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大和ハウス、物流施設・海外不動産開発に9000億円投資

日刊工業新聞電子版 6月16日(木)11時55分配信

 大和ハウス工業は2019年3月期に売上高3兆7000億円を目指す3カ年の中期経営計画で、物流施設や海外の不動産開発を中心に総額9000億円を投入する。賃貸住宅入居者などの顧客基盤を活用し、生活関連サービス拡充といった事業領域の拡大にも取り組む。少子高齢化など環境の変化に対応しつつ成長を持続するには、新たな収益事業の育成がカギを握りそうだ。(大阪・小林広幸)

 大和ハウスは16年3月期に、売上高3兆円を超えた。大型のM&Aを通じてハウスメーカー、不動産、ゼネコンとさまざまな顔を持つ企業集団に拡大している。

 大野直竹社長は中計期間を「売上高4兆円体制を築く3年間」と位置づける。20年開催の東京五輪・パラリンピックに向けて需要が見込めるとして、投資計画の大部分を占めるのが不動産投資だ。7000億円を見込んでおり、そのうち半分以上が需要旺盛な物流施設の開発に振り向けられる。

 一方で国内、特に地方経済の先行きは不透明だ。一戸建て住宅は消費増税の延期で急激な落ち込みこそ回避できたが、成長は見込みにくい。国によるネット・ゼロ・エネルギー住宅(ZEH)化の推進も「限られている」(大野社長)とし、追い風と捉えられない。

 ただ、賃貸住宅事業は好調で、大幅に伸びを見込む。同事業は「建物の役割を終えるまで面倒を見る」(同)と、オーナーに対しアパートの建設と完成後に管理サービスを提供。土地活用の提案商材として、相続税対策などを背景に需要は旺盛だ。

 他方、入居者に選んでもらうには、サービス開発も欠かせない。近年「D―room(ルーム)」のブランドで通信や安心・安全などの生活サービスを家賃込みで訴求し、評価が高まっている。オーナーにとっての入居率向上策であるとともに、大和ハウスにも収益増が見込める。

 「賃貸もいろいろな要素で考えていかねばならない」(同)と戦略を示す。管理戸数は50万弱。この顧客基盤を活用できれば、生活関連サービス展開の可能性は広がる。「どんな住まわれ方をしているのか」(同)を探っているところだ。

 こうした顧客基盤の活用や拡大による新規の収益事業を“プラス1、プラス2”と呼んで育成に取り組む。その候補にはエネルギー事業をはじめ、流通やリフォームなど中古住宅事業、訪日外国人の民泊対応などアコモデーション事業、介護ロボットなどのヒューマン・ケア事業が挙がる。

最終更新:6月16日(木)11時55分

日刊工業新聞電子版