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<所沢・育休退園>訴訟終結へ…3世帯が訴え取り下げ 市側が同意

埼玉新聞 6月15日(水)23時16分配信

 第2子以降を出産した母親が育児休業を取得した場合に保育園に通う0~2歳の上の子を原則退園させる埼玉県所沢市の方針は、子ども・子育て支援法などに違反するとして、市を相手取り退園の差し止めを求めた行政訴訟の弁論が15日、さいたま地裁(志田原信三裁判長)で開かれた。原告14世帯18人のうち、訴訟を継続していた3世帯が訴えの取り下げを同地裁に申し立て、市側は同意する意向を示した。

 市は4月から、育児休業中の在園児の保育利用に関する審査手続きの運用を改正。市側によると、変更点は、審査会委員に保健師や精神保健福祉士を配置▽家庭への聞き取り後、追加で理由の補充や証明資料の提出を認める▽不可決定後、不服審査手続きに代わる簡易な申し出の容認―の3点。原告側は「家庭への聴き取りが不十分」などとして聴聞手続きの必要性を主張していたが、市側は「審査手続きの内容が改正され、聴聞手続きに代わり得る制度に変わった」としている。

 原告側は訴えを取り下げた理由について「母親の復職に伴い、退園児童が正式に保育園に通えることになった」と説明した。地裁は昨年、3世帯が求めていた退園仮差し止めについて、退園処分の執行停止を認めていた。一連の訴訟では、市から退園児童の継続利用が認められるなどしたため、11世帯15人の訴訟が終了していた。

 差し止め訴訟原告団の北永久弁護士は、一連の訴訟が終結することを受け「裁判で求めることができる訴えは全て認められた。実質的に勝利を得られた」と述べた。一方で「少なくとも、退園処分を行う際は、聴聞手続きが必要なことは行政手続き法上明らか。市には今後、法令を順守してもらいたい」と指摘した。

最終更新:6月15日(水)23時16分

埼玉新聞