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科学産業で日本企業はどこまで戦えるのか?

ニュースイッチ 6月15日(水)15時55分配信

島津、新興国に低価格の原子吸光分光光度計を投入

 島津製作所は6月中に、東南アジアやインドなど新興国向けに原子吸光分光光度計(AA)の新製品を投入する。先進国ではICP―AES(誘導結合プラズマ発光分光分析装置)が元素分析で主に使われるが、環境意識の高まりなどで需要拡大が予想される新興国では、より低価格のAAが有利で成長が見込めると判断した。同社ではAAの世界シェアを現状の8%から、2019年度に15%に高める。

 新興国向けに投入するのはミドルクラスのAA「AA―6880F」で、アセチレンガスを使うフレーム機。価格は1万5000―2万ドル程度とし、価格競争力を高めた。オプションの電気加熱によるファーネス検出下限はカドミウム0・4ピコグラム(ピコは1兆分の1)。

 中国・蘇州工場で生産する。日本国内での販売はしない。同社全体では16年度に国内外で前期比200台増となる1300台のAAを販売する計画。

 AAは上水、排水や土壌中の元素分析、農産物・食品中の主要成分分析に用いられる。測定範囲はppb(10億分の1)―ppm(100万分の1)。

 他の元素分析装置と比較した場合、1日当たりの測定サンプルが2000と多く、ランニングコストも抑えられる。一度に5種類以上の元素を調べられるICP―AESなどに比べても、装置価格が3分の1以下と安く、操作も手軽だ。

 中国などでは環境や食品安全に関する意識が高まっている。上水や排水、土壌中の有害微量金属分析などに関心が高まる中、元素分析のために最初に導入する装置としてAAは適している。

最終更新:6月15日(水)15時55分

ニュースイッチ