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避難12市町村 事業者の販路開拓支援 官民合同チームとJR東日本の子会社

福島民報 6月15日(水)10時14分配信

 国、福島県、民間による福島相双復興官民合同チームは今年度、JR東日本の子会社「ジェイアール東日本企画」と共同で、東京電力福島第一原発事故に伴い避難区域が設定された12市町村の被災事業者を対象に新たな販路開拓やビジネス創出の支援を始める。約200事業所に経営や商品開発などに詳しい専門家を派遣。商品力を高め、首都圏の主要駅や都市部の百貨店でのテスト販売などを一貫して支援し、事業再開と避難区域の経済活性化につなげる。
 対象は田村、南相馬、川俣、広野、楢葉、富岡、川内、大熊、双葉、浪江、葛尾、飯舘の12市町村。経済産業省の委託事業で約3億7千万円を運営費などに充てる。
 コンサルタントや官民合同チームなどが各事業者から経営計画などを聞き取り支援プランを策定し、担当の専門家を選定する。サポート推進チームを編成し、事業が軌道に乗るまで継続的に支援する。市場調査や戦略策定はコンサルティング大手のアクセンチュア(本社・東京)が担当する。日本百貨店協会などとも連携する。
 デザイナーやバイヤー、シェフなどの専門的な助言を受け、市場に応じた売れる商品の開発、既存商品の内容量や価格設定、パッケージ、キャッチコピーの改良も進める。
 テスト販売は仙台市など都市部の百貨店や浜通りのスーパー、道の駅なども想定している。有力商品はJRグループの販路を生かし、全国展開や海外輸出を目指す。
 テスト販売でバイヤーや消費者から寄せられた評価や反応は商品の改良に生かす。供給・生産体制が整った商品は大口取引のバイヤーが集まる展示会に出展し、販路開拓を狙う。
 官民合同チームによると、12市町村には約8千の事業所がある。これまでに訪問した約3600事業者のうち半数弱が古里での事業再開や継続を希望した。各市町村で避難指示解除に向けた動きが活発化する一方で、原発事故の風評がいまだ根強く残る。「販路を失い、事業再開に踏み切れない」などの不安を抱える事業者は多く、効果的な支援策の構築が喫緊の課題となっていた。官民合同チームは平成29年度以降、販路開拓などを支援する対象事業者をさらに拡大したい考え。担当者は「秋ごろに成功事例を示し、浜通りの経済再生と避難者の帰還促進につなげたい」としている。

福島民報社

最終更新:6月15日(水)10時55分

福島民報