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TPP、食い違う日米の効果試算

ニュースソクラ 6月16日(木)16時0分配信

日米報告書を読み比べてみたら

 米国貿易委員会(ITC)は18日、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)についての経済効果を示した報告書をオバマ大統領と議会に提出した。

 TPPによって米国の国内総生産(GDP)は、2032年までに427億ドル(4兆7千億円)、率にして0.15%増加すると見込んでいる。

 昨年末、日本政府は「TPP協定の経済効果分析」という報告書を提出した。資料によるとTPP発効後10年~20年で、日本のGDPは2.6%の増加、2014年度のGDPを用いて換算した場合、14兆円の経済効果が生まれるとした。

 比較すると、日本は米国の1/4のGDP規模にも関わらず、約3倍の経済効果が生まれ、率にすると米国の約20倍の増加率になると試算している。

 また対象品目別の試算に関しても、日本側と米国には開きが見られる。日本にも大きく関係があると思われる「コメ(米)」・「牛肉」・「自動車」の3つを例に挙げてみてみる。

 2015年に日本政府が行った試算では、TPPによって国内のコメの生産量の減少率・減少額は共にゼロ、まったく影響がないという予測が立てられている。高い関税の維持や国産米を政府が備蓄米として買い入れることを理由に、国内への影響は見込みがたいとしているのだ。コメの対米国への関税は、協定発効後5年目に撤廃されるとされている。

 しかし、今回の米国の報告書では、2032年に対日本のコメの輸出量が23%増加するとされている。

 次に牛肉。日本側の試算では長期の関税削減期間のセーフガードを設けること、米国産の牛肉と国産の牛肉が、品質・価格などで差別化されていることを理由に、生産量減少率は0%と示された。生産減少額は約311億円~約625億円とされているものの、牛肉においても米国の試算とは差があるように思える。牛肉においても、関税はTPP発効後15年後に撤廃される。

 TPP参加国全体を対象とした米国の試算によると、牛肉の輸出は2032年までに最大8億7600万ドル(963億6千万円)、8.4%の伸び。輸入に関しては、4億1900万ドル(460億900万円)、5.7%の増加が見込まれている。

 報告書の中には「日本は米国にとって最大の牛肉輸出国である」との記載も見える。TPP参加国の中で米国にとって最大のマーケットは日本のはずであるが、日本と米国の試算には大きな食い違いが見える。

 工業製品の自動車の試算はどうだろう。

 米国の自動車輸出に関しては、参加国全体を対象として、2017年を基準とした15年後の2032年、30年後の2047年時点での試算を行っている。輸出は2032年時点で19億5400万ドル(2兆1494億円)、1.9%。2047年時点で28億9900万ドル(約3兆1889億円)ドル、2.2%の伸び。一方、2032年の輸入は23億7200万ドル(約2兆6092億円)、0.8%。2047年は14億2900万ドル(約1兆5719億円)、1.1%の伸びだ。

 一方、日本政府は2013年の試算で自動車の関税が撤廃されれば、輸出は2.6兆円、輸入は2.9兆円増えるとしている。米国がTPP参加国全てを対象に行った2032年時点での輸入額の試算を、日本だけで賄ってしまうことになるのだ。

ニュースソクラ編集部

最終更新:6月16日(木)16時0分

ニュースソクラ

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