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【インタビュー】リーチザスカイ、7/20アルバム発売。メンバーの個性がぶつかり合う魅惑のジャンルレスサウンド

BARKS 6月15日(水)12時20分配信

7月20日に1stアルバム『いつの日か見た空』をリリースする、Reach The Sky。ヴォーカル・Ichi-Naotoの男っぽい骨太な歌声はロックバンドなのかと思いきや、フォークやブルースのようなアプローチもあったり、ポップスや泣きのバラード、コーラスワークも面白い楽曲……と、音楽性の幅は広い。しかも、3人での活動は長いながらも、Reach The Skyと名乗るようになったのは最近という。なんともつかみどころのない3人組に、ユニークなバンドの成り立ちから、記念すべき1stアルバムについて語ってもらった。

Vocal/Ichi-Naoto (写真中央)
Guitar/Shinya(AG、EG) (写真右)
Bass/Ray (写真左)

■最初はカセットテープに吹き込んだオケを流してライヴをやった
■楽器は持たずにコーラスグループとしてのスタートだったんです

――自己紹介がてら、まずは皆さんの音楽的なルーツからお願いしたいのですが。まずはヴォーカルのIchi-Naotoさんから。

Ichi-Naoto:僕は、物心ついたくらいの頃から、将来は音楽をやろうって決めていました。なんの曲かは覚えてないんですけど、テレビから流れてきた音楽を聴いた時に全身がゾクゾクしして、自分も伝える側になりたいって思ったんですよ。ただ、そう思ってから音楽をやるまでは時間がかかったので、実際に自分で歌うようになったのは高校生の時からでした。

――どんなものを聴いていました?

Ichi-Naoto:ジャンルはこだわらず、ゴスペル、演歌、民謡、ジャズ、ロック、ポップス……いいと思ったものは全部。

――良い音楽なら全部好きなんですね。では、ベースのRayさんは?

Ray:最初はX JAPANが好きでTAIJIさんやhideさんに憧れて音楽をやりたいと思うようになりました。実際に楽器をはじめたのは高校生くらいだったんですけど、最初はギターだったんですよ。ギターソロを聴いたり弾くのが好きだったので。でも、コードがうまく抑えられなかったんです。それで、ベースなら弦も4本だし大丈夫かな?ということでベースをはじめて、そこからはずっとベースです。音楽を聴く時も低音を聴いてしまうほうなので、結果、ベースで良かったなと思います。

――ギターのShinyaさんは?

Shinya:僕の場合は、昔から音楽をやっていたわけではなく、夢とか目標がなく生きてきた人生の方が長いんですよ。そんな中で、夢や目標に向かっている人が羨ましくて。ある時、自分もそういう風になりたいと強く思うようになったんです。その時に、「やれそう」ではなく、「やりたいか、やりたくないか」だけで考えた時に、「やりたい」と思えたものが音楽だったんです。

――それまで音楽の経験は?

Shinya:少しかじったことがあった程度ですね。歌うのが好きだったので、友達と駅前でゆずの曲とか、みんなが知っているような曲……「なごり雪」とかを歌ったりしていたんです。ギターもちょっとだけ弾いていました。練習するわけでもなく、本当にただの遊びの一環だったんですけど、それがすごく面白かったんですね。で、いろいろ考えた時に「音楽を本気でやってみよう」と思って。だから、最初は楽器もなんでも良かったんです。とにかく常に音楽の中にいたいと思ったんです。

――それからガラッと環境を変えたの?

