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東武SL復活に全国の鉄道会社が協力 東武鉄道社員、秩父鉄道で訓練

埼玉新聞 6月15日(水)10時32分配信

 来夏に栃木県の東武鬼怒川線でSLの復活を目指している東武鉄道(本社・東京都墨田区)。同社社員でいずれも埼玉県内出身の2人が、SLを運転する知識や技術の習得を目的に、今年1月から秩父鉄道(本社・埼玉県熊谷市)で訓練を行っている。座学研修から始まり、筆記試験合格後の3月下旬からは実技訓練を開始。電車とSLの違いに苦労しながらも、約半世紀ぶりのSL復活を実現させるため、日々腕を磨いている。

 東武鉄道のSL復活は栃木県の日光・鬼怒川地区の活性化などが目的。予定区間は東武鬼怒川線の下今市駅から鬼怒川温泉駅間の12・4キロで、土休日を中心に年間最大140日程度の運行を予定している。1日3往復程度で、片道の所要時間は約35分。東武鉄道でSLが運行されるのは1966年以来となる。

 趣旨に賛同した全国各地の鉄道会社が協力。SLはJR北海道が貸与するほか、車掌車はJR貨物とJR西日本、客車はJR四国、ディーゼル機関車はJR東日本が譲渡する。今年1月からは東武鉄道の社員たちが現在もSLを運行しているJR北海道や秩父鉄道、大井川鉄道(本社・静岡県)で訓練を行っている。

 秩父鉄道ではSLを運転する乗務員(機関士)の養成のため、川口市出身で久喜市在住の仲沼和希さん(48)と草加市出身・在住の真壁正人さん(47)が訓練を受けている。仲沼さんは約27年、真壁さんも約7年の運転士歴を持つが、いずれも「電車と全く違うので難しい。特にブレーキが大変」と口をそろえる。

 秩父鉄道のSLパレオエクスプレスは熊谷駅から三峰口駅間で運行しており、12日には訓練の様子を報道陣に公開した。三峰口駅で仲沼さんと真壁さんは、秩父鉄道の社員の指導を受けながら、石炭の燃え殻を捨てる「排炭」や、折り返し運転の準備などに汗を流していた。12月には甲種蒸気機関車運転免許試験の実技試験が控えている。

 仲沼さんは「日光は国際的な観光地で国内外から観光客が訪れる。安全第一で、皆さんに繰り返し来てもらえるような旅を提供したい」と意気込む。真壁さんも「まずは安全運行を守り、そこに質の高いサービスを加え、お客さんに楽しんでもらえれば」と話していた。

最終更新:6月15日(水)10時32分

埼玉新聞