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伝説の双子ギャングを描く映画『レジェンド』監督が語る

ぴあ映画生活 6月16日(木)11時25分配信

トム・ハーディが実在した双子のギャングをひとり2役で演じた映画『レジェンド 狂気の美学』が公開になる。脚本と監督を務めたのは『42~世界を変えた男~』でも実在の人物を描いたブライアン・ヘルゲランドで、主人公のクレイ兄弟の前に現れた女性フランシスが物語の重要なカギを握っていると語る。国際電話で話を聞いた。

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レジナルド(レジー)とロナルド(ロン)のクレイ兄弟は一卵性双生児で、恐喝や強盗などを繰り返して裏社会で地位を築いてきた。兄のレジーはナイトクラブの経営に注力する中で、フランシス(エミリー・ブラウニング)という女性と出会い、裏社会から足をあらうことを決めるが、情緒不安定で暴力的な弟のロンは次々にトラブルを起こし、いつしか彼らは破滅の道を歩んでいく。

リサーチのために、実在のクレイ兄弟の写真を撮った写真家デヴィッド・ベイリーに話を聞いた監督は、彼から「60年代ロンドンでなければクレイ兄弟は存在しえなかった」と言われたそうだ。「あの時代カルチャーの勢いや、自由な空気がなければベイリー自身もクレイ兄弟も存在しえなかっただろうと言っていた。アメリカのギャングも同じで、アル・カポネは禁酒法時代のシカゴでなければたぶん生まれなかったろう、と。僕はそれはとても真実に迫った言葉だと思ったので、この映画では彼らの生きた時間と場所を丁寧に細やかに描くことを非常に大切にしました」

映画は“スウィンギング・ロンドン”と呼ばれた時代を丁寧に再現し、そこに存在する“闇の部分”を描き出していく。「ロンはかなりイカれていて、周囲の度肝を抜くようなことをやるけど、彼は自分のことをよく理解していたように思う。自分が誰で、何を求めているのか、そして自分がゲイであることも公言していている。対してレジーは、自分が何を求めているのかはっきりしていなかった。自分はギャングスターになりたいのか、ナイトクラブのオーナーになりたいのか、フランシスと一緒にいたいのか、別れたいのか……そういったことに関する聡明さは実はロンのほうが持っていて、レジーはそれを求めているにも関わらず、見えていないというのが僕にとってとても興味深い点でした」

さらに監督は、兄弟の間に、フランシスという女性が介在していることが重要だと分析する。「レジーはフランシスと出会ったことで、ギャング以外の生き方を想像できるようになった。それがロンにとって脅威だった。と同時に、レジーが心の病を抱えているロンを置き去りにはできないという点から見ると、フランシスにとってもロンは脅威なんですね。フランシスがふたりのユニークな違いを表す存在になっているようにも思えます」

監督は実話を基にしながら、ふたりの男とひとりの女の野心や嫉妬、怒りのドラマを丁寧に描きだしている。

『レジェンド 狂気の美学』
6月18日(土)よりYEBISU GARDEN CINEMA、新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかにて全国ロードショー

最終更新:6月16日(木)11時25分

ぴあ映画生活