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900本の映画を世に出した伝説の男『ハリウッドがひれ伏した銀行マン』

dmenu映画 6/17(金) 20:30配信

『薔薇の名前』『プラトーン』『ダンス・ウィズ・ウルブズ』『氷の微笑』『ターミネーター2』『眺めのいい部屋』『トータル・リコール』『ランボー/怒りの脱出』『恋人たちの予感』――。ジャンルはさまざま。監督、出演俳優も違う80~90年代のハリウッドのヒット作だが、一つの共通点だけがある。これに答えられたら、“映画検定1級もの”だろう。

答えは、製作費の融資に関わった銀行マンが同じ。その人物の名はフランズ・アフマン。彼は生涯900本の映画に融資した伝説のオランダ人銀行マンだ。『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』(60)など多作で知られるB級映画の巨匠ロジャー・コーマンでさえ、監督作は50本、製作本数は400本。この900本というのがどれだけ多いかが分かるだろう。

その知られざる生涯にスポットを当てたのが、ドキュメンタリー映画『ハリウッドがひれ伏した銀行マン(原題:Hollywood Banker)』(7月16日公開)だ。「ハリウッドがひれ伏した銀行マン」との邦題を聞くと、金に物をいわせた銀行マンとも聞こえるが、出すべき映画に金を出していた審美眼を持った人物だった。銀行やカンヌ映画祭で彼を探すなら、プロデューサーらが行列を作った先を見ろというのが常識だったそう。

1987年の第59回アカデミー賞では、関わった作品が主要部門で8冠。オランダの『追想のかなた(未公開)』が外国語映画賞、『眺めのいい部屋』が美術賞、衣装デザイン賞、『プラトーン』が作品賞、監督賞、録音賞、編集賞を受賞した。『プラトーン』のプロデューサー、アーノルド・コペルソンは「本当に必要とする時に(ロケ地である)フィリピンのジャングルまで金を届けてくれた」と感謝した。オスカー授賞式では家族や友人の名前を挙げて、謝辞を述べるのが恒例ではあるが、銀行マンの名前が読み上げられるのは史上初だろう。

同作は当時、新進監督だったオリバー・ストーンが自身のベトナム従軍体験を基に映画化したもので、反戦的なテーマもあって、資金繰りには苦労をしたようだ。同年公開されたトム・クルーズ主演の『トップガン』は製作費1500万ドル。『プラトーン』は半分以下の600万ドルだったが、米国内だけでその20倍の1億3800万ドルの興収を記録した。

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最終更新:6/17(金) 20:30

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