Shinya:はい。まずは一人で作曲を始めたり、歌やギターの練習をしたんですけど、そのまま一人でやっていても何も始まらない。ライヴもやったことがなかったので。途方にくれていた時に、たまたま路上ライヴをやっていたIchi-NaotoさんとRayさんに出会ったんです。

――うまい流れでReach The Skyの結成話に繋がっていきますね(笑)。

Shinya:そうですね(笑)。たまには外で練習してみようと思って、ギターを持って外に出た途中の公園で二人が路上ライヴをやっていたんですけど、僕、その前で立ち尽くしてしまったんですよ。不思議なんですけど、初めて会ったのに、「この人たちと一緒に音楽がやりたい」って直感的に思って、曲を聴いたあとにすぐに話しかけて、連絡先を教えてもらったんです。ライヴの予定も聞いたので、その後、何度か見に行って、「僕も入れてほしい」と言いました。まるで好きな人に告白するみたいな感じだったんです。ただ、当時、僕は何も出来なかったので、入ったとしても大変だろうなと(笑)。実際、入ってから今に至るまで大変な思いをしたんですけど。

――Shinyaくんの話から予想すると、Ichi-NaotoくんとRayくんは、もうすでに出会っていたわけですよね。二人の出会いは?

Ichi-Naoto:会社で知り合いまして。Rayは当時、音楽はやってなかったんですけど、なぜか一緒に曲を作るという流れになって。実はその時、僕は別のコーラスグループで活動することが決まっていたので、Rayとは一緒にやるつもりはなかったんです(笑)。だから、最初は遊びのつもりだったんですけど、Rayが結構真剣になっちゃったのでちょっと考えて、真剣にやってみようかなと思って、ライヴをやることにしたんです。

――初ライヴはどんな感じでした?

Ichi-Naoto:最初はカセットテープに吹き込んだオケを流してライヴをやったんですよ。

――え?? カセット? シーケンスじゃなくて?

Ichi-Naoto:はい(笑)。楽器は持たずにコーラスグループとしてのスタートだったんです。

――Rayくんも歌ってたのね?

Ray:はい。

Ichi-Naoto:その時はライヴハウスでライヴをやることしか考えてなかったんですね。そうなると対バン相手は全部バンドなんですよ。僕らだけカセットのオケでライヴをやるのが恥ずかしいなということで、エアバンドに切り替えました。

――今度はエアバンド!?

Ichi-Naoto:でも、しばらくしたら、お客さんに「あの人、弾いてなくない?」と指をさされて、だんだん恥ずかしくなってきちゃったんです。それで「本気で楽器をやろう!」と、猛練習したら楽器がすごく難しくて……。きっと、他のバンドさんと比べても練習量は多かったと思うんですけど、全然ダメで。バンドになったのはそこからなんです。7~8年前くらいの話ですかねぇ?

――ガムシャラな感じでここまでやってきたんですね。

Ichi-Naoto:まさに……いろんな恥ずかしさを経験しているぶん、もう「恥ずかしい」と思うことはなくなりました。そこから、しゃべりを中心としたバンドになっていくんです。楽器が下手なぶん、それをカバーするには、他の人がやってないことをやらなきゃいけないなと。最初は、演奏の下手さをカバーするつもりでしゃべりに重点を置いてたんですけど、それが意外と評判が良くて。

――Shinyaさんが入ったのはその辺りですか?

Shinya:楽器を本気で練習しはじめたあとくらいですね。実は、その時は、僕ではない別のメンバーがいて、その三人で活動していたんですけど、その人が抜けるということで、「最後のライヴをやるから見に来て」と言われたんです。「それって、抜ける人の代わりに僕が入れってことなんじゃないの?」と勝手に運命を感じて。

Ichi-Naoto:Shinyaが「入りたい」って言ってきた時、Rayが「やる気あるならいいよ」って言ったんですよ。

Shinya:かなり上からでした。途中、僕がカホンをやったこともありましたし、ここまでも本当に試行錯誤の連続で。

――「Reach The Sky」というバンド名になったいきさつは?

