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巷で話題のマイナス金利。私たちにとって得なの? 損なの?

ZUU online 6/17(金) 12:20配信

最近、マスコミで話題のマイナス金利。メディアの記事を読んでも、金融・経済の専門用語が多くてイマイチわからないという方も多いのではないでしょうか。私たち個人にどんな影響が出てくるのか、またマイナス金利のメリット・デメリットについて分かりやすく解説したいと思います。

■そもそもマイナス金利って何?

お金を借りる時、通常であれば、お金を借りる側が貸す側にお金のレンタル料として金利を支払います。この立場が逆転して、貸す側が借りる側に金利を支払うのがマイナス金利です。

日本銀行は2016年2月16日以降、金融機関(銀行等)から預かっている預金の金利の一部をマイナスにすることを決めました。金融機関は日本銀行にお金を預けていても金利を取られるばかりになるので、民間企業や個人への貸し出しに回すようになり、民間企業は投資や社員の給料を増やし、経済が活性化するだろうという狙いです。日本銀行は公式には否定していますが、為替を円安方向へ誘導して輸出を有利にしようという意図もあったようです。

日本銀行の狙いが実現するかはまだわかりませんが、世の中全般のお金の貸し借りの金利は下がり始め、一部では貸し手と借り手の立場の逆転現象も起こり始めています。一般的に、マイナス金利の影響は、貸し借りの期間が長いほど、額が多いほど大きくなります。

また、金利が下がることで儲けが増える会社の株価が上がり、儲けが減る会社の株価は下がっています。

■マイナス金利で得する人、損する人

マイナス金利では、基本的にお金を借りている人が得をすることになります。住宅ローンの金利は既に下がり始めているので、ローンを抱えている人は金利が下がった分だけ余分に利子を払わなくてよくなります。

一方で、銀行の預貯金の金利は下がっていますので、もらえる利息は減っています。また、生命保険の予定利率が引き下げられているので、これから生命保険に入ろうとする人の保険料は値上がりしています。

■銀行預金はどれくらいの損になるのか

マイナス金利に便乗した金融商品のセールストークがよく聞かれるようになっています。「銀行にお金を預けておいても、ほとんど利息がつかなくなったので、◯◯(金融商品)での運用を考えてみてはいかがですか?」といった勧誘です。

しかし、よく考えてみると、銀行の預金金利はもともと低いのです。例えば、メガバンクはマイナス金利実施を受けて、定期預金(1年物)の金利を0.025%から0.01%に引き下げました。100万円を1年間預けてもらえる利息が税引き後で200円から80円に下がったということです。どうでしょう、金額として意外に小さいと思いませんか。

今のところ、個人の預金金利がマイナスになって、私たちが銀行に利息を払う事態は起きそうにありませんが、将来、マイナス金利の幅が拡大していけば、ある条件(例えば、預金残高が一定額以下)の口座に手数料が課される可能性はあります。そうなると複数銀行に預けている預金を一所に集めるといった対策が必要になるかもしれません。銀行からのアナウンスには注意しましょう。

■金利が下がると不動産取引がしやすくなる?

大手銀行は、日銀がマイナス金利政策を導入した後、住宅ローンの金利を過去最低の水準に引き下げました。借りている額、条件にもよりますが、返済額が月に数千円安くなることもあります。マイナス金利実施後の2016年3月には借り換えを申し込む人が急増しています。住宅ローンを抱えている方は返済シミュレーションだけでもしてもらったほうがいいでしょう。

一方で、ローンが借りやすくなることで不動産価格が高騰してしまうことも懸念されています。ここ数年、東京都心など一部地域のマンション価格は高騰していますが、さらに拍車がかかる可能性もあります。不動産価格が高騰すると、賃貸の家賃にも影響するので他人事ではありません。

■為替への影響は

為替の動向は、海外旅行の費用、日常買う輸入品の値段など、私たちの生活に直結するため、最も気になるところ。株で資産運用されている方は、株価を左右する為替も気になることでしょう。

日本の金利が下がることによって為替は円安に動くはずでした。しかし、結果は逆に円高になっています。海外旅行は安くなり、輸入品を買いやすくなり、輸出企業の株価は下がっています。今後、日本銀行がマイナス金利の幅を拡大すれば、さらなる動きがあるかもしれません。

一方で、為替はマイナス金利だけでは動かず、他の先進国(アメリカやEU)の金利の状況、新興国の経済など、国外の様々な要因と併せて決まるということは覚えておいた方がいいでしょう。

■賢い資産運用について考えよう

今のところ、個人に対するマイナス金利の影響はわずかであり、マイナス金利をネタにしたセールストークに右往左往することないといってよさそうです。しかし、世の中でこれだけ多くの識者と言われる人たちが騒いでいるのですから、メディアでさまざまな記事を読み、金融の勉強をしてみてはいかがでしょう。

自分自身の資産を見つめ直すチャンスです。この先、今よりもっと大きな金融の変動があった時に、貴女の資産を賢く守っていくために役立つことでしょう。

三林英毅
三重県出身。通信会社系SI会社、監査法人系経営コンサルティング会社、証券会社系総合シンクタンクなどを経て2014年よりフリーランスのIT&経営コンサルタント。趣味を活かした海外旅行サイトも運営。

(提供:DAILY ANDS)

最終更新:6/17(金) 12:20

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