけでなく、間接雇用も認められているなど、大幅に規制緩和されている。

優遇プログラムといえど、決して安い金額ではない。投資を回収できれば、それほど厳しい条件ではない。だが、全財産をつぎ込むのは投資の域を超えるので、なかなか決断できないのが正直なところだ。

◎カナダは受け入れ停止 
米国同様、移住先として人気が高く、これまで投資家移民を積極的に受け入れてきたカナダ。そんなカナダは、2012年から投資永住制度を凍結しており、その背景には中国人富裕層がいるという。この制度利用者のほとんどを中国人富裕層が占めたものの、想定したほど経済効果が上がらなかったのだ。

■新興国は移民の受け入れに積極的

先進国の投資永住権はかなり多くの資金が必要になるところが多いが、それでも海外移住を目指したいという人におすすめなのが新興国だ。

一般財団法人ロングステイ財団が行った『ロングステイ希望国2015』調査によると、第1位は10年連続でマレーシアが選ばれている。新興国といっても、マレーシアの首都クアラルンプールは大都市で、シンガポールに接するジョホールバルも近代都市として急速に発展している。現在は投資永住権の制度はないが、最長10年のビザがとれる「ロングステイプログラム」がある。50歳未満の場合の条件は、金銭面で3つあるが、先進国に比べるとハードルは低めだ。①月収約30万円以上、②現地での定期預金額が約800万円、③約1400万円以上の資産の3つである。

移住先として人気上昇中のフィリピンでは、35歳以上の場合、約240万円の預託金で永住権を取得できる制度ができている。

とはいえ、永住は旅行とは違う。旅で行ったら天国でも、住んでみたらそうでもない、ということは往々にしてある。自分の生活スタイルや人生設計にあっているのか、下調べと中期滞在をしてみること。それが海外移住を実現させる第一歩だ。(ZUU online編集部)

最終更新:6/15(水) 18:10

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