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ローカル・アベノミクス(2)地方に終の棲家を!日本版CCRC構想とは?

THE PAGE 6月20日(月)7時0分配信

 ローカル・アベノミクスに関する連載の第2回目は、日本版CCRC構想について取り上げます。CCRC構想とは、シニアが健康なうちから地方に移り住み、終(つい)の棲家にしようという概念なのですが、果たして実現は可能なのでしょうか。

そういえば! ローカル・アベノミクスどうなった?

日本版CCRC構想とは?

にほ CCRCは、もともと米国で発達したシステムで、Continuing Care Retirement Communityの略です。米国ではシニア層が健康なうちから地方にある高齢者コミュニティに移り住み、しっかりとした医療や介護のサービスを受けながら寿命をまっとうするというライフスタイルがひとつの選択肢として定着しています。米国では、地方都市の郊外などに行くと、こうしたシニア・コミュニティをよく見かけます。

 日本版CCRC構想は、これを日本社会にも応用し、高齢化対策と首都圏から地方への人の流れを促そうというものです。政府における地方創生の司令塔である「まち・ひと・しごと創生本部」には、日本版CCRC構想有識者会議が設置され、具体的な方策の検討が進められてきました。日本版CCRC構想は、「生涯活躍のまち」構想という名前になり、2015年11月に最終報告書が提出されています。

 従来の高齢者向けの施設やサービスは、高齢者が要介護になってから入所・入居することが大前提となっていました。しかし日本版CCRC構想では、高齢者が元気なうちから移り住み、できる限り健康で長寿をめざすことが基本方針となっています。またサービスを受けるだけの立場としてではなく、仕事や生涯学習などを通じて、地域に積極的に参加する「主体的な存在」として位置付けられます。したがって具体的な施設やサービスの設置や運営についても、こうした視点を前面に出す形で行われます。

理想的のように思えるけど問題点はないの?

 日本版CCRCは、高齢化問題や地域活性化問題のひとつの解決策であるのは事実ですが、課題も多いというのが現実です。最大の問題はやはりコストでしょう。米国の場合、住宅の質が高く、中古住宅市場が完備されていることから、築年数が古いからといって価値がなくなることはありません。持ち家は国民にとって最大の資産ですから、持ち家を売却することでこうした移住の費用をカバーすることができます。しかし、日本の場合、持ち家はほとんど資産になりませんから、移住のためのコストを捻出するのが難しいというのが現状です。

 日本版の構想では、月額21.8万円程度の厚生年金を受給する一般的な退職者の入居を想定していますが、この程度の金額で、終(つい)の棲家として十分なサービスを提供するのは簡単ではありません。また米国の場合には契約で介護サービスも保証されることがほとんどですが、日本版の構想ではこのあたりは従来の制度の延長となっており、移住者にサービスが確実に保証されているわけではありません。

 ソフト面も含め、しっかりとした運営体制を構築しないと、施設を作っただけで終わってしまうという可能性も十分に考えられます。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:7月1日(金)20時3分

THE PAGE

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