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地震から家を守るため、耐震性能等級に注目を!

ニュースソクラ 6/15(水) 12:00配信

熊本地震では耐震基準クリアでも倒壊した建物が

 熊本地震では多くの家屋が倒壊する被害が発生した。日本建築学会では、被害がとくに大きかった熊本県益城町において約2600棟の木造住宅の被害状況を調査し、その結果を公表している。その結果によると、建築基準法の耐震基準が強化された後に建築された住宅でも全壊している住宅があることが分かったという。

 建築基準法の耐震基準は1981年に大幅な改正が行われており、これ以降の基準を新耐震基準と呼ぶ。さらに2000年にも大きな改正があり、とくに木造住宅に関する基準が強化されている。しかし、熊本地震では新耐震基準以降に建てられた木造住宅、さらには2000年以降に建てられたと見られる木造住宅についても一部で倒壊しているものがあった。日本建築学会の調査チームの報告によると、益城町で調査を行った2600棟のうち2000年以降に建築されたもので全壊しているものが10~17棟あったという。

 なぜ、熊本地震では耐震性能が高いはずの新耐震以降の木造住宅にも被害は発生したのか。熊本地震では、4月14日にマグニチュード6.5の前震、16日にはマグニチュード7.3の本震が発生した。前震を耐え抜いた住宅が本震によって半壊・全壊した事例も多く、耐震基準をギリギリ満たすレベルの耐震性能では、2度の大地震は耐えられなかったということだろう。その意味では、建築基準法で想定していなかった事態が発生してしまったと言える。

 しかし、耐震基準を大きく上回る性能を備えた住宅のなかには、2回の大地震を耐え抜いたものがあったのも事実だ。国は住宅の性能を評価するための基準(日本住宅性能表示基準)を定めているが、耐震性能については3つの等級に分けて基準を設定している。等級1が建築基準法レベルの建物の強さ、等級2では建築基準法の1.25倍の強さ、等級3では建築基準法の1.5倍の強さを求めている。等級2と等級3は任意の基準であり、等級1が義務基準というわけだ。

 最近の住宅では、壁の中に地震の揺れを吸収する制振装置を設置したものや、構造用合板などで壁の強度を高めたものなどが一般的になってきており、等級3レベルの耐震性能を備えた住宅も少なくない。制振装置とは自動車などのダンパーのように揺れを吸収するもので、建物の規模などに応じて必要な数だけ壁の中に設置する。住宅の大きさやダンパーの種類などにもよるが、1棟当たり50万~100万円くらいで設置することも可能だ。住宅事業者のなかには、制振ダンパーを標準装備として提案している企業も多い。

 地震による倒壊リスクを小さくするためには、やはり等級1以上の性能を備えた住宅を選ぶべきだろう。気になる場合は、住宅事業者に購入を検討している住宅の耐震等級を聞けば、その住宅の耐震性能をおおよそ把握できる。

 倒壊した建物のなかには設計上の配慮不足が見られる住宅もあったという。建築基準法の規定は満たしているものの、開口部の位置や数、さらには1階と2階の壁の位置などによって全体的にバランスを欠いた建物もあり、こうした建物では被害が大きくなる懸念がある。例えば、1階の壁と2階の耐力壁が揃ってない住宅や、南側だけに大きな開口部が集中している住宅などで倒壊リスクが高まる懸念がある。

 一部では地盤変状によって倒壊した住宅もあった。地盤が大きく変動してしまうと、建物の耐震性能に関係なく倒壊リスクは高くなる。住宅を新たに建築・購入する際には、公表されている活断層の位置などを考慮しながら建設地を慎重に選定することも大事になりそうだ。

ハウジング・トリビューン編集部

最終更新:6/15(水) 12:00

ニュースソクラ

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