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【詳細レポート】SUGIZO vs INORAN、「彼がいたから頑張れた」

BARKS 6月16日(木)22時34分配信

6月9日、ロックの日に<SUGIZO vs INORAN PRESENTS BEST BOUT ~L2/5~>と題し、LUNA SEAのギタリストSUGIZOとINORANの最狂2マンライヴがZepp DiverCityで開催された。先ごろ公開した速報レポートに続いて、2500人のファンが熱狂した同ステージの詳細レポートをお届けしたい。

◆SUGIZO vs INORAN 画像

2017年にソロ活動20周年を迎えるSUGIZOとINORAN。各自がこれまで様々なジャンルのアーティストとセッション、イベントを重ねてきたが、2人がソロプロジェクトで対バン(対決)するのは今回が初だ。この極めて貴重な機会を見逃すまいとするオーディエンスで会場はぎっしり満員。チケットをとれなかった人が多数いることが容易に想像がつく光景だ。

開演予定時刻を30分過ぎた頃、待ちきれないフロアから手拍子が巻き起こり、19時40分に場内が暗闇に包まれると歓喜の大歓声。ライヴは意表を突いて、SUGIZOとINORANのセッションからスタートした。

紗幕のかかった暗いステージにヴァイオリンを奏でるSUGIZOとアコースティックギターをつまびくINORANのシルエットが浮かび上がる演出。バックスクリーンには木々の葉が風に揺れる映像が映し出され、心を震わせる音が静かにやがて激しく奏でられていく。シルエットのINORANが両手を広げ、SUGIZOのヴァイオリンの弓がINORANのほうを指す心にくい瞬間に歓声が上がる。2人のジャムセッションはLUNA SEAのツアー<LUNA SEA 25th ANNIVERSARY TOUR THE LUNATIC-A Liberated Will->でも披露されたが、音のひとつひとつには今、この時の2人の想いが宿っている。まさに一期一会のセッションが繰り広げられた。

ステージを覆っていた紗幕が落ちると、ステージセンターには不死鳥(SUGIZO)と龍(INORAN)をイメージして描かれた本ライヴのモチーフになっている巨大なイラストが浮かび上がった。

先陣を切ったのはINORANだ。イルミネーションに彩られたソロプロジェクト仕様のステージにテンション高めに跳ねながら登場。スクリーンに青い空と雲が映し出される中、ギターを力強くかき鳴らし、メンバーと息がピッタリ合った演奏で最新アルバムのタイトルチューン「Beautiful Now」へ。自然の息吹を感じさせるデカいグルーヴが場内を気持ちよく揺らしていった。

「DiverCity! 楽しみに来たんだろ!?」──INORAN

ライヴのキラーチューン「Rightaway」ではクラップの中、オーディエンスを煽り、アグレッシヴな一発を投下。ジャンプをキメて動き回りながら激しくギターを弾くINORANのポジティヴな戦闘モードにシンガロングが響きわたる場内は早くも一体となった。

「ホントにこの日を俺はすごく待ってました。僕のバンド、僕のスタッフも、にっくきSUGIZOも(笑)。対バンするからには音でホントにぶつかりあおうと。最後まで楽しんでいってくれよ! 叫べるか? 踊れるか?」──INORAN

ジョークを混じえながら会場を解きほぐし、ギターのフレーズと甘酸っぱいメロディの絡みが絶妙なオルタナティブでポップな「Awaking in myself」で高揚させるステージ運びはさすが。タメのビートと骨太なギター、ヒップホップテイストも盛り込まれた痛快なロック「2Lime s」で熱くさせていく。

そして、この日のINORANはいつになく雄弁だった。MCでは4年ぐらい前からこの企画を考えていたことを明かし、「僕の本音、言っていい?」と切り出した。

「LUNA SEAというバンドを始めて、俺以外の4人は素晴らしいし、昔からテクニックもあって感性もすごくて……俺は最初の頃はテクニックもないし、センスもないし、性格も悪いし(笑)。“負けてるな”とか“自分、足りないな”と思っていて、特にSUGIちゃんに対しては同じギタリストということもあって。彼は上手いし、センスもあるし、時間は守らないけど(笑)。でも、ホントに彼がいたから、俺、頑張れたと思う。今、ここに立っていることもそうだし、目標が近くにいてくれたから、SUGIちゃんのおかげだということを今日、言いたかったんです。そんな彼と同じバンドで音を出せるのは……LUNA SEAでこれからもできるけど、長くやっているとソロ活動も一部みたいなものだし、こうやって対バンができることは本当に本当に嬉しいんです。音楽人として繋がっている同士、時にはバトルもしなきゃって。今、もうすでに幸せだし、ここからの展開でたぶん、もっとみんな幸せになれると思います」──INORAN

ソロヴォーカリストとしてソロギタリストとして、凛として立つ今だからこそファンの前で口にできる長年の相棒(先輩?)への想いを伝え、「俺の兄貴を呼びます!」とSUGIZOをステージに招き入れたのも超サプライズな展開!