Ichi-Naoto:僕の音楽活動を応援してくれていた父が亡くなってしまったんですけど、亡くなってすぐにライヴの予定が入っていて。「辛かったら無理してステージに立たなくていい」ってメンバーも言ってくれたんですけど、僕は歌いたかったんですね。そうしたら、Shinyaがオーダーメイドのバングルをくれたんです。そこに「Reach The Sky」って文字が入ってて。ちょっと恋人みたいですよね(笑)。

Shinya:そのライヴって、僕がReach The Skyに入ってから初めてのライヴだったんです。そのライヴの数日前にIchi-Naotoさんのお父さんが亡くなられたんですよ。そんな時にライヴってどうなの?って思ったんですけど、Ichi-Naotoさんは歌うというし、喪章の代わりにメンバー三人で何か身につけたいと思って。ネットで「天まで届け」という意味の言葉はないかな?って調べた時に、「Reach The Sky」という文字が出てきたんです。

Ichi-Naoto:バンドとしてもいろいろ変遷してきて、仕切り直したいというタイミングもあり、バンド名を変えようってことになったときに、そのバングルの言葉にしようということで。

Shinya:いつも鳥肌が立つことがあるんですよ。Ichi-Naotoさんはいつもこのバングルを常に身につけているけど、僕もRayさんも普段はつけていないんです。でも、約束したわけでもないのに、ライヴの時は腕を見ると全員つけていて。

――お守りみたいなものなんだね。いろんな変遷があって、ドラマもありますね。

Ichi-Naoto:他のバンドから比べると、めちゃめちゃクオリティは低いかもしれないですけど、気持ちや意識はすごく強いです。僕が今、クオリティの高いメンバーとバンドを組んだとしても、それが長く続くとは限らないと思うんですよ。僕らはここまで続けてきた中で、出会ったバンドがたくさんいましたけど、あんなにクオリティが高い音楽をやっていても解散してしまうんだなって。周りを見て思いました。でも、僕らは解散とかそういうことを考えてないので。

■歌をはじめた頃は下手くそで気持ち悪いとか挙動不審って言われていたんです
■雑音だって馬鹿にされてきていたのでそういうのを思い出して歌いました

――グループの名前が変わっても、三人でやることだけは変わらないんですね。活動も長いですが、1stフルアルバム『いつの日か見た空』に収録されている曲は、どういう基準で選んだり作ったりしたんですか?

Ichi-Naoto:ここに入っている10曲はライヴでよくやっている曲です。

――じゃあ、作った時代もバラバラなのかな。一番古いのは?

Ichi-Naoto:10曲目の「ハジメテ」ですね。このバンドを組む前に作ったんですけど、友達を待ってる時にいきなりこのメロディが流れてきて。録音していたわけじゃなかったのにずっと覚えていたんでねすよ。それがこの三人になってから形になったので、この三人で今やってるのは必然だったんだなって。

――ちなみに最新の曲は?

Ichi-Naoto:3曲目の「行こうよ」ですね。この曲を作った時は、よくわからない状況でしたね。大きな会場でライヴがあったんですけど、「かっこいい曲をやりたいな」って勝手に思っちゃってて、そういう曲を作ろうと思って書き始めたら一気にできて。書かされたというか。

――歌詞もうまいこと英語と日本語の韻を踏んでますよね。メロディも一回聴くとループする。

Shinya:これはいい歌詞ですよね。

Ray:俺もそう思う。

Ichi-Naoto:俺が書いたんじゃなくて、本当に書かされたって感じなんですよ。書き方的には「ホームラン」もそんな感じでした。

――「ホームラン」は、曲も短くて、疾走感のままに終わっていきますね。

Ichi-Naoto:浮かんできたときに、もうこれ以上書かないほうがいいんじゃないかって感じだったので短いままで。

――レコーディングは苦戦しました?

Shinya:僕にとっては苦戦も何も、全部が苦戦だったので。コードを調べたり、アルペジオを練習したり。それができたとしても、今の自分が弾けるようになったから良かったということでもなく、終わりがないなと思いました。これまでも、ライヴハウスで出会ったバンドの中で、自分よりも下手なギタリストに会ったことがないんですよ。そういう状況がずっと続いているので、自分が弾きたいように弾いたり、自分らしい弾き方が見つかるといいなぁと思いながら、模索した感じですね。今も模索中ですが。うまくなくても、「いいギターだね」って言われるものを弾きたいですよね。

Ray:ベースも試行錯誤しました。特に「行こうよ」とか「ホームラン」。自分がやっていたようなことにプラスして、この3人でやるならってことを考えたライン作りをしたつもりなんですけど。あとはバラードが僕は苦手なんですよ。「あの日の約束」や「ラブ~僕んちの犬」辺りは、その試行錯誤っぷりを聴いてもらえたらいいですね。

――ベースはテンポがゆっくりな曲だと、音と音の間が持つかどうかというのは難しいですよね。音と音の間に何を乗せるか。

Ray:そうなんです。溜めないといけないから。ただ、自分の思ったようには弾いたつもりです。

――Ichi-Naotoさん、歌はどうでしたか?

