ここから本文です

メジャーデビュー決定イトヲカシ、感謝あふれ出るステージで魅了

MusicVoice 6月16日(木)12時37分配信

 2人組ユニットのイトヲカシが11日、東京・shibuya duo MUSIC EXCHANGEで全国ツアー『イトヲカシ first one-man tour 「捲土重来」』のファイナル公演をおこなった。イトヲカシは、伊東歌詞太郎(Vo)と宮田“レフティ”リョウ(Bass/Guitar/Key)で構成。ツアーは、5月11日にリリースしたインディーズでのミニアルバム『捲土重来』を引っさげて全国5都市で実施し、発売と同時に全会場のチケットが即完売するというプレミアムな状況となった。そのラストなる東京公演は、アンコールを含む全21曲の演奏に加え、秋頃にメジャーデビューすることなどを発表。イトヲカシと650人の観客にとって特別な夜となった。

 定刻を少々過ぎたところで、ゆっくりと会場は暗転した。大歓声とオープニングSEが鳴り響く中、サポートメンバーがステージに登場。そして、宮田“レフティ”リョウと伊東歌詞太郎が順に姿をみせると、大きな拍手と歓声で会場は包み込まれた。

 「拳を上げろ!!」と伊東の叫び声で始まったのは「堂々巡リ」。アルバム『捲土重来』の1曲目に収録されている楽曲で、ファイナル公演はスタートした。オープニングナンバーにふさわしいアッパーチューンで初っ端からフルスロットル。オーディエンスも手拍子をしながら声援を送り、盛り上がった。

 立て続けに、「Re;MilkyWay」、「Life drive」、「ハートビート」とノリが良く、ビートの心地良いナンバーで、会場をイトヲカシの世界観に染め上げていった。伊東の歌声はレーザー光線のように真っ直ぐで迷いのない。それが心地良く会場に響く。

 イトヲカシが奏でる楽曲は、トリッキーだとか、異質だとかそんな感じではない。交ざり物のない蒸留水のようなピュアな音楽だ。そして、どこかノスタルジックなメロディーライン、どこまでもストレートで揺るぎない歌声と、キャッチーなロックサウンドで世界観を表現していく、人間味あふれる小細工なしの真っ向勝負なステージだ。

 そして、「やくそく」では、この曲の歌詞にある「ありがとう 君の笑顔が この場所に僕らを連れてきてくれた」のように、フロアからオーディエンスの笑顔があふれ、この場所で歌っている喜びを、噛みしめながら演奏する2人が印象的に映った。

 伊東が「新曲を聴いてくれ」と述べて披露した「蒼い炎」は、爽やかな風を感じさせるサウンド。宮田の奏でるメロディアスなベースラインが、歌の隙間を縫っていく。「東京! まだまだイケますか?」と「My Dear」へ突入。イトヲカシらしい爽快でドライブ感あふれるナンバーで、更に会場はヒートアップ。宮田も抑えきれなくなった感情をさらけ出すように、ステージ前方に寄ってベースを弾いていく。

 MCでは、「アニメ『双星の陰陽師』のエンディングテーマに決まりました」と観客に報告。会場から「おめでとう!」と祝福の言葉が飛び交った。それを聞いた2人は「(俺たちの音楽を)聴いてくれてありがとう。夢を見つけるのは難しい。なければ『見つけろ』と言われるし、でも夢なんてなかなか見つからないのが普通なんだよ。俺らには音楽という夢があるけど、もし夢がなくて悩んでいる人がいたら、あなたの夢を僕らに託してくれないかな。みんなからその夢をもらって、絶対裏切らないように一生懸命頑張って音楽をやっていきたい。絶対幸せにするからな」と目に涙を浮かべながら感謝。イトヲカシが“ファンの夢も乗せて頑張っていく”ことを約束した。そして、これからもスタンスを変えずにやっていくことの決意表明として「東方見聞ROCK」を披露した。

 ここからバラードセクションへ。「嫌なことを忘れたい、単純に良い音楽が聴きたい、涙を流したいという人もいるかもしれない。いろんな思いがあると思うけど、そういう思いを全部受け止めた上で全員に返す。そういう曲を書いたので聴いてください」と伊東が話すと、スローナンバーの「パズル」を披露。切ないピアノの音色に乗り、緩急をつけた歌声でしっとりと聴かせていく。そこに宮田の歌声が合わさり、心地よいハーモニーを作り出し、さらに世界観を表現していく、人間味あふれる小細工なしの真っ向勝負なステージだ。