ライヴのタイトルの“BOUT”の如く、2人で向かい合いシャドーボクシングをする場面も飛び出し、今から10年前にリリースされたアルバム『photograph』収録曲「raize」がトリプルギターで鳴らされた。INORANの歌の後ろで語りかけるようなフレーズをSUGIZOが奏で、2人で向かい合ってギターを弾くなど、目に耳に焼き付けたい場面の連続だった。

「愛し合っているとバトルにはならないとわかった」とINORANが極上の笑顔を見せて、ライヴはますます熱を帯びる後半戦へ。

「Get Laid」では、「男いるか~!? 野郎!!」と叫んでコール&レスポンス。骨太なロックンロールで盛り上げ、ラストナンバーはスクリーンにハイウェイの景色が映し出された最新アルバムのアンセム的ナンバー「All We Are」だ。INORANが奏でるアーシーなフレーズが深く優しく心に沁みわたり、やがて場内は大合唱に。大切なものを共有したいという想いがまっすぐ伝わってくるライヴだった。

「SUGIちゃんの時はもっと盛り上がれよ!」と去っていったINORAN。ステージのスクリーンには8月24日にニューアルバム『Thank you』がリリースされること、9月から全国ツアー<TOUR 2016 -Thank you->がスタートすることが告知された。

セットチェンジを挟んで、SUGIZOが登場すると場内は怒涛の歓声に湧いた。

「今日は最高に嬉しいです。愛すべき、にっくきINORANに感謝!」──SUGIZO

オーディエンスを笑わせたSUGIZOが、右手を高く掲げた。オープニングは自身がヴォーカルをとる「TELL ME WHY?」(Beginning part) だ。スモークがたちこめる中、VJ ZAKROCKの映像とともにサイケデリックトランスが放たれ、フロアは恍惚状態に。アームを使った伸びやかでダイナミックなプレイは圧倒的だ。

続いて、SUGIZOの鋭いギターカッティングが空気を切り裂く「FINAL OF THE MESSIAH」へ。ドラマーkomakiとパーカッションよしうらけんじが刺激的なプレイを繰り広げるライヴは中毒性が高い。ループするフレーズ、降り注ぐビートに敏感に反応するオーディエンス。ライヴの定番曲とも言える楽曲たちは演奏するたびに細胞分裂のような進化を遂げ、新たな刺激を与えてくれる。

よりストイックに切れ味を増したこの曲に続いて、ヴァイオリンに持ち替え、奏でられたのはSUGIZOの楽曲の中でも耽美的でアンビエントな「FATIMA」だった。スクリーンに映し出されたのは水の中の映像。舞うように流麗なフレーズを響かせ、癒しのバイブレーションで場内を包んでいく。

めくるめくSUGIZOのコスモワールドが繰り広げられる中、INORANが呼び込まれ、場内が興奮に湧く中、演奏されたのはアルバム『FLOWER OF LIFE』(2011年) 収録曲にしてライヴ初披露となる「The EDGE」だった。いかにもSUGIZOらしいギターリフをINORANが弾き、SUGIZOがヴァイオリンで応戦するという本ライヴ限定のスペシャルヴァージョン。バトルの名にふさわしい間合いがスリリングで緊張感のある演奏が届けられ、SUGIZOは「INORAN!」とひとこと。ハイタッチしてINORANはステージを去った。

そしてライヴ後半戦では、今後のSUGIZOを予告するような新曲「Lux Aeterna」が披露された。“永遠の光”を意味するタイトルだが、黒い不穏な雲がたちこめる映像とともに尖ったビートが打ちつけられ、その攻撃的でアヴァンギャルドな演奏から、SUGIZOがフラッグを振る「ENORA GAY RELOADED」へと移行する展開は「FATIMA」とは対極のベクトルにある激しさが炸裂するSGZミュージック。怒り、悲しさ、祈り。“なぜ?”というSUGIZOの想いが激しく燃え盛るギターから伝わってくる。

