ここから本文です

中元ギフト商戦が始動。ビール4社、アイデア競う

ニュースイッチ 6月15日(水)8時20分配信

自分買いに着目。コアな需要狙う

 6月に入り、百貨店やスーパー、コンビニエンスストアなどで中元商戦がスタートした。中元商戦はビール大手にとっても重要なかき入れ時。年間売り上げに占める比率は5%以下と見られるが、定番商品のケース買いが多いことや、主力ブランドの認知度向上にもつながるとあって各社の関心は高い。顧客の視線を、自社ブランドや商品にどう向かわせるか。各社は知恵を競っている。

 「ザ・プレミアム・モルツ」の販売に力を注ぐサントリービールは、ギフト限定の「夏香るエールセット」や「マスターズドリーム」の4000円台商品を投入した。一方、新たな切り口として“自分買いギフト”に着目。「世話になった人や両親などへの贈り物に加え、自分自身にもふだんがんばったほうびにギフトを贈る人が増えている」(馬場直也プレミアム戦略部課長)点に目をつけた。

 7月16日には北陸や北海道、九州など全国各地の新幹線車両写真を印刷した「新幹線デザイン缶アソートセット」を発売する。「鉄道ファンの人口は約200万人おり、1人が5万円消費すれば1000億円の市場になる」(同)とし、コアな需要を取り込む。親戚が集まる帰省の中元需要には、電子オルゴールで花火の音が出る「サマーデザインセット」も用意している。

 アサヒビールはドライプレミアムビールで、ギフト限定商品を多数、用意した。瓶容器で高級感を高めた「エクストラ瓶ギフトセット」をはじめ、「涼みの香り」や「華やぐ6種ホップ」といった限定商品を投入する。総じて濃厚でコクのある味わいや、厳選ホップの香りが特徴。

 アサヒは3月に“究極のコクキレ”をうたう新ビール「ザ・ドリーム」を発売するとともに、「ドライプレミアム」のコクを高めてリニューアルした。中元ギフトのドライプレミアム強化は濃厚な味や香りなどを打ち出すことで、主力の「スーパードライ」と商品の性格の違いを強調し、棲み分ける狙いもありそうだ。

 一方、サッポロビールは、高級ブランドとして定着している「ヱビス」で差別化する。同ブランドで通常品より数十円高い「ヱビスマイスター」をはじめ、中元ギフト限定の「ザ・ホップ2016」を投入。ザ・ホップは缶体を目立つグリーンにし、ドイツ産アロマホップとチェコ・ザーツ産ホップに加えて国産ホップを採用した。ヱビスマイスターも高級で知られるロイヤルリーフホップを一部使用した。

 サッポロビールは小規模醸造所やビール職人が生産する「クラフトビール」の人気を追い風に、「ビール需要が上向いており、ヱビスブランドで攻める」(時松浩取締役常務執行役員)考え。

 キリンビールは47都道府県別に発売した「一番搾り」が目玉だ。中元商戦では通常商品の一番搾りに加え、神奈川県の「横浜づくり」や宮城県の「仙台づくり」など、ご当地の一番搾りを加えたギフトセットを拡販する。コンビニで展開するクラフトビールのグランドキリンや、瓶容器の一番搾りプレミアムのセットも発売する。

最終更新:6月15日(水)8時20分

ニュースイッチ