 曲が終わると、フロアから大きな拍手が鳴り響いた。拍手が次第にフェードアウトしていくと、暫しの静寂が訪れ、そこから、幻想的なエレクトリック・ピアノの温かい音色が会場を包み込む。伊東の体の奥底から溢れだす声と言葉の持つ力に、ステージから一瞬たりとも目を反らすことができない、それほど惹きつけられた時間だった。

「Share, We are」のイントロが流れる中、その瞬間は訪れた。楽曲が一旦ブレイクし宮田より「イトヲカシ、メジャーデビューが決まりました!」と突然の発表。その瞬間、会場は大歓声に包まれた。衝撃的な発表に涙を流すファンたち。その光景に伊東は「こんなに喜んでくれるとは思わなかったよ」と驚きを隠せずにいた。この発表によって会場はえも言われぬ一体感が生まれ、ラストの“ラララ”のシンガロング(Sing Along)も、盛大に響き渡っていた。

 宮田が「でもメジャーデビューなんてどうでもいいんだよ」と叫んで始めたのは「Never say Never」。伊東もギターを抱えてバンドサウンドに更に厚みを加えていく。MCでも語った「一生懸命頑張って音楽をやっていきたい」という言葉を具現化していくように、その姿勢がステージから放たれ、オーディエンスの心を更に一つにしていく。

 後半戦は、「ブルースプリングティーン」、「ホシアイ」とアッパーチューンを立て続けに披露していく。伊東が「歌って!!」と投げかけるとフロアから今日一番の大きなシンガロングが会場を包み込んでいった。本編ラストは「Thank you so much!!」。サビではフロアで揺れる650人分のペンライトが鮮やかに光放った。まさに絶景と言える一体感あふれる空間を作り出し、本編を終了した。

 アンコールを求める手拍子とコールが鳴り響く。再びステージに戻ってきた2人は、メンバー紹介を兼ね、サポートメンバーを一人ずつステージに呼び込む。「俺たちは本編で命を燃やし尽くすことにしてるんだけど、アンコールをもらうと生き返っちゃうんだよね。まだまだいけるか~!?」と元気いっぱいにオーディエンスを煽っていく。

 アンコール1曲目は「START」。今、ライブが始まったかのような勢いと盛り上がりを観せた。ここで、今回のツアーの地方公演で、参加してくれたバンドメンバーを招き入れ、夏フェスに向けて作ったという新曲「Summer Lover」を披露。ベイ・シティ・ローラーズを彷彿とさせる、アルファベットのコーラスが印象的に響くキャッチーなナンバーで、新曲とは思えないほど、オーディエンスもタオルを回しノリノリ。曲が終わると、バンドメンバーがステージを去り、イトヲカシの2人きりに。ここで、8月から路上ツアーをおこなうことを発表し、「メジャーに行くからって、俺たちは何も変わらないからな!」とファンに向かって叫んだ。

 宮田がキーボードの前に座り、ピアノの音色でフレーズを奏でる。始まったのは感謝の気持ち込めて作ったという「You」。バラードナンバーを丁寧に、全身全霊で歌い上げていく。儚くも情熱的な歌声に会場は酔いしれた。会場からはその感謝の気持ちに共鳴したかのように、すすり泣く音が響き渡っていた。

 「メジャーデビューはゴールじゃない。多くのアーティストが目指す高い山みたいなものだと思う。俺たちはまだ登り始めたばかり、どのステージも変わらない。みんなが楽しんでくれたなら、それが幸せな時間。幸せな時間を貰ったなら感謝をしなければいけないし、自然と感情に出てしまう」と声をからしながら「You」を歌う前に伊東が話した。

 まさに、その感情がすべての曲にあふれ出た、記憶に残るライブであった。小細工なしの己をさらけ出したステージは、観たものすべての心に突き刺さる。思考を使わなくても、シンプルに“感じる”ことが出来た。この先「変わらないという進化」をモットーに、さらに成長していくであろう彼らが、どのような音楽を奏でていくのか、期待感が高まらざるを得ないライブであった。(取材・村上順一)

イトヲカシ first one-man tour 「捲土重来」
6月11日 shibuya duo MUSIC EXCHANGE

セットリスト

1.堂々巡リ
2.Re;MilkyWay
3.Life drive
4.ハートビート
5.トワイライト
6.やくそく
7.蒼い炎
8.My Dear
9.嘘
10.酸素の海
11.東方見聞ROCK
12.パズル
13.たましいのゆくえ
14.Share, We are
15.Never say Never
16.ブルースプリングティーン
17.ホシアイ
18.Thank you so much!!

ENCORE

EN1.START
EN2.Summer Lover
EN3.You

最終更新:6月16日(木)12時37分

MusicVoice