Ichi-Naoto:アルバムがやっと出せるってテンションが上がったのはもちろんですが、歌をはじめた頃はすごく下手くそで、気持ち悪いとか、挙動不審って言われていたんです。雑音だって馬鹿にされてきていたので、そういうのを思い出して歌いました。あと、父のことや、みんなと出会ってからのことも思い出しました。そうしたら、レコーディングがパッと終わっちゃったんですよ。気合いが入ってたからなのか(笑)。そんな感じのレコーディングでした。

――最初にヴォーカルグループだったことを考えると、収録された楽曲にコーラスが結構入っているのも納得しますし、ブログでIchi-Naotoくんが「歌詞が聞き取りやすいように歌っている」と書いていたことにも「なるほど」と思いました。

Ichi-Naoto:いろんな人の意見を取り入れるわけにはいかないと思うんですけど、聴いている側の意見って大事だと思うんです。音楽をやっている人はかっこいいものを追求していると思いますけど、聴いてる人って、そこばかりじゃないと思うんです。それに気づいて。「かっこいいけど、何言ってんのかわかんないよね?」って声をよく耳にしていたんですよ。そういう言葉を聞くたびに、「俺もそう思われてたらどうしよう?」って思うようになって。そこから、歌ったら自分で聴いて、ちゃんと聞こえてるか確かめるようになったんです。かっこ悪くなってもいいから、なるべく聞こえやすいように歌いたいなって思いました。

――ロックバンドだと思っていたら、一緒に歌えるようなミディアム調の楽曲もありますよね。「空」ではブルージーな曲なのかと思いきや、最終的には三人のコーラスが聴きどころになっていたり、音楽性としては一つに絞れないですね。

Ichi-Naoto:「Reach The Skyのジャンルはなんだ?」って聞かれた時に、正直、僕もわかってないところがあるんですよ。いいなと思ったものをそのまま作ったら、それが僕らの音楽になっていて。それを人が聴いてロックだと思ったらロックだし、ポップだと思ったら、ポップスなのかなって。

――説明しがたいから、「とにかく聴いてみてください」という一枚ですよね。これから何をするのかわからないから、ジャンルを決めつけることはできない。

Ichi-Naoto:それはありますね。

Ray:コーラスグループに戻ったりして(笑)。

Shinya:ははは(笑)。

Ichi-Naoto:ただ、今作は、バンドスタイルのアレンジにして良かったなと思っています。これが一番自分たちの理想に近い。この一枚を作ってみて、「これが俺たちなんだな」っていうのがわかりました。

Shinya:Ichi-Naotoさんの言う通り。僕も出来上がってみてそう思いました。客観的に自分たちを見てみようと思えたいいきっかけになった作品です。いろんな人に聴いてほしいと思います。

取材・文●大橋美貴子

『いつの日か見た空/Reach The Sky』
2016年7月20日(水)発売
TH-009 2,500円(税抜)
16Pブックレット仕様歌詞カード
01.一方通行
02.探しに行こう
03.行こうよ
04.ホームラン
05.空
06.あの日の約束
07.本当の笑顔
08.いいんだよ
09.ラブ~僕んちの犬
10.ハジメテ

Amazon(全曲視聴付き)購入はコチラ
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ライブ・イベント情報
<LIVE INFORMATION>
7/29(金) 東京・WildSideTokyo
8/07(日) 東京・恵比寿リキッドルーム

最終更新:6月15日(水)12時20分

BARKS

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

斬首動画が何百万回も再生されてしまう理由
昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。