曲が終わり、“NO MORE NUKES PLAY THE MUSIC”というメッセージが映し出された。そして、すべてを昇華するかのような狂熱のファンクダンスチューン「DO-FUNK DANCE」が鳴らされると息を呑むようにSUGIZOのプレイに耳を傾けていたオーディエンスも解き放たれたように身体を揺らし、手を挙げ、場内はダンスフロア状態に。

ラストナンバーは「TELL ME WHY?」(Ending Part)。最後までMCなし、ノンストップの圧巻のライヴを見せつけた。そのラストはメンバー全員でオーディエンスに一礼、拍手喝采の中、ステージを去った。終演後、スクリーンには8月から3ヶ月連続でデジタル・シングルをリリースし、11月にアルバム『音』を発表、そして3年振りとなるライヴツアーを開催するというニュースが告知された。

ライヴが終わっても2人を求める声は鳴りやまず、肩を組んでステージに登場したSUGIZOとINORANは深く礼をして挨拶。お互いにマイクを渡しあい、SUGIZOが、「またやろうね。今度。みんなが求めてくれるのであれば」と言うとINORANは、「本当に素敵な瞬間、幸せな時間でした」と伝え、2人で今回のライヴ会場が途中で変更になったことに触れて謝罪し、スタッフに感謝。再び、戻ってくることをほのめかし、お互いのバンドのメンバーを混じえた全員を紹介すると、改めて挨拶。フロアにピックやペットボトルを投げ入れ、至福の夜は終わりを告げた。

同じバンドのまったく違うタイプのギタリスト2人が繰り広げた最強にして最狂のライヴ。が、表現方法は違えど、音楽を通して大地の力強さや人生の旅を感じさせてくれるINORANミュージックと、宇宙の営みと人間の営みを繋げて浄化/高揚させてトリップさせるSGZミュージック。両者のハイブリッドな在り方、メッセージには共通項が感じられた。やはり、この才気溢れるギタリスト2人が出会ったのは単なる偶然ではない。そう感じずにはいられなかった。

取材・文◎山本弘子
撮影◎KEIKO TANABE(SUGIZO)/RIE SUWAKI(MAXPHOTO/INORAN)

■<SUGIZO vs INORAN PRESENTS BEST BOUT ~L2/5~>6月9日@Zepp DiverCityセットリスト
【INORAN】
SE
01. Opening
02. Beautiful Now
03. Might never see, might never reach
04. Rightaway
05. Awaking in myself
06. 2Lime s
07. raize
08. grace and glory
09. Get Laid
10. All We Are
【SUGIZO】
SE
01. TELL ME WHY? (Beginning part)
02. FINAL OF THE MESSIAH
03. FATIMA
04. The EDGE
05. Lux Aeterna
06. ENOLA GAY RELOADED
07. DO-FUNK DANCE
08. TELL ME WHY? (Ending part)

■SUGIZOリリース&ライヴ情報
?Digital Single New Release
第一弾 2016年08月15日Release「Life On Mars?」
第二弾 2016年09月Release
第三弾 2016年10月Release

?New Album 『音』
2016年11月Release

?<SUGIZO TOUR 2016『The Voyage Home』>
11月29日(火) 名古屋 ElectricLadyLand
11月30日(水) 大阪 umeda AKASO
12月04日(日) 東京 Zepp Tokyo
…and more

■INORANリリース&ライヴ情報
?New Album『Thank you』
2016年8月24日(水)発売
【初回限定盤 CD+DVD】KICS-93418 ¥6,500+税
CD:全10曲収録予定
DVD:「Thank you」MV収録
※スペシャルパッケージ仕様
【通常盤 CD only】KICS-93418 ¥3,500+税
CD:全10 曲収録予定

?<INORAN ASIA TOUR 2016>
8月25日(木)香港@ Hidden Agenda
8月27日(土)上海@上海浅水湾文化芸術中心q.house (上海宜昌路179号)
8月28日(日)台北@ Hana Live House

?<INORAN TOUR 2016 -Thank you->
9月02日(金) 水戸LIGHT HOUSE
9月04日(日) 広島SECOND CRUTCH
9月10日(土) 熊本B.9 V2
9月11日(日) 福岡DRUM Be-1
9月14日(水) 仙台darwin
9月16日(金) 長野CLUB JUNK BOX
9月17日(土) 名古屋ElectricLadyLand
9月29日(木) 新木場STUDIO COAST <B-DAY LIVE CODE929/2016>
▼チケット
立見¥5,800(税込)/DRINK代別 ※3歳以上チケット必要
一般発売:2016年7月23日(土)
※当日学生証提示で¥1,000キャッシュバック

最終更新:6月16日(木)22時34分

BARKS

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