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サッカーブラジル代表 CBFドゥンガ監督を解任 後任チッチを待ち受ける試練

ニッケイ新聞 6/16(木) 22:07配信

コパ・アメリカでハイチにしか勝てずに敗退、ドゥンガを解任し、「三顧の礼」で本命チッチを招聘

 6月12日、コパ・アメリカ100周年記念大会、1次リーグ最終戦で、ブラジルはペルーに0対1で破れ、グループリーグ3位に終わり大会から姿を消した。
 ペルーの決勝点は完全なハンドで、ブラジルに同情の余地はあるが、初戦のエクアドルでは逆に誤審に助けられ辛くも引き分け。エクアドル、ハイチ、ペルーと戦い、わずか1勝、同じ南米のエクアドル、ペルー相手にノーゴールでは、8強入りに値するパフォーマンスだったとは言いがたい。
 ブラジルサッカー連盟(CBF)の動きは早かった。帰国直後のドゥンガを呼び出し解任を告げ、後任には、ここ何年も〃本命〃とされてきた、コリンチャンスのチッチに就任を要請した。
 実は14年、W杯での屈辱の「7x1」の後からチッチの名前は挙がっていた。昨年のコパ・アメリカでベストエイト敗退した時もチッチに打診をしたがチッチはこれも拒否している。しかし「三顧の礼」に遂にチッチも折れ、代表監督就任を受諾した。
 コリンチャンスを率い、近年タイトルを総なめにしてきたチッチはCBFにとってまさに最後の切り札だ。

チッチを待ち受けるのは、腐敗するCBF、代表に冷め切った国民

 しかし、チッチ就任でブラジル代表の状況は劇的に改善するかといわれれば事はそう簡単ではないだろう。
 そもそも、CBFの会長、マルコポーロ・デルネーロ氏は、昨年のFIFA要人一斉摘発で逮捕された、ジョゼ・マリア・マリン前会長の懐刀で、大会TV放映権、マーケティング契約に関する汚職疑惑でいつ逮捕されてもおかしくない状態にある。
 FIFA汚職は米国のFBIが先頭に立って捜査しており、デル・ネーロ会長はマリン前会長がスイスで逮捕されたように、ブラジル国外に出たら逮捕の可能性があるため、今回のコパ・アメリカはもちろん、もう何試合もブラジル代表の国外での試合に同行していない。
 そんな人物が最高責任者を務めるCBFという組織は、コパ・アメリカよりも、リオ五輪よりもずっと重要な9月のW杯予選、ホームゲームをアマゾンのマナウスで行うとしている。
 ブラジル人選手でさえ慣れない当地の気候、ホームの利をみすみす捨てるのは「マナウス、クイアバなど、W杯時に僻地に立てたスタジアムはお金の無駄だった」との批判の声に対する言い訳、アリバイ作りのためだ。そこに「ブラジルサッカーにとって最良の選択」という哲学は存在しない。
 またかつては国のシンボルとも言うべき存在だったブラジル代表は、国民の支持を失って久しい。例えば、コパ・アメリカのハイチ戦、筆者のいたレストランのTV中継に見入る人は一人もおらず、ブラジルのゴールシーンにも全く歓声は上がらなかった。
 筆者はペルー戦敗北のあと、日本から「暴動は起きていない? 」とのメールを受け取ったが最初は何のことを言っているのかさえ分からなかった。それほどまでに国民はブラジル代表に対して冷え切っている。

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最終更新:6/16(木) 22:31

ニッケイ新聞

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