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『Sea of Thieves』友だちといっしょに海賊になれる本作は、じつは相当奥が深いゲームだった【E3 2016】

ファミ通.com 6月17日(金)18時2分配信

文・取材・撮影:編集部 古屋陽一

●マイクロソフトブースでもっとも来場者を集めたタイトルの1本
 2016年6月14日~16日(現地時間)、アメリカ・ロサンゼルスにて開催中の、世界最大のゲーム見本市E3(エレクトロニック・エンターテインメント・エキスポ)2016。マイクロソフトブースで、ひときわたくさんの来場者を集めていたのが、レア社開発による『Sea of Thieves』だ。昨年発表され、今年のカンファレンスでも大々的に取り上げれた同作だが、正直言ってそのゲーム内容はまったくの未知数。「仲間で集まって楽しめる、海賊をモチーフにしたオンラインゲームなんだろうなあ……」と思いはするものの、いまひとつぴんと来ず……。やけにみなさん楽しそうに試遊をしているのが極めて印象的だったわけですが……。

 で、百聞は一見に如かずということで、実際にプレイしてみたところ、5人で船に乗って大海原に飛び出すことに……。どうやらほかの4人は知り合いらしく、ボイスチャットでは賑やかな会話が飛び交ったり(おそらくスペイン語)。何となく取り残された感じの記者は、ひとりで船をふらふら。マストの上に乗って絶景を眺めたり、舳先でひとり『タイタニック』ごっこをしたりとなかなかに楽しい。これはあとで知ったのですが、海賊たちは音楽を奏でたり、お酒を飲んだりすることができるようです(お酒を飲んでもことさらなにも変化はないようですが)。つまり、“海賊らしい行為”が楽しめるのだ。

 で、「5人でわいわいコミュニティーを取りながら楽しむゲームなのかな」と思っていると、海の向こうに別の船が。その船にはIDが表示されており、どうやらほかのプレイヤーのグループらしい。そう、『Sea of Thieves』は、グループ単位でオンラインの世界を楽しむMMO的なゲームであるようだ。

 船には大砲が設置されており、近くにほかの船が近づいてきたら、それは撃ちたくなるもの……ということで、おもむろに砲撃。同じグループに入ったスペイン人(おそらく)と思われる方々も楽しそうに攻撃。こうして、グループで楽しみながら、たまにほかのグループとやり合うのが、『Sea of Thieves』なのかもしれない……。その後記者は、海に飛び込んでも生きていられるかを検証しつつ(生きていられました!)、仲間の船に置いていかれてぷかぷかと波間を漂ううちに試遊時間が終了となったのでした。

 なかなかに全貌を把握しづらいゲームだ……と、そんなことを思う矢先に、『Sea of Thieves』のプレゼンに参加する機会を得た。これは、『Sea of Thieves』のことをさらに知る絶好のチャンス! というわけで、勇んでプレゼンに参加したわけであります。担当は、レア社のエクゼクティブプロデューサーのジョー・ニート氏とデザインディレクターのグレッグ・マイルズ氏のおふたり。

 グレッグ・マイルズ氏によると、本作の発想は、「まったく新しいゲームを作りたい」との発想から、ひとつの世界を多人数で共有する“シェアード・ワールド”のゲームに興味を持ったことがきっかけだという。シェアード・ワールドに最適なテーマを探していたときに、もっともマッチしたのが海賊というモチーフだったらしい。船で一蓮托生というのがゲーム性にフィットしていたのだ。

 とはいえどうやら本作は、MMOのようにひとつの世界をすべてのプレイヤーで共有するというわけではないらしい。グループごとに作られる世界がパラレルワールドのように共存していて、折に触れほかのグループプレイヤーたちと共有が図られるようだ。「偶発的な出会いを大切にしているので、船がたくさんいるということはしていません。高度な技術を使って、船の数は調整しているんです」というから、新しいテクノロジーが駆使されているのかもしれない。

 グループとしての活動に重点を置いているという本作だが、現状グループを組める人数は5人を予定しているという。6人以上のプレイも試してみたらしいのだが、人が増えるとチームワークが悪くなるからだという。ただし、人が集まらないことを想定して、少人数でも遊べる船を用意するらしい。ちなみに船は改造できるというから、グループで自分たちの船をカスタマイズしていくのが本作の楽しみのひとつなのかもしれない。船のなかには自分たちがゲットした宝などを保持できるというから、MMOでいうところのハウジングに近いのかなあ……とも想像してみたり。

 E3で公開されたトレーラーでは船が壮絶に燃えていたが、実際にほかプレイヤーとの攻防で船が沈没することはあるらしい。そんなときはどうなるかというと、船の中に所蔵している宝などは紛失してしまうようだが、ペナルティーに関してはバランスを考えているという。「たとえば、島へ行く途中で船が沈没したら、もとの地点に戻されるといったことを考えています。そして、船は気軽に入手できるようにするとか」とのことだ。

 ちなみに、プレイヤーは仲間の船から降りて、ほかのグループの船に乗ることができるらしい。そのときは「本当の海賊のように、よそ者が来やがって、みたいな雰囲気になると思いますよ(笑)」とのこと。近づけば、ほかのグループの海賊ともボイスチャットはできるようになるようだ。

 「E3で公開したのは、全体のゲームのほんの一部」とグレッグ・マイルズ氏が言うだけあって、正直なところ、『Sea of Thieves』の全体像はまだまだつかみづらい。そのためもあってか、「いまはいち早くクローズドベータテストを行うのが、当面の目標です」とニート氏。早い段階でプレイヤ-に遊んでもらって、意見を聞いて、いろいろな要素を追加していきたいという。「レイド戦は?」と聞いたところ、「ユーザーからの要望があれば」とのこと。そんな話を聞くと、フリー・トゥー・プレイの運営スタイルを思わせるが、「本作はフリー・トゥー・プレイにはしないつもりです」とニート氏。ビジネスモデルについては検討中だという。

 E3 2016でその一端が披露された『Sea of Thieves』。じつは相当スケールの大きなゲームのようです。

最終更新:6月17日(金)18時2分

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