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「UACJ押出加工の経営戦略」〈荘司社長〉=オールアルミの熱交換器需要捕捉

鉄鋼新聞 6/16(木) 6:00配信

 国内製造拠点の品種移管にめどをつけたUACJ押出加工。さらなる成長に向けて国内では、自動車部材やオールアルミ熱交換器マーケットに照準を合わせた。また海外では、既存拠点に加えUACJグループに加わった米国自動車構造部材大手「ホワイトホール」との連携に注目が集まる。UACJの押出事業のかじを取る荘司啓三社長に今期の事業戦略を聞いた。(遊佐 鉄平)

――UACJ押出加工を取り巻く需要環境は。
 「主力事業である自動車分野は、熱交換器部材が押出材から板材に切り替わる“板化“の動きが増しているためこの分野は減少する見込み。しかし自動車材全体で見れば鉄系素材からアルミに切り替わる動きが加速している。今後取り組むべき大きなマーケットに間違いないため、いっそう注力していく」
 「そのほかエアコン用熱交換器の“オールアルミ化“は期待分野。銅価との兼ね合いになるが、まだまだ伸びていく市場だろう。溝付き配管などはUACJ銅管の技術蓄積があり、連携による優位性が発揮できると考えている」
――海外事業会社の事業環境は。
 「自動車部材が主力の東南アジア3拠点は域内の自動車販売台数の落ち込みの影響を受けている。それぞれ既存のカーエアコン配管などに取り組んでいくほか、インドネシアでは北米やインド市場への供給を目指していく」
 「チェコは“板化“の動きが強いものの、自動車販売自体が増加しているため好調に推移している。中国拠点はユーザーの在庫調整や認定遅れによって苦戦しているが、下期からエアコン用の材料が立ち上がる予定で操業度は上がってきそうだ」
――そういった状況下、今期の生産目標は。
 「今期は国内販売が前期比月100トン増の月5800トン、海外が月200トン増の1800トンとした。海外の伸びは中国やタイの増産効果によるものだ。今期は次の中期計画の基盤となる重要な年だと認識している。製品構成によって数量は変わってくるが、個人的には中期的に10万トンレベルを目指したい」
――基盤づくりの年に注力することは。
 「中長期的には自動車部材が大きなテーマとなる。自動車軽量化ニーズに伴う素材のアルミ化は国内でも盛り上がりつつあると感じている。この分野は開発から量産まで3年以上かかるため、継続的に取り組んでいく必要がある」
 「自動車部材市場にスピード感を持って対応していくという認識は、米ホワイトホールの買収にも表れている。買収によって市場拡大が著しい米国での部材供給体制が整い、アルミ材を求める日系ユーザーの要望に応えることができる。生産品種についても構造部材に限らず、今後自動車熱交換器材を始めることも可能だ。そのあたりについては板、押出、金属加工といったグループ各社と共同でシナジー発揮に向けた取り組みを進める」
――設備投資の計画は。
 「タイ・プラチンブリ工場の自動車熱交換器用多穴管ラインを改造して能力を1・5倍に引き上げたほか、名古屋製作所では内面に溝を付けたエアコン配管内部に溝を付けるための設備を改造する。そのほか品種移管に絡んだものや生産性向上のために資金を投じていく」
――国内拠点の品種移管の進ちょくは。
 「国内5拠点はそれぞれが特色を持った工場にしていく必要がある。名古屋と小山は“管棒工場“となり、その他の3拠点は形材生産だけでなく部材加工比率を高めていく」
 「品種移管による基盤の強化は実現されたが、今後もさらなるコスト競争力の引き上げが必要。加えて旧2社の技術をさらに融合し、新製品の立ち上げをもっとスピード感を持ってやっていかないといけない」
――そのほか、取り組むべきことは。
 「新製品を投入するためには技術だけでなく営業力も大切。4月から部制を取りやめ、営業体制をユニット制に切り替えた。ほとんどが需要分野に合わせたユニットとなっており、よりユーザーニーズを取り込む努力をしていきたい」

最終更新:6/16(木) 6:00

鉄鋼新聞