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いよいよ国民投票 イギリス国民はEUを捨てるのか?

マネーの達人 6月15日(水)5時28分配信

イギリスのEU離脱問題に決着がつく日が、いよいよ近づいてきました。

その運命の日は6月23日。

この日、EU離脱問題に関する国民投票が行われ、イギリスのEUへの姿勢が決定づけられることになります。

ここのところの残留派か離脱派かという事前の世論調査を見てみると、意外なことに投票日まで数えるほどの日数しか残されていない今でも両者が非常に拮抗していて、まだどっちに転ぶかわからない状態です。

今回はこのEU離脱問題の背景と、これに絡んだ今後の相場について見ていきたいと思います。

EU離脱問題の本質は移民問題

EUに加盟していれば、EU加盟加国内で国境関係なく自由に経済活動ができるので、イギリスが経済的に受けるメリットは少なくはありません。

それにもかかわらずイギリスがEUを離脱したいと考えるのは、EUに加盟しているとEUのルールに従わなければならないからです。

これは逆に言うと、つまり、EUに加盟すると自分の国のことを自分の意思で決めることができなくなるということなんです。

このことがいろいろな側面で問題になっているんですが、なかでも特に大きな問題となっているのが移民問題。

もともとEU加盟国である東欧諸国などからの移民が多かったイギリスですが、最近ではシリア難民問題もあったりと、今も数多くの移民がどんどん流入しているのが現状です。

移民流入によって安い労働力が増えると賃金低下を招きますし、社会保障の負担も増えてしまいます。

さらに、治安の悪化、テロの心配など、さまざまな懸念を引き起こします。

当然ながらイギリスとしては、こういったリスクから国民を守るために移民の数をコントロールしたいわけですが、そこに立ちはだかってくるのがEUのルールです。

EUのルールでは移民は受け入れを拒否できないことになっているので、イギリスは移民を自分の思い通りにコントロールすることができないんです。

止まらない移民流入とパナマ文書

イギリスのキャメロン首相はEU残留を主導していますが、移民問題に関してはイギリスが移民規制に乗り出せるようにEUに働きかけを行ってきました。

これを受けて、今年2月にはイギリスの要求を突きつけたEU改革案で合意を取り付けたりと、一定の働きをしているようにも見えますが、EU離脱派の声を抑えることができていません。

もともとキャメロン首相は移民純増数を10万人未満に抑えることを公約として掲げていたんですが、先日発表された2015年の移民純増数は33万人となるなど、現状は公約とはかけ離れてしまっています。

これでは

「EU改革なんて根本解決にはならないから、もうEUから離脱してしまおう」

となってしまうわけです。

ちなみに、こういった主張をしている離脱支持派にはイギリスの独立を守りたいという保守系の人のほか、移民の影響を受ける人たち、どちらかというと低所得な労働者が多いようです。

一方でEU残留支持派に多いのは企業のトップなど、どちらかというと富裕層寄りの人が中心のようです。

そういったなか、パナマ文書でキャメロン首相の租税回避の疑いが明らかになってしまうという事件も起こってしまいました。

このパナマ文書には大きな構図として、富裕層が税金支払いを逃れることによって、それを一般庶民が負担することになるというところがありましたよね。

パナマ文書とEU離脱問題の構図には似ている側面もあるようにも見えますが、これによってEU離脱派に勢いを加速させてしまったのは言うまでもありません。

少し話がそれますが、こういった行き過ぎたグローバル化による巻き戻しのような構図は、世界中でこれからもよく見られるようになると思います。

アメリカでも今まさにそういった動きが出ていますね。

世界の大きな流れを理解するうえで、グローバル化が無条件に正しいとされた時代はもう終わりに近づいているということを、理解しておく必要があるのかもしれません。

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最終更新:6月15日(水)5時28分

マネーの達人